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H93

 アンティケイドを何体も取り込んだ私だけど、別段見た目に変化はない。でも確かにアンティケイド達の質量は私の中にある。まあ私の中というか、このアンティケイドの中に……だね。溶け合ってるだけで、なくなったわけじゃないからね。


 アンティケイドはとりあえず姿はこの白い人型に固定されてるが、種の中に溶けこむ事も出来る様な機能が付いてる。だからそれを応用すれば、走るよりも素早く動ける様になるはず。


 まあ四足歩行とかも考えたりもしたけど、でもそれって私に相応しくないと思う。せわしなく動くのって違わない? それならゆっくり優雅に歩きつつも実は超高速で移動してる……って奴をやりたいけど、流石にそれは無理。アンティケイドは自身の中には変化を起こせるが、それを外に影響与える程に行使できるかというとそうじゃない。優雅に早く移動するとなると、それこそ時間や空間干渉とかだけど、流石にアンティケイドじゃ無理。


 なら、今の私に何が一番相応しいか……


「やっぱりこれしかないよね」


 私は両手を胸の上に置いて力を行き渡らせる。今まではマントやそれなりにぴっちりした服にライダースーツを見た目だけ変化させてたけど、今回も更に変化させる。白い布が体にまとわりつく感じにして背中側を大胆に開けさせる。マントは消した。なびく物は白い布があるから良いでしょう。そして肩甲骨がボコッと盛り上がる様に出てきて、直ぐに体よりも大きくなった。そして――


 バサァァ


 ――と私の背中から白い翼が生えた。そしてそれは浮力……では力を発して浮く。さらにバサバサとする度にマナがキラキラと散る仕様だ。綺麗だね。私に相応しい。触手が飛んでる私に迫ってくる。更に魔法も……でも地上から私は解放されたのだ。私は力を込めて一際強く羽ばたく。


 すると一瞬で、あの黒いスライムみたいなのを置き去りにした。


「あわわ」


 私は慌てて急ブレーキをした。なんでかなって? だって私はあれを振り切りたい訳じゃない。あれをオウラムにぶつけのが目的だ。ならあんまり距離を取るのは得策じゃない。諦めて貰っては困る。


「空を飛べるのなら、最短距離でオウラムにいけるね」


 私はそう言って眼前に見えるオウラムの方向を示す矢印を確認してペロッとするよ。地上を走るしかなかったら、もっと複雑な地図が必要になるところだ。けど空を飛べるのなら話しは別。オウラム方向だけを常に示してくれてたら迷うことなく着くことが出来る。


 私はペロッと下で唇を潤す。


「さあ、おいで」


 私は両手を出して、空を移動してくるうねうねとした黒いスライムみたいな物体にそういった。

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