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H63

「森全体って……どういう事だ? 力はどうなんだ? パウジーフラワー達のそれはなくなってないのか?」


 俺はリリアが言った言葉の意味を確かめる様にそう聞く。なにせその『何か』が、もしも本当にパウジーフラワーだとしたら……この広大な森からそいつらを見つけて殺すなんて事……かなり厳しい。そうなれば、任務は失敗と言う事に成らざる得ない。そしてこの戦いで死んでいった奴らのその死も無駄死にって事に……いや、まだだ!!


「どうなんだリリア!?」


 俺はリリアにそう詰め寄っていた。魔王だからって今までは遠慮してたが、ついつい感情が高ぶって声を荒げてしまう。魔王であるリリアが怒れば次の瞬間には頭と体が切り離されてもおかしくない態度だ。それくらい、魔王という立場は高い。それこそ我らの王や、ラーゼ様と同じ位置に位置してると言っていい。そんな存在のこの態度、だが打算はあった。リリアは、今までの態度からもそこら辺かなり緩い。魔王となったからといっても、人だった時の事を無くしたわけでもないようだしな。


「そうですね。力はまだ微かに感じます。なくなるかと思ったけど、そうじゃない。世界樹に帰ってはないですね」

「つまり……それは……」

「パウジーフラワーはまだ生きています」

「クソ!! でもなんで、いきなりこの森全体広がってるんだ? リリア、サポ、わかるか?」

「うーん、逃げたんじゃないですかね?」


 リリアがなんか頭悪そうな発言をした。よく手が出なかった俺。流石に手を出してたら反射で出し返されたかも知れない。そうなったら、人種の体なんてひとたまりもない。魔王の力で軽く叩かれただけで消し飛ぶんじゃないか? 危ない危ない……でも流石に今のは冗談だよな? 俺の昔の印象的に、リリアは頭そんな悪くなかった筈だが……


「逃げたのはわかるが、それはどうやってって事だ。その種がわからないと、何度だって逃げられる。そうじゃないか?」

「今度は私がとどめを刺しますよ?」

「それは……確実だが、出しゃばりすぎじゃないか?」

「そうですけど……とりあえず奴らの力を解析して私の身にしてるんで、その内わかるかも知れません」

「そんな事を?」

「私は世界樹と繋がってるんですよ。全ての力を私は取り入れる事が出来ます。素材は十分、さっきの戦いで得ましたので」


 どうやらさっきの戦闘で、色々とリリアの奴は得てたようだ。殴ることしかやってないとか思ってたが、そんなことなかった。いや……待てよ。


「元々それが目的か?」

「ふふ、別に良いじゃないですか。ラーゼの奴が滅ぼそうとしてる種の力を私が得てる。ただそれだけですよ」


 そういってリリアは蠱惑的に微笑む。それは本当に息を飲む程の笑みだ。言い返す……なんて事はできない。するとその時、サポが頭の中に言葉をぶつけてくる。

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