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H137

「周囲を確認しろ!!」


 戸惑いを切り裂く声を出し、仲間達へと指示を出す。ここがどこかわからないから、ここがどこなのか、そして安全なのか……それをなるべく早く確かめる必要がある。ある物は足で、そしてある物は道具を使ってそれを確認する。俺達がみつかった事で、合流できてない仲間達は身動きが出来なく成ったかも知れ無い。その場合は無理をせずにいったん引いて、俺達の退路を確保する為に動いてくれる筈。


 俺達はただ前に進む。それしかない。


「状況の報告をしろ」

「ボス、どうやらここは橋の近くの建物みたいっす! てか隣っす!!」

「でも、めっちゃ警備多いぞ。多分まだバレてはないが、あの陣が使われた事は直ぐにわかるとなれば……」

「ここも直ぐに人がくる……」


 それは簡単にわかる事だ。ならここにとどまって人がいなく成るのを待つ……なんて事は出来ない。


「出入り口は?」

「人はいないが、気配は感じる。建物をより把握したほうが――つっ!?」


 足音が近付いてくる。不味い。この建物内を把握する間もないぞ。この部屋に窓はない。隣の建物に行くためにも窓は必要だ。隣なら窓からだって無理矢理隣の建物に飛ぶくらいは出来る。殺せるのなら……それが一番だ。幸いにも足音は一人分……一人……いや、なんかパカンパカン聞こえるな。う、馬でも連れてるのか? それとも四足歩行の種とか……ヤバい……判断ができない。出たこと勝負か? いや! 


「天上だ! 光学迷彩を使って目隠ししつつなるべく天上に貼り付け!」


 もしもこの部屋に来ても、意識してなかったら、天上なんて普通は凝視しないし、多分このあんまり急いでない感じは追っ手って訳ではない。なら、光学迷彩だけでもなんとかなる可能性はある。それに一応だけど、幻想魔法は掛かってるしな。それに期待しよう。それに部屋まで来ない可能性だってある。とか思ったが、そんな希望はあっさりと打ち砕かれる。普通に来た。ガチャッとドアノブを回して、中を確認する。ここは倉庫なのか、何か袋を持ってきた。パカンパカンという足音は一人分だった。なんか短足の四足歩行の種みたいだ。しかも前と後ろに胴体と顔がちゃんとある。まるで二人が一人にくっついたみたいな……


「騒がしくないか?」

「なんか侵入者だとよ」

「保護を求めてきた種じゃないのか?」

「いや、どうやら人種の先兵らしいぞ。人種程度なら問題なんて無いだろ?」

「だが、向こうも色々な種が合流してるらしい」


 そんな会話をしてる。これは……やれる……か? だが、あれは一人だが、二人だ。この人数なら、一瞬で二人に攻撃を加える事は可能だが……二人分の生命力があるとかなら、面倒な事になる。だがその時、下の階からドタバタした音がしてくる。ヤバい――俺の直感がそれを告げてる。長年の勘。それがピンチだと言ってるんだ。このままじゃ、俺達はここでおわる。俺は両手に道具を持って、天上から降りた。そして降りた先は、このくっついた二人の胴体。そこに丁度またがる。

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