正義の味方は必ず勝つ
登録したてなのでジャブ程度に、
高校生のときに考えたストーリーを
簡単に書き起こしました。
今ではあまり書こうとはしない、
勇者、魔王物です。
書いてみて思いましたが、
結構簡単でした。
勇者、魔王はある程度キャラが決まってるので下手に脚色しないでよかったってのが一番でしょうか。
構図が分かりやすいのもよかったです。
しかし私の今回の作品は少しわかりづらいかもしれません。
文字もどのように書いたら見やすいかとか、特に考えてないので、
もし、読みにくいようでしたら改善したいと思います。
…後書きみたいな前書きになってしまいました。
こういうのは書いたこと無いので勝手がわからないです。
…楽しんで読んでもらえたら幸いです。
悪の秘密結社レクイエム。彼らの目的は地上の生き物、ひいては地球の為に人間を滅ぼす、という紛れもない悪の集団だ。その野望を潰すため、僕はこのレクイエムの本拠地までやって来た。待ってろよ!魔王アクム、そして拐われたフィアンセ、ローザ…!
そう固く決意した勇者ノーシン。揺るぎ無い信念と燃え上がる情熱を秘め、基地へ特攻する彼を止められるものはなく、あっという間に魔王アクムのいる王の間の前へ辿り着いた。ノーシンは決戦へ臨むにあたり、先ずは高揚した心を落ち着かせた。気持ちを静め、呼吸を整えたあと大きく深呼吸し、よし!と自分の勇気を起こした。この勇気こそが勇者にとって重要な動力である言うまでもない。そして王の間への大業な扉に手を掛けゆっくりと押した。扉の重量は、これから期待される最終決戦を感じさせる重さだった。
「遂に来たか、ノーシン」
深い地の底から呼び掛けられたような、陰鬱でいて迫力のある声が王の間全体に響いた。その声の主、アクムが玉座にどっしりと構えていた。ノーシンの落ち着かせたはずの心がザワザワと蠢き出す。
ついに、ついに来たんだここまで…!怯えてたまるか!竦んでたまるか!
「お前を倒して、ローザを、世界を救う!」
勇気を振り絞り、張り上げた声はアクムとは対照的に、サンと輝く太陽の光を思わせるほど、王の間に明るく響き渡った。
「世界を救う…か。戯けた事を。世界の救済とは即ちを弁えぬ愚か者よ、自らの無知も知らぬまま、人類と共に滅べ。」
「滅ぶものか!人間は、無知は可能性なんだ!理解をしようともしないくせに勝手なことを言うなー!」
ノーシンは腰の剣を抜き、アクムへ突進した。アクムは迫るノーシンに然したる注意をする様子もなく、不敵な笑みを浮かべて言った。
「まぁ、待て。勇者よ。これが見えぬか。」
アクムがマントをヒラリと翻すと、そこに後ろ手に縛られたローザが現れた。
「くっ!卑怯だぞ!アクム!」
ノーシンは突撃を諦めるしかなかった。彼女に何かあっては、彼女自身も嫌だろうし、彼女の両親、王様と王妃様に何を言われるか分かったものじゃないからだ。
「勝負に卑怯も糞もあるものか。お前は初めから敗れる運命にあったのだ!」
言い終わるのが早いか、アクムは腰の剣を抜きノーシンに斬りかかった。
するとノーシンは困った顔を一転、不敵な笑みを浮かべて言った。
「まぁ、待て。魔王よ。これが見えるか?」
ノーシンがマントをヒラリと翻すと、そこに後ろ手に縛られた女性が現れた。
「キャサリン!」
アクムは剣を収めざるを得なかった。キャサリンと呼ばれたその女性はアクムのフィアンセだったからだ。キャサリンは地球の女神であり、地球の化身といっても過言ではない存在である。
近年彼女が衰退している原因は、地球の環境汚染にあった。それを嘆いた一人の少年が地球(彼女)を守ると決めた。その少年がアクムであり、アクムは他ならぬ彼女の為にレクイエムを結成し、地球の庇護のもと、今日までを戦い抜いたのである。
「汚いぞ!ノーシン!」
「勝負に汚いも糞もあるか!お前は最初から負ける運命だったんだ!」
言い放つや否やノーシンは剣を抜き放ち、アクムを斬った。
「ぐわああぁぁぁ!!」
アクムは耐えた。片膝をつき、致死量と思われる血を流しながらも、アクムは諦めなかった。例え私が死のうとも、彼女だけは!全身に残った僅かな力を込めて剣に手を掛けた。しかし、
「往生際が悪いぞ。」
ノーシンは二回、三回と剣を振った。アクムは夥しい量の自分の血の中へ倒れた。
「やったー!魔王を倒したぞ!」
歓喜の声を挙げる勇者とフィアンセ。魔王は最後の力を振り絞り、勇者に問いた。
「彼女を…キャサリンをどうするつもりだ…?」
勇者は、笑顔を魔王の耳元まで寄せて言った。
「可愛がってやるよ。滅びるまで…!」
笑顔を歪ませてイヤらしく囁き、魔王へ止めを見舞って凱旋した。
人々は勇者を魔王を滅ぼした英雄として、厚く歓迎した。
めでたし、めでたし。