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6 月の精霊

 山を登ると鳥型の魔物は行きと同じ場所で襲ってきた

 隠れる場所がないこの場所が狩場なのだろう

 急降下してくる所をかわしながらすかさず斧でダメージを負わせる

 一進一退の攻防が続く、戦いは数時間に及び何とか仕留める事が出来た

 辺りは暗くなり真ん丸の月が上っていた

 ここはこの鳥の狩場、知っている魔物は寄り付かないので安全地帯だ 

 疲れ果てて獲物に寄りかかりウトウトしていると辺りが妙に明るくなった

 「なんだ、どうした」

 「ま、眩しい」

 青白い光りが辺りを照らす

 「我は月の精霊」

 「供物、確かに受け取った、加護を受けるが良い」

 辺りがさらに光だし目を開けていられない

 光りが収まると仕留めた魔物はきれいさっぱり消えていた

 「何がどうした」

 「獲物を供物だと思って出てきたんだな」

 「すごい!加護、もらいましたで、魔法使いからもらう加護と比べものにならん強力なやっちゃ」

 「それで、どうすればいいんだ」

 「なんか魔法を覚えてるはずやで、ワイは「月の導き」やて、近くにある価値あるものがわかる魔法や、有りがたいなぁ」

 「カイはどうだ」

 「分からんなぁ、何か変わったか??」

 「慣れんうちは目をつぶって眉間あたりに意識を集中してなんか浮かんでくるのをイメージするんや」

 2人で目をつむり難しい顔をする

 「おおっ、来た来た」とカイ

 「「錬金」だってよ、金属を鍛えることにより、その金属のパフォーマンスを引き出すのだそうだ」

 「あっ、俺も来た「ルナティックアロー」光の矢で敵を射るんだって」

 カイはさっそく自分の剣をハンマーでたたいた、剣は光を放ちピカピカになった

 「凄いな、これは」

 近くの木で試し切りをする

 木は軽く両断されその向こうの岩にまで切れ目が入っている

 「凄い魔法だが、今まで頑張って腕を磨いたのは何だったんだろうという気になるな」

 「そうでもないと思いまっせ、わしは商人に必要な魔法、カイさんは鍛冶屋の魔法、ダイさんは戦士の 魔法、それぞれの下地に基づいた魔法が付与されるんやないかな、鍛冶の腕があったから得られたちゅうことや」

 「なるほど、確かにそうかもな」

 「ダイはんも見せてくださいよ」

 「どうやって使えばいいんだよ」

 「魔法はイメージなんや、ワイは物探すのが得意、カイはんは鍛冶が得意だからそのまますぐ使えたんや、ダイはんもイメージするんや」

 「そう言われてもな」

 「せやなぁ、あの絶壁に生えている木、あれに矢を放つイメージをしてみてはどうでっしゃろう」

 俺は言われたまま目標の木を睨み、矢をツガエ弓を弾く動作をしてみた

 照準を合わせ矢を放つ

 光の矢が一直線に木に向かい命中した

 「なるほど、これは便利だ」

 「魔力値が上がってるな」

 「ワシの魔力値だと1回使うとすっからかんだな」

 「俺は10回は打てそうだ」

 「どんどん使っていけば、技も強くなるし魔力も上がるはずや、しかし、直接精霊から加護を受けると技を選べないんやな」

 「それだと回復魔法が欲しいのにバリアとか違う魔法になってしまう場合も有るってことだよな」

 「そうでんなぁ、一回で一つしかもらえんとなるとえらい面倒でんなぁ」

 「明日も獲物を置いて違うスキルを貰うって言うのはどうだ」

 「もう加護を受けたわけやし、何度も出来ないんちゃいますか」

 「まあ、わからないことを考えても仕方ないだろ」

 カイは毎日防具や武器を鍛え

 ボブはアイテムを拾いまくり

 俺は矢を放ち続けた

 すると魔力が上がり技が進化した 

 「人間の魔法使いから教わった魔法はいくら使っても進化なんかせんのに凄い」

 「これが直接加護をもらった者のメリットなんだな」

 「きっと色々と派生するでぇ」

 「人に教える事も出来るのか」

 「それなりの適性が有るモノになら加護として与える事が出来るはずやけど、かなり修行を積まないと ダメなようやで、与えた分の魔力が減るらしいのや」

 「お前回復魔法をいくらで買ったんだ」

 「1000万です」

 「高いなぁ」

 「高いけど、一度覚えれば一生もんやから」

 「俺はそんな金持ってなかっただろ、どうやって覚えさせるつもりだったんだ」

 「弟子入りや、何年か弟子として働いて師匠に気に入ってもらえれば教えてもらえるんや」

 「ひでーな、俺を売るつもりだったんだ」 

 「売るつもりだなんて滅相もない、ただオークなので難しいとは思っおった」

 「しかし、こんなに近くに居たなんてビックリだな、こんなにあっさりもらえるなら何でみんな持っていないんだろうな」

 「色々な条件が有るんちゃいますか」

 「条件か、供物の他には何だろう」

 「月の精霊やから満月とかやろうか」

 「なるほど、まぁ良いか水精霊にも会って魔法をもらおうぜ」

 「精霊には特定の場所で捧げものをすれば会えると思っていいのかな」

 「聞けばよかったな」

 「答えがわかっていてもつまらないだろ、色々試してみればいいじゃないか、俺には300年の時間が有る」

 しばらくは大した魔物にも出くわさず順調に歩を進める

 「この辺って例の巨人が出てきたあたりだよな」

 「仕留めなかったから、また襲われるかもしれないな」

 「今度は楽勝だろ武器も良くなったし、魔法も使えるからな」

 岩陰から巨人の頭が見えた

 「ヤバッ、マジで出たぞ」

 巨人がこちらを向く、しっかりと目が合ってしまった

 戦闘態勢を取って巨人を睨む、巨人はゆっくりとこちらへ近づいて来る

 「あいつ、腰布巻いてないぞ」

 「玉は無事みたいだな」

 巨大な股間の物をブラブラ揺らして近づいてくる

 こん棒を振り上げた瞬間、無防備な玉めがけて矢を放つ俺

 小便をまき散らし股間を抑え逃げていく巨人

 「最低だぁ」

 ビショビショになった3人は顔を見合わせ大笑い

 しばらく下ったところにある湧き水で体を洗う

 「あいつ腰布はどうしたんだろうな」

 「弱点丸出しだと討伐されるのも時間の問題だな」

 その後、特に問題もなく下山し森を目指す

 「ボブはいつまでついてくるんだよ」

 「実はですね、精霊探しの旅に同行したいと思ってたんやけど違う儲け話を思いつきまして」

 「また良からぬ事を考えているんじゃないのか」

 「そんな事は有らへんわ、カイさんの鍛えた武具を売ってもらえないかと」

 「売ったら、俺が困るだろ」

 「ですから、素材をわいが持ってきますので、それを打ち直してもらいたいんや」

 「一度、離れるという事か」

 「どうやって合流するんだよ」

 「「月の導き」から派生して「縁」ちゅう魔法を覚えたんです。これは一度あった事が有る人の名前で居場所がわかるという便利な魔法なんや」

 「なるほどな、それで俺の儲けはどの位なんだ」

 「カイはんもダイはんみたいになってますやん」

 「色々と頭を使えば知力も上がるってもんさ」

 「1つ1000でどうでっか」

 「1000かやすいな」

 「そういう場合は儲けに対しての割合で決めればいいんだよ」

 「ダイはんは余計なこと言わないでほしいわ」

 「仕入れ値と売値の差額の半分貰えばいいんじゃない」

 「半分ってそりゃ殺生や、ワイの手間が入っておらんがな1割でどうです」

 「3割だ」

 「しゃあない2割で」

 「まあ良いか2割で良いよ」

 「どれくらいで売るつもりなんだよ」

 「この護身用ナイフ、10000で買いました。そしてカイさんに鍛え直してもらったこれは安くても10万で売れると思います」

 「そうすると儲けはえーと」

 「90000だな、カイの取り分は2割で1万8千だ」

 「それを1000って子供の小遣いかよ」

 「でも、持ち運ぶのは大変だろ」

 「思い切ってアイテム袋を新調しようと思ってます」

 「アイテム袋?」

 「魔法空間を発生させてその中へアイテムを収納できるって代物で、今使っている物よりも大きなもので剣や鎧もたくさん収納できるものを用意すんのんや」

 「普通、装備品とかアイテムはもともと持っている収納空間へしまっておけるんやがそれ以上はアイテム袋を使うんや、ただ高いから荷車をオークに引っ張らせる方が主流なやけど」

 「しばらくはそう言った投資の分も有るから2割で良いけど、その分が回収できたら3割だな」

 「そんな殺生な」 

 「カイのスキルが無けりゃ成り立たない商売なんだから5割でも良いくらいだぞ、それと物資の供給を頼みたい、食料や水、回復薬や毒消しなんかだな、もちろん金は払うぞ」

 「了解や、それで手を打ちまひょ」

 「それと次の精霊を呼び出すときにワイも混ぜてほしいんやけど」

 「それは約束できないな、月の時みたいにいきなり出てくる可能性も高いからな」

 「まあ、出来たらちゅうお願いや」

 ボブが離脱して二人で旅を続ける

 賑やかな奴だったので少し寂しい気がする

 

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