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H118

「ダンプはどうしてる?」

「それが、消えました」

「消えた?」


 一応監視させてた筈だ。オウラムにかなり近いところまで人種が……というかラーゼの息の掛かった奴らが来てて、その監視を緩めるなんて事はない。確かに力というか、暴力性ではアクトパラス種が危険だろう。古の種と言うのは力至上主義だからな。

 でも情報ではアクトパラス種はあくまで少数……だ。アレと対峙して生きてたのか実際誇りを捨てて逃げてきたヌウナ種の三人しかいないからなんとも言えないが、奴らの話ではアクトパラス種はこの世界で一体だけの筈。でもその一体で悉くの種を下してきたまさに最強と言える種だ。


だが、それでも俺達がより警戒してるのは人種や魔族……であってそしてあのラーゼだ。あいつは何をやってくるかわからないし、それに俺達の国を滅ぼした張本人だ。悲しいのは、それを忘れて俺達の同胞が向こうに寝返ってることだ。

 だがそこら辺は止むに止まれずって事もあるだろう。国が崩壊したんだからな。国を守れなかった俺達には彼等に文句をつける筋合いはない。だが……それでもアンサンブルバルンは許さない。同じ種だとしても……だ。このオウラムに手を出すとどうなるか……それをわからせる必要がある。


 いきなり開戦……なんて事になったら困るが、三つ巴な以上ラーゼだって下手に動けない筈。だからこそこうやってどこに着くかわからなそうな種を排除に動いてるんじゃないだろうか? 


 それに単純にダンプは欲しい。きっとアルス・パレスに突っ込めば生産してくれる筈だ。ここは資源は豊富だからな。なんとか落ちた場所からアルス・パレスは移動できてる。その機能を復活させて今はセーファの火山の火口に部分に実は沈んでる。アルス・パレスは溶岩の中と言うわけだ。なにせ一番重要な施設だ。下手なところにはおけない。

 アルス・パレスなら溶岩の中でも大丈夫だからな。しかもそこで一番濃いマナが活性化してる。これ以上の場所はないだろう。


「探せ、幾らダンプでも森の中では移動速度は落ちる。見つけられる筈だ」


 そう言って俺は斥候部隊である『翼鳴種』へと指示を飛ばす。彼等は腕と羽が兼用で、体は羽毛でおおわれてる。けど見た目的には人種に近い。胸や胴には羽毛はないから、人的な部分も見える。でもそこらへんは翼鳴種の矜持に反するのか、変な模様を描いて人種のような脆弱な種とは明確に違うと主張してる。

 髪の毛はなく、頭は全て羽毛だ。雄にはトサカがあり、綺麗な声を響かせる為に顎の下にビロンビロンとした赤い袋がある。


 彼等は勿論飛べるが、隠密性にも長けている。飛んでる間は姿を周囲と同化できる上に、喉の袋で特殊な音? を出して、互いに会話できる。それが別の何者かに聞かれる事はない。そういう種だから、こういう仕事にはとても向いてる。それに広範囲を探索できるからな。けど案外、飛ぶのはデリケートなのがたまに傷だ。風が強いと簡単に飛ばされるし、雨でも羽毛が雨を吸って飛べなくなる。

 隠密性と飛べる事が最大の特徴だから、彼等は戦闘は苦手だ。基本敵と出会ったら逃げの一手。でもそれでいい。彼等は情報を持ち帰るのが一番の任務だ。


 今日はとても良い天気で晴天は彼等の味方だ。こうなると、逃げられる訳はない。夜でも彼等は夜目が利くし、木々が生い茂ってたとしても、見つける能力が彼等にはある。ようはここまで来てしまった人種は詰んでると言う事だ。焦る事はない。翼鳴種の報告を待って、部隊を動かそう。


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