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H140

 橋を遮るように溢れてるマグマに向かって俺達は銃弾を放った。カードをスライドさせて、銃弾というか、その発射したエネルギーには特性が付与されてる。氷はマグマの熱量の前に無力だった。だが、今度はそんなのは関係ないはずだ。既に直ぐ後ろにオウラムの奴らが迫ってる。これが成功しないと、後ろの奴らとやりあって、脱出を図るしかなくなる。


(だから……頼む!!)


 熱いから冷やすって発想は普通の事だ。でもそれでは通用しなかった。俺達が作れる冷気では、マグマには通用することが出来ない。ならこれしかない。俺達の放った弾丸は、激しい爆発をマグマにぶつける。それによって――


「見えた!! 走れ!!」


 ――爆発によって橋が見える。マグマを爆発で吹き飛ばす。その狙いは上手くいった。凍らせる事が出来ないなら、退かすしかない。だが流れを変えるなんてことは出来る訳ない。一体マグマの流れを制御するなんてどれだけの魔力を使うか想像もできないからだ。だが、吹き飛ばすとなれば、その威力を確保する魔力だけでいい。継続的な魔力は必要ない。俺達は爆発でマグマを吹き飛ばして、その先の橋へと飛ぶように走って行く。マグマは絶えるなんて事は無いだろう。少なくとも、俺達を阻むことに不足なんてする事はきっとない。だから俺達は撃ちまくる。再び橋がマグマに阻まれたらたまったものじゃないからだ。


「まてえええええええええ!!」

「ボス!!」


 橋を渡りきろうとしたときだった。橋の手前まで来たオウラムの一人がその持って武器を投げてくる。それはこの山の鉱石で作ったのか、黒い槍だった。それが橋を渡りきろうとしてた俺達に迫る。というか、俺に迫ってた。あいつは俺に狙いを定めてあの槍を放っていた。なんで俺がトップだとわかった? やっぱり角か? 角があった方が偉く見えるのか? そんな事を考えてる場合ではない。だが、振り返って銃口を向ける余裕はない。だがその時、俺の背後に影が立つ。そして「ボス!!」と叫ぶ声。次の瞬間、体重が倍増したかのような衝撃が襲ってきて、橋を俺は越えた。


「ボス! 大丈夫か!!」

「ボス!」


 皆が俺を引きずりだしてくれるが、何故か俺をかばった奴の事は言わない。だが、俺は後ろを振り返ってそれを知った。そうなんだ……皆……もう意味が無いと、知ってるから生きてる俺にしか声をかけない。俺をかばったボールの奴は深々と刺さった槍によって絶命してた。俺は直ぐに顔を前に向けた。


「行くぞ!!」


 死を悼む時間はない。俺達は残った命を燃やして任務を遂行しないといけないんだ。

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