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H133

 建物の裏に居る俺達はそれぞれ、支給されたアイテムを使う。まずは何よりも情報だ。外の情報はサポが補完してくれるが、サポも中までは見通せない。だからここで支給されたこの装備の出番だ。まあこれまでも散々お世話になってるけどな。


 俺達は基本、そんなにチームで動く部隊ではない。だから連係って奴はそれなりにおざなりだ。なにせ俺達は裏に生きる者達。最後の時、恨むのは自分だけ……そうあるべきだからだ。まあそれでも俺達は自分たちが優秀だと思ってる。だからこそ連係だってそれなりに出来る。だがやっぱり俺達の任務上、効率よく誰かがどれかを担当する……なんて役割の分担はないわけで、装備もそれを考慮して、一人でなんでも出来るっ装備になってる。

 それに俺だけが、この角があるって感じだ。だから同じ事が出来る利点を生かすべき。一本の針を二人が取り出して、それを家の壁へと当てる。そしてその針に、力を加えて壁にブッ刺した。するとズリッとズレて中から更に別の針がでてきた。最初に見えてた針の部分は皮だった。内部の細い部分がこの道具の核だ。


 壁にめり込んだ内部の針が僅かな光を放ってる。それが黒ずんで行き、光が消えたら、抜いて、その張りを自分に刺す。すると……


「中には二体。それぞれ――」


 そう言って針をさした奴が持ってる手帳に簡易的な間取りを描いていく。そしてどこに誰がいるかを示す。それをもう一人同じようにした奴と精査して間違いがないかを確認する。目的地は二階の奥らしい。見上げた所にある窓の部屋なら簡単だったんだが……どうやらそんな簡単ではないらしい。


 とりあえずまずは二階に一人居るからそいつを始末する必要がある。そして速やかに一階に居るもう一人を始末する。俺達は手を壁につける。この手袋も支給された装備だ。手首のダイヤルを回すと手袋は壁に吸い付いたというか張り付いた感じになった。


「よし、行くぞ」


 俺達は両手と足で壁に張り付いて登り出す。このくらいなら大丈夫だな。流石にパウジーフラワーの巣の様に、断崖絶壁よりも酷い感じの場所は厳しかったが、普通の建物にはちゃんと使える。サクッと二階の窓に近付いて、内部を確認。誰も居ないことを確認して、透明なガラスなのか、それをこれも支給された装備のコンパスで丸く切り取った。鍵を開けて、内部に侵入する。なにか魔法的な警戒があるかと思ったが、どうやら大丈夫らしい。そして俺達はまずは二階に居る命を絶ちにいく。

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