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H146

 光の中に出ると、一気にこれまでとは比較にならない熱気が肌に襲いかかった。深く呼吸をする事が出来ない。最初の一呼吸でそれを感じて、上がる息を抑えて、小刻みな呼吸に変えた。俺の部隊の奴らは全員か凄腕だ。全員がそれを感じたのか、大きく息を吸うことを止めて小刻みに息をしてる。そして全員が一点を見てた。それは俺もそうだ。この場所は、周囲がマグマに囲まれた空間だった。今までの金属質の床ではなく、ただの円形の岩の上。そして俺達の先に、また通路が続いてるのが見える。だが、この中央には一人の女が佇んでる。真っ赤な炎の様な髪をして、四肢にそれこそ炎が滾ってる女だ。

 上半身と下半身にはぴっちりとした服、両足は大胆にだしてるが、上半身から流れる布が足首まで垂れてる様な服を着てる。かなり大胆な服。背中も多分大胆に空いてるんだろう。


「貴様等は、ここで死ぬ。異存は無いか?」


 彼女がそんな事をいって俺達をにらみつけてくる。その瞬間に、心臓を鷲づかみにされたような感覚が襲ってきた。俺達は全員が、その場に膝を突く。


「かっ……かっ――はっん――」


 思わず大きく息を吸おうとしてしまう。だがそれは罠だと思って、口を手で覆った。


「ぐおおおおおおおおお!!」


 断末魔の声が響く。見た目的には何も起きてはない。だが……何が起きたのかはわかる。あいつは息を大きく吸ってしまったんだろう。それで一気に灰や気管が焼かれてしまったんだ。まだ死んではないだろうが……ああなってしまったら、動く事すらできずに、息絶えるのを待つしか……


「弱いな。人種はなんと貧弱なのか。まさかこれが攻撃になるとは」


 そう言って彼女は四肢から炎を出しだした。大きな炎が広がる。だが、こちらまで来るほどじゃない。調節してるのか……でも、熱は確実に上がった。短い息でも、喉がいたい。俺達は装備の一つのマスクをする。別にこれ自体には毒とかを防ぐ為の物なので、熱を冷ます機能はない。だが、別のアイテムを組み合わせれば、どうにかなる。冷気を出すカードがある。それにマナを流すテープを貼ってマスクの裏につける。多少はみ出すが、これで僅かだが、冷気をカードが発生させてくれる。これなら、暖められた空気を吸うことはなくていい。

 俺の真似をして部隊の奴らが同じように対策をしていく。でもそれはちっちゃな付け焼き刃だ。それをわかってるから、次はこっちが打って出る。俺達は銃口を向けて、引き金をひく。だけど……


「ふん、玉遊びか?」


 炎が俺達の攻撃を全て燃やし尽くしてしまう。あいつは一歩も動かなくても、俺達の攻撃を防ぎきってる。これが上位種の力か。絶望……それを感じずには居られない。なにせ、勝てるビジョンが全く見えない。

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