H134
俺達は足音を消して建物を進み出した。ゆっくり……なんてしてられない。バレてはいけないが、だが時間を掛ければ掛けるほどに予想外な事が起きるものだ。目的は素早く達成するのが、俺達の腕の見せ所だ。そして今や、俺達にはそれをよく支援してくれる装備がある。
靴は今僅かな光の線をほのめかしてる。それが俺達の足音を消してる。いや、これの効果は足音だけには及んでない。なにせ俺達は第666独立遊撃部隊は基本暗殺部隊だ。俺達はそれぞれが足音を消すことなんて出来る。でもそれでも音……というのは意外な所から出たりするものだ。
それこそ床の軋みとかはよくある事。他にも何か別の要因で家人達がいきなり行動する事なんてよくある。だからなるべく、素早く始末しないといけない。一つの扉の前に来た。ドアノブを触ろうとしたが、一回何か仕込んでないか確認する。服から取り出したオラクルで見てみるが、別に魔法的な何かはない。ただの普通の扉らしい。オラクルをしまって、それぞれ武器を構える。銃はどうしても音が出るから今回もナイフだ。このナイフも特別製だ。マナの結びつき? って奴を断ち切れるらしい。理論上は魔法も斬れる。
だが、そんな事をしようものなら、普通に折れるとは思う。まあだが、音もなく、効果もさっきの一匹で証明されてる。問題はどうやってこの扉を破るか……
かちゃ――
ドアノブを回すと、鍵は掛かってなかった。まあ普通家の中ではそうそう鍵なんて掛けないか。なら話しは早い。ドアノブを回した時に音はしたが、どうやら中の奴は気付いてない。俺は仲間達に視線を送った。そして一気にドアを開く。
「なにやつ!?」
そんな声を出したそいつは家族だけあって殺気殺した種と同じだった。当然だが。だがなんか毛がピンクだし、小さいし、スカートをはいてた。きっと娘なんだろう。まあそこら辺でしか性別はわからないが……だが関係ない。俺は正面から、だが正面からいける奴は限られる。一直線に進んだら数の優位が行かせない。だから左右に二人ずついって壁を走らせる。この装備ならそう言う事も出来る。これで同時に三方位から攻撃できる!! 前に手を向ける中にいたそいつ。目の前に魔方陣が現れた。
「ふっ!!」
だが俺はそれをナイフで切り裂いた。
「バっ!? ぐぁがな――」
次の瞬間には、そいつの体に深々とナイフが刺さり、更に突き抜ける。更に左右からもダメージがデカそうな所を重点的に狙う。更にそれだけでおわらない。俺達は至近距離から何回も切り刻む。真っ先に喉を潰して声を出せないにするのは当然だ。血が、壁や天井にまで飛び散っていた。当然俺達も血まみれだ。
部屋の中は結構ファンシーで、可愛らしい物だった。この血飛沫さえなければ……だが……床に倒れ落ちたそいつはビクンビクンと痙攣してた。だが……どこかに手を伸ばしながらその動きを止めた。俺達は動かなくなったそれには目を向けずに、次の目標に取りかかる。




