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H232

『まて、不死の鳥よ』


 セーファが源泉の中心に巻き付く触手に攻撃をしようとすると、そんな声がどこからともなく響いてきた。これもこの場所の特性で、私達に声を届けようとして喋ってるからなんか直接頭に響くように聞こえてるのだろうか? 

 試しに……


「うっさい、だまってろ」


 私はかなり小さな声でそう言ってみた。そして意識したのはアクトパラスとゼンマイにセーファもだ。一応反応を見るためだからね。アクトパラスとゼンマイは聞こえても反応してくれない可能性もあるけど、セーファならちゃんと反応してくれるだろう。

 まあ、セーファならそのスペックで実際聞こえてるってことがありえそうな気もするけど……とりあえずね。


『なんとまあ、これがこの星の巫女とは嘆かわしい』

『まったくだな』

「おい、私にまでいうことないだろう」


 なんか三者三葉返してきた。セーファは普通にこっち向いて言ってきたから、別段頭に響くようなことはなかったけど……でも聞こえてみたい。本当にぼそっといったから、やっぱり頭に響いた感じだろうか? まあアクトパラスとゼンマイも反応してるし、多分間違いない。


 どっかで私達を見てるだろうけど、多分それなりには離れてるはずだから、今の私の言葉が直接聞こえたとは思えないしね。まあそれなりにっていっても、結局はこの源泉の核の範囲だからね。色々と空間がねじれてたりしてそうな場所だけど、アクトパラスとゼンマイなら、多分一瞬で私たちへの間合いを詰めることくらいできると思う。だから常に防御は全開状態でいってる。


『気づいてるのか不死の鳥よ。貴様が連れてきたそいつは、エデンを奪い、この星を食い尽くそうとしてる元凶だぞ』


 うわーアクトパラスとゼンマイ……まあどっちがどっちかなんてわからないんだけど、それ言う? いや、いうか……言うよね。そればらしたら、三つ巴じゃん。そして一番私が弱いじゃん。


「何をいってる?」

『そこまで節穴になったか? 知らず知らずやはりこの星の種は奴の影響を受けている。だからこそ、浄化しないといけないのだ』


 うん? セーファの奴はまだ察してない? というか、アクトパラスとゼンマイの言葉的に、何か私にとって都合がいいことが実は世界で起きてる? 全然意識なんてしてなかったが……実はちゃんと世界樹の巫女として世界に認められてたのかもしれない。

 世界にとっても、宇宙一の美少女を名代に立てるって鼻高そうだからね。認められないわけがないね。そこは納得。


「それもまた、貴様らにとっての都合のいい世界と何が違う?」

『世界とは、勝者が造っていくものだ。そしてこの世界は長年それを求めて来たはず。本当の勝者はそこの女の様な脆弱なものではあってはならないのだ』


 アクトパラスとゼンマイは自分たちの都合を押し付けてくる糞な奴ということは分かった。なんか世界がどうとか言ってたが、ようは自分が一番になりたいだけじゃん。なら最初から、世界なんて持ち出さずにそういえ。反吐がでる――と頭から直接伝えてやった。

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