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H171

「またですか?」

「まただよ。でも大丈夫、今度は絶対に危ない事やらないから!」


 呼んだネジマキ博士が呆れたようにそんな事を言ってきたが、私は安心させる様に笑顔を向けてそう言うよ。この人は珍しく、私の笑顔がなかなか効かないからね。既に枯れてるし、研究一筋だからまあ仕方ないんだけどね。まあだからこそ安心ってのはある。いや、私は自分の顔に絶対の自信があるから、絶対に裏では私でオナニーしてると思ってるけどね。とりあえずアンティケイドと同調するための機械を用意させてて、頭にペタペタと何やら貼っていく。


「本当にこの前みたいな無理はやめてくださいじゃ」

「はいはい。私だって無茶なんてしたくないんだよ? 私は平穏無事で命の危機がない程度の刺激がほしいだけだからね」


 それは本心だよ。だからそんな疑ってますっていう視線やめてくれない? 私の事、どんだけお転婆だと思ってるのよ。私はそんなギャップ萌えねらって無いから。私は見た目通りのお淑やかで深窓の令嬢的女の子で行くから! 


「一応対象のアンティケイドを一番離れた個体に焦点させますぞ」

「はーい」


 全くただ、見学するだけなのに……ちょっと現場を見て、更に必要な事がありそうなら、ヘビに更に指示をするんだよ。国内の事はハゲ。国外の対処はヘビなのだ。軍を仕切るのはグルダフだけど、あいつは現場の総指揮官みたいな感じだからね。


「ではいくのじゃ」

「うう」


 ぎゅいーとなんか引っ張れる感覚がある。そしてマナだけが世界樹に流れていって、そして扉が開く。それを通ると、意識が肉体に溶け込んでいく。


「うわっくさっ」


 私は思わず鼻を抑える。周りは森の中。けどなんか煙臭い。まあ戦闘のせいだろう。私がアンティケイドに入った事で、私の仮の体となったこのアンティケイドは中性的な体型が女性の物に……まあ正確には私に似せた物になってる。しかも普段からアンティケイドは裸なので、今の私はスッポンポンだ。私は体の調子を確かめて、マナを集めて空間を開く。まあまだまだ実験段階の魔法だから容量がないけど、服くらいはある。てか単に世界樹の私の部屋につなげてるだけだけどね。底から服とかを取り出して着替えて、靴も森を歩くのに適したやつを履いた。これでいいだろう。後は長い紙を縛る。


「よし! ――わっ!?」


 準備が出来たと同時に、地面が大きくゆれり。空を見ると、なんか光が沸き立ってた。そして揺れの次に突風が吹き荒れてきて、私を吹き飛ばそうとしてくる。


「んんーー!!」


 私はなんとかマナを操って壁を作ったけど、なんかでっかい木々が折れたり吹き飛んだしてる。ヤバい戦いになってるね。でもそれも仕方ない。なにせこの世界の最強種が暴れてるのだ。この程度の余波はきっとしょうがない。

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