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H41

ドカーン!!


 ってアホらしい光景が広がってる。いや、本当に……リリアは圧倒的だ。まあ今は殆ど弱体化した魔物達しかいないから、俺達でもどうにかなる。だが、それでも銃弾は消費するからな。リリアだって、魔力を消費してるはず……筈なんだけど、バカスカと森がハゲ散らかす攻撃を撃ってるのにリリアに疲れの色は見えない。そもそもがさっき合流したときは、その肌とか服に汚れとか見えたが、今はなぜか逆になくなってる。


 それにどんどん肌のつやとか良くなって言ってる様な? 


「はは、まさか……な」


 俺はそんなあり得ない事を笑い飛ばす。確かにリリアは……魔王ミリアは別格だ。存在として、今この世界で頂点に立ってる種と同等か、それ以上だってあり得るだろう。けど、それでもどんなに多いと思えるエネルギーは有限だろう。減っていくはずだ。エネルギーが減っていけば、疲れが見え始める。それが生物の絶対的な法則だ。でも……リリアには疲れなんて見えない。魔族は戦いが好きだと聞くが……好きなことをやってるから? 昔のあの子はそんな子ではなかった筈だが……


「そっちではどうですか?」

「反応はない……ですね」

『私も、見失ってしまいました。いえ、正確には違和感はあります。でもそれが薄く広く広がってるようで、全体がつかめません』

「うーん、サポちゃんでそれなら無理か……まあ、なかなか面白い物は手に入ったからいいけど……あんまり放置しておくのもなって思ったんだけど」


 俺達は全部のダンプが合流して、再び森の中を進んでた。大量の魔物達は既にいない。あれだけ溢れたしてたのに、今や全くと言っていいほどに、生き物の気配がなくなってた。これはこれで不気味だ。まあ派手にリリアが暴れてたせいで、周辺にいた動物とかもそそくさと逃げたのかも。いや、そもそもがあれだけの魔物が集まってたんだ。森の動物とかはとっくに逃げてておかしくない。


 そしてそれらの魔物共がいなくなった今、こんな物か。


「あれは一体何だったんだ?」

「あれは星のマナの残滓ですね。この星でマナ自体に変異が起こったのかも。とりあえずマナをまき散らしてた華は駆逐したけど、大元はきっとまだ残ってる筈です」


 だから俺達をそれを追ってると……ん? 


「なんか目的ズレてないか? 俺達の目的はこの森にいるある種族の殲滅だ」

「そうですね。大丈夫ですよ。ちゃんと分かってますから」


 そう言ってリリアは涼しい顔でにっこりと笑う。さっきの戦闘で随分とボロボロになった俺達とは違い、リリアだけは余計に綺麗になってる。そんな彼女に笑顔を向けられると、誰も文句なんて言えない。いや、最初から魔王であるリリアに文句なんていえないんだけどな。


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