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H130

 オウラムの目と鼻の先、木々を組み合わせて、三角の簡易的な建物が建つ所まできた。そこでサポと合流する。幻想魔法は発動してる。それでも山から主が帰って来ることはない。気付かれてないのか、気付かれた上で誘われてるのか……それはわからない。だが……いましかない。


 山に放たれた火は直ぐに燃え上がる。黒い煙を確認すると、オウラムから、何人も森の方へと向かっていく。一カ所だけでは直ぐに鎮火されてしまうから、複数箇所で一斉に火事を起こしてる。オウラムもそれに気付いて、慌ただしくなってる。余裕がなくなれば無くなるほどに、幻想魔法の効果も高まるらしい。

 これで少しでも浮き足立ってくれると……助かる。まあ見てる限り、本当に幻想魔法に掛かってるのか? と言うくらいに、普通に動いてる様にみえるけど……


(本当に大丈夫なのか?)

(どうでしょうかね。もともとこの地はあの種に守られてる地帯で、影響力があるとすれば……)

(あるとすれば?)

(幻想魔法の効きは更に弱くなってるかもしれないです)


 それはあり得そうではある。ここら一体を支配してる彼女は上位種だ。サポとは格が違う。ますます幻想魔法に信用がおけなくなったが……既に火をつけてしまったからな。一応幻想魔法はちゃんと発動はしてるんだ。なら……信じるしかない。


 オウラムだって今回の火事が人工的な物だとわかるだろう。山狩りなんてされたら何も出来ずに終わる。それは最悪だ。俺達に退路はない。一応火事のためにそれなりに数は減ったはず。なんとか建物の影を利用して橋の建物まで行くしかない。サポは更に上空に行って貰う。サポは隠れるのが得意らしい。だからこそ、幻想魔法を広範囲に掛けても見つかってない。


 なのでサポには上空で部隊のサポートをして貰う。俺達は勿論周囲に気をつける。だが、第三の目にサポが成ってくれれば心強い。サポと会話を出来るのは部隊で俺だけだが、思考を強制的に送る事は出来るらしい。それを使って危なかったら頭に直接サポの声を叩き込む。

 まあ角がある俺と違って他の奴らは頭がちょっとくらっとするかも知れないらしいが、そこは我慢し貰うしかない。一番近くの建物の壁に背中を合わせてクビだけだして次に移動する場所を見定める。アンティケイドはただ俺についてくるだけだ。

 俺的にはあんまり隠れる様な動作をしないこいつも心配だ。まあアンティケイドなら以前からここにいたし、パウジーフラワーにさえはちあわなければどうにかなるか……


 慎重さとサポのサポート、それに多分だけど幻想魔法も効果があったのか、なんとか俺達はそれぞれの場所から、ようやく文明を感じれる建物が建ち並ぶ場所まできてた。ここから更に死角も多くなるし、少しは楽になるだろう。俺達は途中で四人と合流して、ここまでで六人になってた。多くなれば、移動するときに危なくなるが、それでもやっぱり仲間が居ると、心強い。

 まだ誰もみつかってはない。このまま全員と合流して、橋がある建物へ……でもそれはまだ第一関門を突破にしたに過ぎない。

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