罰ゲーム 第一夜(短編)
原作はないけども、色んな作品パロってると思いま……え? 全然パロってない?
気がついたら、俺はビルの屋上にいた。
それはもう、前触れもなく屋上にいた。
とんでもない発言をするようで悪いが、ここから既に脚色している。楽しい。
中二病? 違う。
厨二病? 断じて違う!!
高二病? 俺は高一だ!
――話が逸れたので無理矢理路線を変更させるか。
俺がそこで唖然としていると、後ろからマッチョ(比喩じゃなくてガチのマッチョメン)が唐突に片言で、
「ツイニミツケタ。ファッキュー」
えっ? どゆこと? …お、俺を?
夢だけど携帯で「マッチョがファッキューとか言ってきた」ってスレ立ててみる。
立ててから一秒もしない内に「死ね」の嵐。夢だから当然か。
でもフザケンナ。
……何だろう。この夢、何かの前触れじゃないよね?
――と、唐突に、マッチョが携帯を叩き折り、俺を殴り飛ばした。ちなみに言っておくとこれも比喩じゃない。
言い忘れていたが、この屋上にはフェンスが無い。
だから当然、俺はビルから飛ばされる訳で――――え?
『当然、俺はビルから飛ばされる』?
「……………………………」
とっさに今俺が持っている持ち物をチェックする。
・割り箸
・今までいたビルのパンフ
・壊れやすいパラシュート
・厨二病スイッチ
「………えぇー」
と、とりあえず、厨二病スイッチとやらを押してみる。
――途端に、右手の部分に強い衝撃が走った。
「――ッ!? 待てよオイ……『復活』にはまだ早いだろうが…!」
アレ? 俺こんなキャラだったっけ?
そんなこと言ってても右手が痛いのは変わらないし、俺が痛いのも変わらない。
ついでに、今は上空1000kmを降下ちゅ……降下中!?
「くそ…やはり儀式を怠ったのが原因か」
いや、儀式って何?
――あれ? 俺の知ってる厨二病と違う…厨二病気取ってるだけか? もしそうだったらガチで黒歴史だぞ!!
「――ふぅ、残念だったな。俺はこうして生きてるよ」
確信した。
俺は適当な自作テンプレに沿って呟いてるだけだ。
だって、あのマッチョを言及しないし、もうすぐ落下死しそうだし!
――ってあれ?
…うん?
……は?
………何で?
気がついたら草原に突っ立っていて、沢山の人たちが談笑してる…
そもそも俺、降下中だったよね?
あれ? …あれ?
まあいいか。んで、いきなり皆が一斉に月を見上げてr……ってオイこれどこかで見たぞ?
「「「「「馬鹿な……! 早すぎる…………!!」」」」」
――もう覚めてくれよ…俺の夢《Strano sogno》。
……ルビのセンスねーな、俺。
<第二夜に続く…?>
……………………えっ。
…おいおいおいおいちょっと待て。
続編があるとか聞いてないぞ!?
<だけど、短編は一つだけというルールもない>
え、あ、いや、そうだけどさ…
納得できるかこんなの!?
<ほらさっさと連載小説の続き書けよ。次回は未定っていうことにしてさ>
……お前絶対ブン殴るからな。