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H233

『くくく……ははははははははははは』


 頭に響く声。どうやら私の声はちゃんアクトパラスとゼンマイに届いたらしい。はっきりと言えと、私はそう言ってやったのだ。何が世界の為だ……とね。


『いうではないか、簒奪者が』

「簒奪者って……なんのことかわからないわね」

「貴様ら……何を言ってる」


 あっ、セーファの奴に思考を飛ばすのにいれてなかった。てか今は普通に口に出してるから聞こえてるものだと。だって伝える相手は簡単に選べるし、別にアクトパラスとゼンマイがこっちに配慮する必要なんてないから、当然どっちにもその声は聞こえてるものだと……なんでセーファには向こうの声届いてないの? ぷぷ、重要視されてないんじゃない?


『まだ気づかないか? いや、この場所をおさえてる貴様がそこまで愚かであるわけない。そうだろう?』

「それこそ、なんのことだ? そこの私の巫女が言ったようにな」

『愚か者を演じるか? 何を狙ってる不死の鳥』


 アクトパラスとゼンマイはこの会話わざわざ私に聞かせてるよね? だってさっきはセーファには聞こえなくしてたじゃん。でもこの会話、筒抜けだ。まあセーファは普通に口に出していってるんだけど……この会話を聞いてるとわからなくなるね。


 だってセーファって実際どっちなの? 私の事わかってる? わかってない。判断できない。私はそう思ってセーファをまたちらっと見る。すると今度はこっちを見てきた。そして私に直接頭に伝えてくる。


『ありったけのマナをよこせ』

『それは、もちろんアクトパラスとゼンマイにぶつけるため? でもどうなの? あいつらの姿も見えないのに、いきなり決めにかかっても、確かめようないじゃん』


 とりあえず私はそう返す。口には出してない。思考にアクトパラスとゼンマイは除外してる。でもまあ警戒はしてる。そしてもちろんいきなりのこんな提案してきたセーファもね。


 だっていきなりありったけのマナって……それって本当にアクトパラスとゼンマイに向ける? 抜け殻になった私にセーファの業火が襲ってきたらひとたまりもないよ。

 

 だからやんわりと方向転換を提案したんだけど……


『任せろ、ここは私の空間だ。確かに奴らにわずかに侵食されてはいるがだいぶ取り戻してもいる。今なら、完全に追い出すことくらいはできる。外にはアルス・パレスにアンティカもいる。オウラムの戦力で、叩き潰す』

『なるほど……ね』


 ただの脳筋ではなかったか。ここまで言われると……ね。説得力あるし……変に反対するのは……難しい。まあ最悪、私に手を出してきても、このアンティケイドの体をなくすだけ……それくらいならいい。

 でも更に最悪なのって、こいつらとアクトパラスとゼンマイが手を組んで攻めて来たりすることでもある。うーんさすがにないよね? 

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