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ラッキーガール★

メニューを調べていくとステータスは二人ともレベル1のようだ。ただHPやMP、筋力や知力等は個人差があるらしく幸恵とユミで違っていた。



 「……え?これバグ?」


 幸恵は自分のステータスを見て目を丸くする。




名前 オオフク サチエ

レベル/1

HP/20

MP/20

筋力/5

防御力/4

知力/9

素早さ/5

器用/11

運/999


運だけ飛び抜けて高い数値に固まる幸恵を見てユミは首を傾げた。



 「どうしたの幸恵ちゃん?」



 「いや、なんかステータス運だけやたら高くて……バグかな?」



 「うーん……私達の数値だけじゃわからないから保留にしておきましょう。まずはジョブと装備……」



 ユキがジョブやスキルを探そうとするも見つからない。二人ががりで探した結果、なんとショップ欄で売っているのを発見する。



 「うわぁ……通販サイトみたい」



 ジョブやスキルだけでなく日用品や食料品も並ぶショップ欄に幸恵が思わず零す。



 「食料品が売ってるってことは私達食べないと飢えるのね……?」



 「水と栄養バー以外は高いね……」



 “水500ml”と“栄養バー”と表記されているものはそれぞれ5Gとなっていた。画面の隅には二人とも【所持ゴールド1000G】と表示されているのを見るにこれがお金の単位なのだろう。



 「一番安いジョブでも【迷宮探索初心者/500G】装備もスキルも残り500Gじゃ足りないわ……」



 ユミが眉をしかめて画面を睨む。アイテム欄に何か無いかと開いてみるもそこは空っぽであった。アイテム欄を睨み付ける友人の隣で幸恵は不意にショップ欄の【売る】という項目があるのを発見する。



 (売る?どうやって?……あ、もしかして!)



 思い付くまま幸恵はポケットの飴玉をアイテム欄に押し込んでみた。すると、アイテム欄に【レモンキャンディー×1】と表示される。さらにそれを長押しすると【レモンキャンディー×1を2Gで売却しますか?】と表示された。



 所持ゴールドの増やし方が判明した二人は次々手持ちの私物をアイテム欄に押し込んでいく。とは言うものの全校集会中であったため所持品は財布などの貴重品と腕時計などの小物しかない。



 「これで少しでも良いもの買えるといいけど……あ、日本円まで換金できるんだ」



 ポンポンと財布の中身まで換金していく幸恵の所持ゴールドが突然あり得ない数字を叩き出した。




【所持ゴールド/550004685G】


 



 「ごおくごせんまん?」




 幸恵が最後に売却したもの、それは……数枚の宝くじであった。



 「うそぉ……当たってたってこと?」










□□□□□□□□□□□□□□



 「資金の目処はついたけれど問題はメンバーですわね」



 ユミの言わんとしていることを読めずに幸恵が首を傾げて続きを促す。



 「あの惨劇を見たあとで迷宮攻略に乗り出す人がどれだけいるかってことよ。何より幸恵ちゃんの所持ゴールドを迂闊に教えるわけにはいかないでしょう?」



 いまだに体育館の中は混乱したままだ。泣き出す者、叫ぶ者、周囲に当たり散らす者も居る。こんな状況で迷宮攻略の相談など気軽に持ちかけられないというものだ。しかし幸恵はポンと手を打って言葉を紡いだ。



 「セーコちゃんなら?」



 「千咲さん?」



 千咲聖子、同じくオンラインゲームでパーティーを組むゲーム仲間だ。ただし、リアルではあまり関わりがない……というのも。



 「ギャァァ!」



 男の悲鳴が上がる。倒れ伏す男を踏みつける脚はすらりと長く女性らしい丸みを帯びていた。



 「当たり散らす相手は選ぶんだな。オレはオメーごときにやられるほどヤワじゃねーぜ」



 まるで男のような口調に短い髪、これでもかと豊満に盛り上がった胸とのギャップが凄まじい女子生徒。彼女が千咲聖子……いわゆるヤンキー、そして女番長である。


挿絵(By みてみん)



 「セーコちゃーーーーん!」



 けれど臆することなく幸恵は聖子に駆け寄った。



 「ちゃんを付けるんじゃねぇッ!」



 刃物のような眼で睨まれるが日頃オンラインゲームで話すせいかそれほど怯むこともなく言葉を続ける。



 「セーコちゃん、パーティー組もう!」



 幸恵の台詞に聖子が口にくわえていた飴をポロリと落とす。



 「パーティーって……ゲームじゃねーんだぞ」



 「うん、現実だけどゲームなんだよ。“メニュー画面”って言ってみて」



 聖子がいぶかしみながらもメニュー画面と口にするとやはり同じく青い画面が浮き上がった。



 「こいつは……」



 驚きで固まっていた聖子であったが、不意に唇の端を吊り上げる。



 「……く、ははは……なるほど、それでパーティーか。いいぜ、こんなとこに閉じ込められっぱなしは性に合わないしな。化け物相手の喧嘩はゲームで慣れてるからなんとかなんだろ」



 「あら?モンスターと喧嘩と言っても千咲さん、ゲーム内じゃあ可愛い服着た回復職じゃありませんか?」



 クスクスと笑うユミに顔を真っ赤にして聖子が怒鳴る。



 「てめっ……それをバラすんじゃねぇぇッ!」




 斯くして三人寄れば姦しい、女ばかりのパーティーが結成されたのだった。



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