表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1034/2420

H61

「寄生された奴らは殺せ。もう間に合わない」


 俺はそれを決断した。なにせ既に皮膚を突き破って根が出てたりしてたりする。眼球や鼻、口、元々が出やすい部分からはうねうねとした根が這い出てる。あれは既に、人ではない。そう人ではないんだ。この部隊の奴らは死ぬ覚悟は出来てる。そして俺達だって、仲間を殺す覚悟だって済ませてる。助からないのなら、敵の手に落ちたのなら、俺達が引導を渡してやるのが仲間って奴だろう。


「リリア相手を任せるぞ」

「ええ、任されました!!」


 どうやら寄生された奴らには知能がほぼないみたいだ。攻撃してくる奴らを襲うみたいな感じ。だからこっちから何もしなければいい。でも、既にこっちを向こうは敵とも認識してる。それを上書きさせるために、一度リリアの方に向かせるしかない。その為に軽くリリアに小突いて貰う。それをやる事でリリアが全ての敵の標的になる。酷い? いやいや、リリアは魔王だ。このくらいの相手なんて朝飯前。

 その証拠にリリアは全く苦にしてない。デカ物を吹き飛ばして、寄生された奴らは根を鞭の様に使ったりしてるが、それがリリアを一時的に捕らえても、それでリリアの動きが阻害されるなんてことない。圧倒的な力の差がある。


「よし、全員準備はいいか?」


 俺達は残ったメンバーで集まってこの花畑に、マナを撒いた。後はきっかけさえ与えれば、この場所は炎の海に包まれる。俺達はその前に湖に入り、ここに降りてきたロープを目指す。そしてそこから脱出を始めた。上にはバンセンさんが待っていた。出番がなくて申し訳なかった。やっぱりリリアと言う戦力がいたせいだね。本当なら、あのデカ物の相手は彼がやるしかなかった。でもリリアがいたから……しょうがない。俺は穴から下に銃を向けた。上に来てマスクを取ってわかったが、かなり皆の体に斑点が出てた。もしかしたら、俺達も結構ヤバかったのかも知れない。あまり動きが悪くなったとか調子が悪くなったとか感じなかったが、もしかしたら、一定以上蓄えられたらそこから一気に症状が出てくるみたいな感じなのかも知れない。だとしたら危なかっただろう。


 でも既に胞子の外、これ以上増える事が無いのなら、もう大丈夫なはず。それにこれで……終わりだ。俺は引き金を引く。そして少し後に、炎が広がるのが見えた。熱気がこの大きな穴から吹いていく。


「よく燃えてますよ」


 そういってリリアが飛んで来た。一番派手に暴れてたのに、リリアにはかすり傷一つない。どうやらパウジーフラワーではリリアの相手には不足だったみたいだ。あの炎の中には、寄生された仲間だった奴らもいる。俺達はその光景を見ながら、胸に手をあてた。


「これでパウジーフラワーは駆逐したことにとおもうか?」

「そうですね。一応、力は見てますよ」


 リリアは……魔王は特別だ。彼女がその力を完全に感知できなくなれば、パウジーフラワーを駆逐したと言っていいだろう。下の空間は炎が渦巻いてる。それでもまだ完全にはその力は消えて無いらしい。でもきっと時間の問題の筈。何やら植物たちがザワザワとしてるきがするが……気のせいだよな? 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ