31 出航
「兄貴、船は出来たッスか」
「バッチリだ、最新式の船だぞ」
「楽しみだなぁ」
船は街の外の目立たない入り江に停泊していた
「こんな場所、良く見つけたッスね」
「作ったんだよ」
「そうか、その手が有るんッスね」
「魔法を駆使すればほとんどの物が作れるぞ」
「兄貴達は船旅をしたことあるんッスか」
「有るわけねぇーだろ」
「そうッスよね」
早速出向、1時間後
「気持ち悪いぞ」
「戻るぞ」
「ただの船酔いダス」
「何日かすれば慣れるッスよ」
航海は順調で天気も良く、程よく風も吹いている
「頭がクラクラする」
「船とはこれほど不快な物だったんだな」
「兄貴達、そろそろ慣れてくれないッスかね」
「着いたら起こしてくれ」
「雑用は全部任せた」
二人で船の掃除をして食事を作る
あまりやる事は無い
甲板でゴロゴロしていると鳥が近づいて来る
「結構デカいな」
「… デカすぎじゃないのか」
バサバサバサ
「兄貴が鳥にさらわれたッス」
「さらわれたな」
「今日は鶏肉ダス」
3人で鳥の行方を見守る
「あつ、落ちた」
水面近くまで落ちた所で止まり戻ってくる
鳥の足を持って飛んでくるダイ
「誰か助けようとか無いのか」
「必要ないッスよね」
「必要ないな」
「ダス」
「今日は鶏肉が食べられるな、ドーガ料理よろしく」
船の上では魔物もあまり出てこない、退屈との戦いだ
天候が悪化、嵐に会った時は流石に危機感を覚えた
マストが折れ船自体もバラバラになりそうになった
「ヤバいな」
「どうする」
「船ごと避難するか」
「どこへ?」
「雲の上まで行けば晴れてるだろ」
「そうなんッスか」
「行ってみればわかるだろ」
船が急速上昇を始める、雨風は強いが波にもまれないだけでもありがたい
雲の中に入りやがて突き抜ける
「マジ、晴れてるッス」
「こういうものなのか」
「ダス」
「兄貴ってこの状態をどれ位維持できるんッスか」
「MPが切れるまでだ、このペースで減るとして10日ってところか、途中で交代すれば良いだろ」
「オラ1日くらいしか持たないダス」
「俺も3日ってところだな」
「俺は10日くらい行けると思うぞ」
「10日有れば回復するから二人いれば無限に飛んでいられるな」
「航海術覚える必要なかったッスね」
「反則ダス」
「とりあえず嵐を抜けるまで飛ぶぞ」
数日間飛び続けてようやく雲が切れた
「あのまま波にもまれてたら船酔いで死んでたな」
降下して海に着水する
「気付いたか」
「何がッスか」
「全く、注意力が無いなぁ、ちょっと先に小さな島が見えただろ」
「マジっすか、久しぶりの陸地ッス」
「目的の島ではないが寄っていくだろ」
「当然だな、陸が恋しいぜ」
島に近づくと海底を操作して深さを調整し座礁を防ぐ地形を変えて船着き場を作る
普通に人の手でやったら大きな公共事業だ
船を係留して島へ上陸
「陸の感触は良いなぁ」
「まだ体が揺れているみたいだぜ」
「船旅というのは思った以上に大変だな」
「まだ始まったばかりッスよ」
「帰りたいなぁ」
「小さな島だと思ったが意外と大きいな」
「一日じゃ一周できないッスね」
「誰か住んでるダスか」
「探検だな」
浜を離れ少し上った場所に家を作り拠点とする
空を飛んで島の全景を確認する中心に山が有り周囲に砂浜も有る
「火山島だな、山は結構高いぞ」
「噴火するんだべか」
「大きな木も有るし今は落ち着いていそうだな」
「なんかデカイ鳥が飛んでるッスね」
「鳥の繁殖地なのかもな」
「魔物も居るだべか」
「魔物はどこにでもいるぞ、用心に越したことはない」
森の中へ入ると魔物に襲われた、結構多様な生態系の様だ
果物なども有り豊かな島だ
しばらく歩いていると
「人が鳥に攫われいるっす」とドーガが指さす
大きな鳥の足に人の子供がつかまれている
「この島に人間がいるのか」
「とりあえず助けるか」
「仕方ないなぁ、ちょっと行ってくる」
「兄貴って飛ぶの上手いッスよね」
物凄いスピードで鳥に向かって飛んでいき鳥の周りで旋回、あっという間に撃墜した
鳥と子供を抱えて戻ってくる
「それってオークの子供ッスね」
「その様だな」
「死んでるんッスか」
「気を失ってるだけだ」
「兄貴のミニチュアみたいでかわいいッスね」
「この島にオークの群れがいるって事か」
「違う島から連れてこられた可能性も有るぞ」
得物を調理して食事にする
オークの子供が目を覚ました
ダイに抱き着いてガウガウ言っている
「なんて言ってるんだ」
「俺にわかるわけないだろ」
「そういえばうちのオークとも話せなかったよな」
鳥の肉を与えると手づかみで喜んで食べた
「こいつどうするんだ」
「困ったな」
「兄貴に任せるッス」
「スッカリ懐いてるようだしな」
「こんな子供オークでも腰布付けてるんダスな」
ダイの足にしがみついて離れようとしないオーク
「連れて行くしかないな」
森の中を探索していると
「あっちからオークの匂いがするな」
子供オークも気付いたようで何か言っている
向こうも気付いたようで集団でこちらへ向かってくる
「いっぱいいるッス」
「襲われないダスか」
「お前達はここで待ってろ、俺がこの子を連れて行く」
オークの群れへ向かって歩いて行く、途中で子供が走り出して群れへ合流した
興味も有ったので自分も群れの中へ、雰囲気としては悪くない感じがした
30頭くらいの群れで子供は5頭ほど、広場に集まっている
奥の方に木や草を重ねて作った家が有る
子供が戻ってよろこんでいるのはわかる
小さい俺を子供だと思っているのだろう、なんか温かく迎えられている
オークは雄でもありメスでも有るのでみんな母性を持っているのかもしれない
仲間同士の抱擁というのも悪くはないが、なんか臭いな
突然、奥の方がざわつき、蜘蛛の子を散らすように散り散りに走りだす
何事かと眺めている俺を大きなオークが抱えて走り出す
子供が一人転んで取り残されてた
オオカミの様な魔物が3匹現れ子供に襲い掛かる
近くに居た大きなオークが子供を庇うが噛みつかれたり引っ掛かれたりして血まみれだ
オークというのは体もデカいし力も有るのに戦おうとしない
俺は二人の所へ走り寄り斧一閃
オオカミの首を刎ねる
他の二匹は間合いをとってこちらを睨む
突進して一匹を斧で叩ききり同時にファイヤーボールでもう一匹を仕留める
怪我をしたオークを回復魔法で回復させてやる
逃げていたオークたちが再び集まりオオカミの死体を早速食べ始める
どういうルールかわ分からないが適当に分配して子供たちにも分け与えている
怪我をしていたオークはなんだか俺にベッタリと張り付いている
とりあえず一件落着という事で群れを後にしようと思ったのだが、さっき助けた個体が俺から離れない、勃起したモノが腰布を持ち上げている
ヤバいと思った時には遅く、覆いかぶされたと思ったら、すかさず挿入されてしまった
激しく腰を振るオーク、細長いモノは奥の方まで届いて中でウネウネしていて気持ちいい、こっちも反応してしまう
他の個体がやってきて俺の物を自分の中へねじ込む
挟まれた、ヤバイ、気持ちいいぞ
俺を中心に大交尾大会が始まる
されるがままに彼らの気が済むまで体を預ける
どれくらい時間が経ったのだろう辺り一面に汁が水たまりを作り
ケツからダラダラと汁を垂らしながら歩いているオークたち
俺も体中汁まみれで、腹の中はパンパンになっている
水魔法で体を洗い流し、そのままカイ達の所へ戻る
歩き出すと怪我を治してやったオークが腰布を外し俺によこした
要らないとも言いにくいので一応もらっておいた
なん体かのオークは俺が去って行くことに気付き見送ってくれた
「兄貴大丈夫ッスかね」
「オークは温厚な魔物だ心配いらんだろ」
「兄貴なら同族皆殺しも有り得るッスよね」
「襲われればそれも有るかもしれんな」
しばらくして戻ってきた
「どうだった」
「やっぱり意思疎通は出来ないな、なんか歓迎されている感じはあったが」
「その手に持ってるのは何ッスか」
「なんか持たされた」
「…」
「…」
「ギャハハハッ」一同大笑い
「野生のオークに腰布貰ったんッスか」
「よっぽど心配だっただなぁ」
「うるせーよ」
「どうだ、一緒に暮らせそうか」
「無理だな、飯がまずそうだ」
「オークというのは本当に戦わないんだな」
「デカイし力はあるのにどうしてですかね」
「平和主義なんじゃないのか」
「兄貴は特別ッスね」
「俺だって平和主義だろ」
「初めの目的がこんな所で達成できるとはな」
「なんとなく予想はしていたが会ってみても何とも思わないな、仲間という感覚は無い」
「そうか、まぁお前がこの島の出身ってわけでもないしな」
当たりを探索しつつ山の頂上を目指す
山に登るとあちこちに鳥の巣が有り頻繁に鳥に襲われた
「なんか俺ばっかり狙ってくるのは何なんだ」
「オークは抵抗しないから格好のエサなんじゃないか」
「この調子で食われてたらすぐに絶滅しそうだけどな」
「だから繁殖しやすいように雄雌の区別が無いんだろ」
「なるほど」




