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H29

「むぎゃむぎゃ!! ぎゃぎゃああああああ!!」

「来たぞ!! 三時の方向だ!!」

「ボス!! 7時の方向からも来てる!!」

「ちっ!弾幕をばら撒け! 近寄らせるな!!」


 俺たちが森へと足を踏み入れてからというもの、ひっきりなしに魔物が襲ってくる。それはまさに息もつく暇が無いくらいだ。いったいどこから湧いてくるのか。デカい森だし元からいたのかもしれないが、それでもなんで一斉に? 確かにこの俺たちは邪魔な木々を無造作に切り倒して音を立ててる星だろうか? だがそうしないとダンプが通れる道なんてないのだ。

 なら切り倒すしかないじゃないか。ダンプを置いて行くなんていう選択肢はなかった。何せこの広大な森を徒歩なんて無謀だ。それにこれだけの敵の襲撃でもどうにかなってるのはダンプの上に備え付けられてた銃のおかげだ。これがなかったらとっくに俺たちは思ってる。

 俺たちが持ち運べる程度の銃ではなく、まさに据え置いて使うからこの威力を出せるその銃は、大木がたち並んでるこの森でも有効だ。何せ大木をえぐるほどの威力がある。魔光石を湯水のように消費してるが、引き金を引かないわけにはいかない。そして舞台の奴らも窓から銃を出して近づく奴らをうってる。


「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」」


 森の中を蛇行しながらも数む。何かに乗り上げたのか、ダンプが大きく飛んだ。


「「「うああああああああああおおおおおおおおお!?」」」


 目の前には大木が迫ってた。このままじゃ正面衝突だ。そうなったら終わりだ。


「撃て!! 目の前の大木を撃ちまくれええええええええええ!!」


 俺のその指示で固定砲を握ってる奴が大きな声を上げながら、固定砲を発射しまくる。大木の幹が削れ、撃ち抜かれ、穴ぼこになっていく。けどまだ倒れない!? もう目の前だ! 間に合わ無い!!


「うんぬあああああああああ!!」


 そういって飛び出したのはバンセンさんだ。彼はその拳を握りしめて振りかぶった。幹と拳がぶつかった瞬間に衝撃波が放たれるほど。そしてその衝撃でついに幹は倒れた。けど折れたところに丁度乗っかってる。その倒れた幹を道路に見立ててダンプは走る。


「「「うおおおおきゃっはああああああああああああああ!!」」」


 俺たちのテンションは最高潮だった。

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