表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1212/2423

H239

 王の剣を輝かせて迫ってくるのは、モノクロのアンティカだ。あれは見たことある。エデン争奪戦の時に、ラジエルが乗ってたやつだ。つまりは……王の剣もあるし、あれには今ラジエルが乗ってるってこと。

 このタイミング……最初から狙ってた? 王の剣の輝きが紫を帯びてヤバイ感じがする。まあけど私よりも先にアクトパラスとゼンマイがぶつかる。大丈夫大丈夫、あいつらがどうにかしてくれるでしょ。なにせこのまま何もせずにやられる連中じゃない。やったれ! ラジエルなんかぶっ飛ばせ!


 私のそのくるっくるの手のひら返しが聞こえてたのか……んな訳ないが、アクトパラスとゼンマイの融合体がその触手を向けた。アクトパラスとゼンマイの融合体はアンティカよりもでかい。一・二周りくらいだけど、それでもその俊敏さはアンティカにも負けてはない。

 でかいから遅いなんてのはこいつには当て張らない。まあ上位種は大体早いからね。それに素で防御力もたかいしね。迫る触手をだけど、モノクロのアンティカは危ないものは斬って、余裕があれば最小限の動きで避ける……ということをやってた。


(どんだけ乗りこなしてる訳あいつ?)


 私はそう思った。だって人種がアンティカという力に頼るのはわかる。だって人種は単純に弱く脆いから、頑丈で強い外殻をまとって戦うのは理にかなってるもん。

 けど、ラジエルの奴は獣人だ。獣人種はその肉体に自身があるやつらだ。つまりはなんだってその体一つでやっていきたいと思ってる奴らが多い。


 蛇とかグルダフだってアンティカには乗りたがらない。いろいろとガチャガチャとやるのがどうしてもなれないらしい。人種と違って自分の力だけで全然不便じゃないからそう感じるんだと思う。


 人種だって普段の生活に不便なんてない。でもこと、戦闘においては明らかに他の種と比べて人種は劣る。ついていけない体、スタミナ、筋力、そして魔法力……すべてのステータスで最低を行ってるのが人種だ。

 まあ実質、肉弾戦メインでやれば、獣人は普通にアンティカと渡り合える力を持ってるからね。人種にとっては何十倍、何百倍のパワーが出せるってことを他の種は素で出来るから、こういう外部装置的なものを嫌うんたろう。


(なのに……だよ)


 ラジエルの奴はアンティカを人種の国のエース級か……それ以上に乗りこなしてまっすぐに迫ってくる。でも接近してきたところにアクトパラスとゼンマイの融合体はその拳をつき放つ。使ったのは機械感か強い方だ。それは拳の大きさを直前で膨らませて迫ってた。流石にあれは避けれないだろう。これであのアンティカもラジエルも終わり――


「ええ……」


 ――ラジエルの奴はまるで紙でも切るかのように拳を切り裂いてアクトパラスとゼンマイの融合体の懐に飛び込んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ