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始まりの願い

ーーーコチラハ、ニンゲンセイゾウジョ。

ミナサマノノゾムニンゲンヲサズカラセル

クモノウエノセイゾウジョ…


マタ、ネガイヲモッタニンゲンガヒトリ…

テガミガトドキマシタ

コンカイノオネガイワ…



「初めまして。私は、凛音(りんね)といいます。本当に、雲の上に人間製造所なんてあるのか疑ってはいますが、私の願いを叶えてくれると信じて、手紙を書きました。


まずは、私の紹介ですね。

私は、生まれながらにして、耳が聴こえませんでした。そのせいで、酷くいじめられたときもあり、死んでしまった方がいいのではないか…この世にいてはいけない存在なのではないか…と。

そんなときに私は、とある先生と出会いました。

新任の先生で23歳。私のいる5-2を受け持っていました。私の事情を知った先生は、クラスのみんなと私の間にある、障害の壁をなくして、私が楽しく過ごせる空間を作ってくれました。でも、その先生は…

私達の学年が卒業したその年、クラスで起きた殴りあいの喧嘩を止めるため間に入り、勢いで角に頭を打ち、命を落としてしまいました…


私は…

まだ若くして亡くなった先生をもう一度生かしたい。

私の子どもとして産み、育て、幸せに暮らさせてあげたい。

そう思いました。


どうか…

どうかお願いします


私の中に

先生を宿してください…


柏崎 凛音 」



ーーーコノネガイハ…ドウシマスカギチョウ

コノモノノハナシハウソデハナイ。

ワタクシノイケントシマシテハ、カナエルベキカト…


ーーーワタシモ、カナエヨウトシタ。

イイノデハナイカ…?カナエテモ


ーーーショウチシマシタ。デハテツヅキニ

イッテマイリマス


ーーーカンペキニカナエルカラニハ、ソレナリノモノヲ、ダイショウニ…



数日後・・・


「 柏崎 凛音 殿

願い、聞き届けた。望みの者を授けよう。

だが、ただではない。

お前の…大切なものを一つ、代償として戴く。


子どもが生まれたとき

戴きに行こうではないか…

製造所」


10ヶ月後…


私は無事に出産…


なにを失うのか怯えた毎日を送り続け

一ヶ月がたった


そんなある日のこと


見知らぬ者が家を訪ねてきた

そぅ…製造所の者が


私は、恐る恐る外へ出た


ーーーダイショウヲ、モライニキタ

オマエカラハ…


シヲモラウ


私はそれを聞いて

安堵した


「私の死ならいくらでもあげるわ。

でも、あなたたちは本当にそれでいいの?」


ーーーカマワナイ。ワレワレガホシイノハ

オマエノシダ


…イタダイテイクゾ



そういって

使者は消えた


そのときの私は

なにも失った感じはしていなかった…が


何十年後…


息子である先生は、79歳まで生き

寿命を終えた


そして、その1週間後


私は、先生を産んだときに失ったものを思い出す。


私は…あの時なにを渡した?

…死

私の…死をあげた…?

私は死ねない体なの……………………?

…!!


「イヤだぁ!お願いだから!死なせて!

私を…誰か私を死なせて!!

先生と、もう二度と会えないのはイヤだ!

このまま、一人で生きるのなんて…イヤだぁ!

私の死を返してぇ!!」



ーーーオロカナニンゲンダ

ネガイヲカナエタノニ、カナエテモ

マタ、ベツノモノヲホッス

ニンゲントハ、オロカナ

ヨクブカキセイブツダ…


ワレラノチカラヲツカッテ

メッセナケレバ…






ーーーコチラハ、ニンゲンセイゾウジョ。

ミナサマノノゾムニンゲンヲサズカラセル

クモノウエノセイゾウジョ…


































ネガイヲカナエタアカツキニハ

タイセツナモノヲヒトツ

イタダイテクゾ


カナエタクナイネガイハ………………



ヒドイカタチデオクリトドケヨウ…

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