間違いですよ
――何この銀髪の男?ははぁーん、私に告白しようと思ってるのね。出会ってすぐに告白なんてよっぽど自分に自信があるのね。悪いけど私には心に決めた人がいるのよ、その自信へし折ってやるわw
「でしたら私の更衣室へどうぞ、誰も来ませんので」
カチャッ
「それで、私にお話とは?」
――さぁ、思う存分愛の告白をすればいいわw
「私と一緒に天界へきて欲しいのです」
「ごめんなさい、あなたの気持ちは嬉しいけど私には心に決めた人が・・・・・・」
――へっ?今なんて?
「あのー、今なんか天界がどうとか言った?・・・いやまさかね、私の聞き間違えよね」
「言いましたよ」
・・・・・・・
・・・・・・・
――この男・・・、見た目によらずそっち系の人なのね。関わらない方が良さそうだわ
「あー、そろそろバイトの時間だわ。ごめんなさいね、私行かなくっちゃ」
「ちょっ、お待ちください!
いきなりこんなことを言われて信じられないのも無理はありません。ですが、今天界ではあなた様の力が必要なんです。私と一緒に天界へきてください!!」
「はぁぁ?じゃなに、あんたは天界からきた天使ですか?服脱いだら羽でもはえてんの?
悪いけど私そういうオタク系の会話にはついていけないんで、さようなら。このブレスレットも返すから帰って…、って何これ!んっ、んんー、抜っけっなっいー!
ちょっと!はずしなさいよ!!」
彼女の手をとり、じーっと見つめ…
「えーと、はずれそうにないですね」
「はぁぁぁ?そんなわけないでしょ!あんたが入れたんだから抜けるはずでしょ!?」
「残念ですがこれは天界の特別な腕輪のため、天界の理事長でないとはずすことはできません。もしくは腕を切り落とすか…、ですねw」
「ですねwじゃないわよ!!どーすんのよ」
ギャーギャー!!
――天女とはこんなにうるさく品のないものなのか?本で読んだのとは随分違うな…
「天女様はそれなりにお力をお持ちでしょう、もしかしたらご自分ではずせるのではないですか?」
「・・・ねぇ、それ冗談で言ってるのよね?まさかと思うけど、私のこと本当に天女だとか思ってないでしょうね?」
「えっ・・・、天女様・・・じゃないんですか!?」
「あのねぇ、子どもがサンタクロース信じるのもあんたが天女信じるのも全部勝手だけど、私のこれはただの学芸会だから」
「そ、そんな・・・。天界の本で天女の話を見たからその辺にいてもおかしくないと思ったのに…。
どうりで、天女のわりにはギャーギャーうるさいわ品のないやつだと思ったわけだ!!」
「誰が品がないですって!これでも私、3日に一度は告白されるし街を歩けばモデルにスカウトされるほど、自分で言うのもなんだけど美しいのよ。天女なんか目じゃないわっ。オーホッホッ!!」
――うわー、しかも馬鹿そう・・・
最悪だ。