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H98

(これは不味いね)


 アンティケイドが触手を食べる度に、黒いスライムが内部からアンティケイドを浸食してる。私は意識だけをアンティケイドへと送ってるけど……このままだと何か影響が出そうだ。てか逆探知とかされたら面倒。私はこっちには来て欲しくないんだし、いくならオウラムの方に行かせたい。


 一応こっちもマナに仕込んでるが……


(アンティケイドをこのままやるわけにも行かないよね)


 なんかアンティケイドがパウジーフラワーたちに悪用されてるからね。それを学習してこのままにしておけないよ。パウジーフラワーはまだそこまで強い種じゃないから別によかったが、こいつはそうじゃない。私達が作り出した物で反撃なんてされたらお笑い物じゃん。


 アンティケイドの体は今も一心不乱に触手を食べてる。てか既に触手も自身から口に突っ込んできて、それをただかみ砕くだけ見たいな。食感はグミっぽい。でも味は意識しないようにしてる。私は黒いスライムの中に仕込むマナと、更にアンティケイドのキーを操作して準備を進めるよ。色々とアンティケイドには機能がある。これもその一つだ。


 自壊できる様にあらかじめ魔法が組み込んでる。どんどんと浸食が進んでいくが、一番中枢にそれはあるからまあ大丈夫でしょう。私はとりあえず仕込みを終えるとアンティケイドから離れる様に意識を戻す。

 けどその時声が聞こえた。男女が重なるような声。


『必ず喰らう』


 そんな事を言われた。私はとりあえずあっかんべーして自身の体に戻った。直後、アンティケイドの体は崩壊しただろう。



「ふう……」


 私は直ぐにゴーグルを取り外す。いつもの自分の部屋だ。間違いない。戻れなかったらどうしようかと思ったけど流石にそんなことはない。まあ結局はこっちとの繋がりが強いんだから、戻れないなんてことは無いんだけどね。私ならきっと魂と肉体が本当に切り離されたとしても多分もどってこれる。この世界ならね。クリスタルウッドを通じてね。


「ご無事でしたかラーゼ様!」


 そういうネジマキ博士は何やら興奮気味だ。まあ今回の実験はかなり有意義だったしね。興奮するのもわかる。


「アレはどうなりましたか? こちらでは途中から数値でしかわからなくなってしまいましてな」

「アンティケイドは乗っ取られそうに成ったら自壊させてきた。一応マナは仕込んだけど……どれだけアレに影響を及ぼせるかは謎だね。とりあえず追加のアンティケイドを送り込んで遠目からでも観測するしかないね。こっちに来たら大事だし」


 出来るならオウラムへとむかって欲しい。一応そうなるように仕向けたし……上手くいけばいいな。とりあえずお腹も減ったし、私はお菓子を頼むことにした。

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