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H148

 一つは設置した。気付かれては……いない。いや、もしかしたら気付いてるのかも知れ無い。ただ見逃してるだけなのかも。だがそれならそれでいい。その油断が上位種の命取りだ。遇いも変わらずにあの女は動く気配がない。本当に一歩も動かずに俺達を殺しきる気のようだ。だがそれも都合が良い。なにせこれは……動き回られたら……いや、そもそも飛ばれたら意味を成さない。この山の主は不死の種と言う情報もあるが……だが途方もなく強いんだ。

 そこまだ気にしてる暇ははない。


「ぐぅぅ……」

「無理……するなとは言えないな」


 さっき体の中を燃やされた仲間が銃を取ってその場で撃ってる。あいつも死ぬまでの間、何か出来ることを……と思って行動してる。自分が助からないと……わかってるだろうにそれでも激痛を押して作戦の為に……引き金を引いてるんだ。残ったのは既に二人。二人であの化け物のような……いやようなじゃない。本物の化け物を相手にしないといけない。勝てる確率……そんな物を考えたら、きっと絶望で脚が動かなくなるだろう。

 そんな潔い死……俺達には許されてなんか無い。残ったもう一人も俺と同じように、炎の中から出てきた。きっとアレをやった筈。これを成り立たせるには、後三カ所はやる必要がある。それをあいつが許すのか。俺達は簡単に灰になる。あいつが本気になれば、それこそ一歩も動かずに……だ。防ぐ術なんて……ない。


「うおおおおおおおお!!」


 俺は衝撃を及ぼすカードをスキャンさせて引き金を引く。やっぱり吹き飛ばすのが一番なんだ。あの女の意思が介入してしまってる炎はどうっあてもその滾りを衰えさせる事はない。俺達にはその術がない。だから衝撃を持ってずらすしかない。それでも熱気はどんどん滾ってる。その内、この熱気だけで、本当に死んでしまうかもしれない程だ。マスクもいつまで意味を成すか……それでも近付かないとあの仕掛けを完成させる事出来ない。だから俺ももう一度前に脚を進める。だが位置を重ねる訳にはいかない。もう一人が逆から右に展開するのなら、こっちは左側を埋める。フードも完全に被って、更にもう一度自身に向かって引き金を引く。

 勿論その前に別のカードをスキャンしておく。これをせずに自身に向けて撃つと、ただの自滅だ。流石にそんなアホなミスはしない。背後から俺が迫ってるのに気付いたんだろう。いや、そもそも気付く必要さえもこの女にはない。ただ、仲間の方へと向いてた炎がこっちに向かってくる。再び炎の中へと巻き込まれる。それに歯を食いしばって耐える。地面に無地のカードを同化させる。でもこれだけやってまた離れる……それを許す奴だろうか? 俺は一つのアイテムを転がした。それはこの炎の中でもちゃんとその役目を果たしてくれた。


 それは強烈な閃光を放つアイテムだ。それと音。これで聴覚と視覚を一時的にも奪う事が出来る。炎には意味なんてないかもしれないが、本体にはきっと……俺は炎から出るために引き金を引く。衝撃に世って飛ばされると最初よりもあっさりと炎から出られた気がした。


(効いてる? 炎にも?)


 わからないが……炎から出てあの女を見ると、目を押さえて苦しんでる。本体の影響を炎も受けると考えて良さそうだ。今の内にもう一つ!

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