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クラスメイトside
生徒たちは気づくと森の中にいた。
周りにある木は日本では見たことの無い程の大きさで高くそびえ立っていた。
「な、なにこれ…」
クラスの委員長の中川 友江は声を漏らした。
彼女の言葉は木々の揺れる音にかき消される。
他の人たちも理解できない状況に呆然としていた。
時間がたつにつれて不安が強くなる。
生徒たちはその感情を紛らわすように喋りだした。
「とにかく、道を探しだした方がいい」
教師の加藤 義英が言った。
生徒たちは、他に案もないためそれに従った。
30分ほど歩いていると段々と周りにある木が少なくなってくる。
それでも上にある木の葉で太陽が隠れる。
突然、先頭で歩いていた加藤の前を何かが通った。
ザシュッっと足元で音がなる。
視線を下に向けると爪先の数センチ前にナイフが刺さっていた。
いきなりの事に話ながら歩いていた生徒たちは足も話し声も止まる。
誰も動くことが出来なくじっとしていた。
誰かのゴクッと唾を飲む音が聞こえた。
そのままの状態で数分が経つ。
「だ、誰ですか?」
加藤は震える声で言った。
加藤さん。がんばれ