表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1026/2422

H53

 もわっとした匂いが花をついた。それに違和感を感じた直後、何人かの隊員が苦しみ出す。


「あがが……」

「なんだ……頭が……」

「全員、マスクをつけろ!!」


 俺はそうすぐさま支持を出した。きっとこの花の花粉、何かがある。涸れる事を止めた花たちは、何やら全部がこっちを……いや、それぞれ俺達を凝視してるような……花がこっちを見てるなんてのはおかしな話しだが……だが確かに視線を感じる。


「いますね。やっちゃっていいですか?」

「……頼む」


 リリアに任せるのがここは良いだろうと判断した。俺達はマントからマスクを取り出してそれを急いでつけた。様子がおかしくなってる奴らには押し倒して無理矢理マスクをはめる。それでなんとか正気を取り戻したようだった。やっぱり多分この花の花粉が原因だったんだろう。なんかヤバそうに色ついてるからな。紫というか……そんな色である。リリアが再び地面を蹴って飛び上がった。俺達はとりあえず頭を低くして、マントを被った。これは耐火性能も有る。リリアが何をやるかは聞いてないが、なんとなくは察しがつくだろう。といか、そのくらい察せ無い奴なんて俺の部隊にはいない。


 リリアは案の定、残った花を焼き払いに来た。リリアが腕を振るうだけで、大地に炎が溢れる。どうやらその炎の制御は完璧なのか、俺達に熱気は届かない。マントを被る必要は無かったな。でもこれでパウジーフラワーも……とか思ってたら、何かが湖から出て来る。出るというか、発射された? それはいくつかはリリアに当たるが、それを意に介した様子はリリアにはない。多分攻撃力が低すぎて、リリアにはダメージが通らなかったんだろう。見た目は普通の女の子なんだけどな……まあそんな種は一杯いる。気にすることでもない。効果が無かったのならそれで……


「なに!?」


 なんかリリアに当たった奴以外は色々な所に落ちたのか、それからでっかい花がにょきにょきと生えてくる。そして一気に例の花粉をばらまく。それのせいで俺達の視界がいっきに無くなった。


「ぐわああああ!」「このおおおお!!」


 そんな声が聞こえてくる。花粉自体はマスクのおかげで問題は無いはずだ。なら何かが襲ってきてる? あの巨大な花のツタととかか? そう思ってると、サポの声が響いた。


「来ます! 伏せてください!!」


 その声に従って地面に這いつくばる。すると直ぐ上を何かが通った。これだけ視界がなくなると……下手に銃も撃てないな。ここは――俺はカードを取り出す。カードの構成、そして何枚目にそれが有るかくらいは暗記してる。見えなくてもとることば出来る。まあ流石に手元は見えるけどな。でも見ずにとれるのは前提だ。そしてそれを使おう思った瞬間、ドッカーーンと派手な音がした。きっとリリアの奴がデカい花を攻撃してるんだろう。こっちもやられっぱなしではない!! 


「全てを見通せ我が魔眼よ! 発動!!」


 目に当てたカードが光り、その術式を眼球に付与する。実は発動だけでいいが、それでは物足りないから付け足した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ