H66
「それで殲滅するのは良いですけど、どうやってやるんですか?」
リリアのそのまっとうな質問。それに返す言葉は実際無い。いや、寧ろその意見を求めてると行ってもいい。何せ自分たちではダンプを使って追いかける……しか考えられない。でも実際それは現実的ではない。なにせこの森は広大で、かなり奥……それこそ人種が未踏の領域には、何がいるかわからない。そのデータもエデンにはあるらしいから、一応データ的に引っ張ってきてる。情報とは武器だ。だからそこら辺をおろそかにはしない。
エデンの情報が自分たちみたいな下っ端まで降りてくるなんて事はそうそう無いんだが、要請するくらいはただだからな。得られたらラッキーくらいの感覚で要請してみたら、情報が降りてきた。まあ大体のマップみたいな物と、モンスターの分布図みたいな物だったが……しかもエデンの情報はかなり古い。それこそ千年単位でだ。正直当てに出来るかはわからない。てかだからこそ、下ろしてきたんじゃないだろうか? あまり深くには行く予定はなかったが、あわよくば、浅いところでも大森林の変化とかを観察させる気だったのかも。エデンは宇宙の方に何やら飛ばして、感知外の所から情報を集めようとしてるらしいが、それが出来るのはどのくらい後か……今はまだ実際に行ってみてくるしかない。
それかエデンなら、もっと別の方法もとってるのかも知れないが。
「流石に正確な場所は……わからないよな?」
俺はリリアとそしてサポを見る。この中でそう言うのが出来そうなのはこの二人だ。まあだけど、リリアはもっと大雑把な力の使い方をしてるような気もするが……サポは種族的に裏方的な奴だ。なら、友好な力を持っててもおかしくない。
「私はそこまでは……世界樹を使って逆探知……なんて事も出来なくは無いですけど、パウジーフラワーは存在として小さいですからね。難しいです」
そう言ってリリアは首を振るう。もっとパウジーフラワーの力が強かったら出来たのか? 惜しいな。でも出来ない物はしょうがない。そもそもリリアを責めるなんて出来ないし。なら後はサポだが……
『そうですね……少し試して見ましょう』
そう言ってサポは穴の周りに咲いてる花に近付いて行く。そして花の一つを自身の体で包み込んだ。そして花の部分を含んだまま、ふわふわと頭よりも高く浮かんだ。そしてそこで含んでた花の部分を解放する。すると不思議な事に花の部分がクルクルと回りながら、何やら数メートルは進んだ。そしてポトッと地面に落ちる。
『あっちですね』
「おい!!」
俺は思わずに声を荒げた。いや、だってそうなるだろ!? 何今の!? 占いか!?




