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1-5

 それからしばらく、車輪の軋む音だけが周囲を支配した。


 財政的な理由か、綾という少女の人格の問題か、いずれにしても広橋の家は追い出された。


 伏見の言う通り、天皇の子供である事実は変わらず、今後もそれなりの扱いは受けるのかもしれないが。


 新居には、一時間ほど揺られて到着した。広さや建物自体は、これまでとさほど変わりはないようだ。唯一、周囲の通りの賑やかさにおいて、やや寂れた感は否めなかったが、生活するだけであれば、おそらく大きな影響はないのだろう。


 この先、生き抜くために必要な条件は、きっと二つしかない。


 父が天皇だという事実。あとは、伏見という付き人にしがみつくことだ。


 夕景に、心細さがあふれそうになるのを必死でこらえながら、いつか戻れるときまで、決して絶望しないことだけを心に決めた。



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