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29 地龍

 4人で森を旅する、金の精霊探しは難航している

 「金だから鉱山とかに居そうなんだけどな」

 「有名な鉱山にいるなら既に見つかっているだろう」

 「人に見つかっていない鉱山なんてどうやって見つければ良いんだ」

 世界地図を広げて目的地を検討する

 「ヒャーッ世界は広いだなぁ」

 山脈、平原、森、砂漠など色々な地形が有る

 ボブが色々な街で情報を仕入れ鉱山の位置を地図に書き込んでくれた

 「世界中にバラバラに点在している感じだな」

 「海の中にも有るんだな」

 「小さな島は地図にも載ってないんや」

 「鉱山をこうやってつなげると2本の線が出来るんじゃないか」

 「ああ確かにな」

 「交わるのはここ」

 「海の真ん中ッスよ」

 「島があるかもしれないだろ」

 「無いかもしれないぞ」

 「旅人の指輪が有るから何とかなるだろ」

 「船頭はどうするんだ」

 「ドーガと太一が人間の町に行って教わって来いよ」

 「船頭見習いって事でどうだ」

 「一人前の船乗りにならなくったっていいんだ、海図が読めて、航海に必要な物とか航海の常識さえ押さえれば大丈夫だろ」

 「見ず知らずの奴と一緒に船に乗るのは嫌だからな」

 「船乗りってどこにいるんッスか」

 「一番近い港町はここやね」

 森を抜けて平原の先、半年くらいの距離だ、途中で立ち寄れそうな町も有る

 太一には生活に便利なものを中心に色々な属性の魔法を少しずつ分けた

 船を作るときに役立つだろうと木を操る魔法を分けたら、うまい具合に木を動かして木の上で寝れるようになった

 真っ裸で木の上で寝ているとスライムに取りつかれてしまった

 「これはどうすれば良いだすか」

 「これは、あれだな」

 「あれっスね」

 「おめでとう」

 「いやいや、取れないだよ」

 「取らなくて良いんだよ」

 太一の大きなモノが上を向いている

 「これ、気持ちいいダス」

 「やっぱりチンコブラブラさせてると取りつかれるんだな」

 「腰布だけでも予防効果が有るんだろうな」

 「オラどうなっちゃうんだすか」

 「スライムが満足するまで搾り取られる」

 「ああっ気持ちいい、出る」射精しているようだ

 「取りつかれている間は体力が奪われるから気を付けろ」

 「き、気持ちいい」

 数日経つと太一は衰弱して辛そうになる

 「そろそろオークに変身した方が良さそうだな」

 「人間のままだと衰弱死するかもしれないからな」

 変化の指輪を太一の指にはめてやる

 「オークに変身してみろ」

 太一はデカいオークになった

 「なんか少し楽になったダス」

 次の町へ着く前に無事に太一のスライムの宝輪は完成した

 「これってみんなとお揃いだか」

 「そうだな、裸でいた甲斐が有ったってもんだ」

 太一は大喜びで装備する

 「ぴったりだぁ、これなら落ちないだな」

 「ちょっと手を出して」

 差し出された手を短剣で突き刺す

 「ギャァ、痛いダス」と飛び上がる太一

 「何するんだかぁ」

 「手を見てみろ」

 「ありゃ何ともなってねぇだ」

 「物理攻撃の無効化がこのアイテムの効果だ、但し丸出しの時だけ有効だから気を付けるんだぞ」

 「これで刺されても死なないだか」

 「これからは太一を庇う必要ないな」


 町に到着

 「この町には特に用がないから1日泊ったらすぐに出発するぞ」

 ダイ以外は服を着て身なりを整え町に入る

 田舎の農村といった風情でのんびりとした町だ

 「冒険者ギルド有りますかね」

 「ホテルだって怪しいぞ」

 先へ進むと村人発見、畑を耕している爺さんだ

 「あのー、この辺に宿はありますか」

 「こりゃあ珍しい、旅のひとかい」

 爺さんは手を止めて近づいて来る

 「宿は無いが領主様の家へ行けば泊めてもらえるぞ」

 「冒険者ギルドも無さそうッスね」

 「そういうのは全部領主様がやってるよ」

 「なるほどな、ありがとう」

 「爺さん、ここの野菜は元気がねぇだなぁ」

 「わかるか、ここんとこどういうわけか育ちが悪いんだ、肥料をやっても水やりを変えてみても良くならん」

 「土がやせているのか?」

 「太一は畑が気になるんだな」

 「ずっと農民やってたからどうしても気になるだなぁ」

 しばらく歩くと屋敷が見えてきた、他の建物と比べれば大きいが質素な作りだ

 家の前の花壇に若い女性が水をやっている

 「こんにちは、こちらはご領主様のお宅ですか」

 「はいそうです、何か御用ですか」女性は怖がるでも馬鹿にする様子もなく返事をした

 「魔物のアイテムの納品と、出来れば一晩泊めていただきたいのですが」

 「冒険者の方でしたか、どうぞ中へお入りください」

 みんなを中へ入れるとテーブルへつく様に促し女性は奥へ消えて行った

 「美人っすね」

 「美人なのか?」

 「美人だと思うだ」

 品の好い男性を連れ、お茶をトレーに乗せて運んでくる

 「私が領主兼宿屋の主人兼冒険者ギルド受付です」

 一同立ち上がり一礼した後、ドーガが代表で話をする

 「旅の冒険者です、Dランク冒険者の太一、ドワーフで鍛冶職人のカイ、オークのダイです、私はSランク冒険者のドーガです、魔獣の素材の買取と一夜の宿をお願いできればと思いまして」

 「…」

 呆然としている二人

 「何か、不都合でも有りますか、もしかしてオークを家に入れたのがまずかったですか」

 「あ、いや、失礼しました、オークに名前があるのも不思議ですが人間と同様の所作をするので驚きました」

 「ドワーフ族の方とお会いするのも初めてですし、Sランク冒険者というのもビックリです」

 「そうですか、色々変わっていますが普通の人間として接して頂ければありがたいです、このオークは人間のいう事を理解しますし躾もしっかりしています、私たちは人間と同等の扱いをしています」

 「そ、そのようですな」

 上品にティーカップを持ち上げお茶飲む様子を見て納得したようだ

 素材の買取を終え太一のランクアップの話になる

 「討伐、採取などは申し分ないのですがギルド依頼をされていないのでランクアップは難しいです」

 「何件かギルドクエストをこなすか」

 「それでですね、ひとつクエストをお願いしたいのですが、とても危険なものですがSランク冒険者なら安心して任せられます」

 「内容は?」

 「ここから半日ほどの所にダンジョンが発見されたのですが、そこの魔物が地脈を荒らしているようなのです」

 「作物の出来が悪いのはそのせいだったんだな」

 「ダンジョンを攻略して地脈を荒らす魔物を退治してほしいのです」

 「地龍か?」

 「流石ドワーフ族ご存知でしたか」

 「穴掘りする者ならみんな知っている、土の魔法を操る厄介な龍だ」

 「もしかしてロックウォールとかロックスピアなんか使うのか」

 「押しつぶされたり串刺しにされたり、近づくことも難しい」

 「いくつかのパーティーが討伐に向かったのですが帰ってきませんでした」

 「地龍のダンジョンです最高難度になります」

 「もしかしてスゲー宝が有るかもな」

 「引き受けてもらえますか」

 「地脈を乱されたままでは何かと不都合が出るだろ、仕方ないなぁ」

 「ありがとうございます」

 とりあえず部屋へ案内される

 「地龍って手強いのか」

 「手強いぞ、とにかく硬い、俺の作った武器でも厳しいだろうな」

 「魔法勝負か、何か有るんだろ攻略法が」

 「まぁ俺達ならなんとかなるだろ、意外と相性がいいかもしれん」

 「そうなのか」

 「地龍は土魔法を使うんだが土や岩を操って攻撃してくる、体にあたるときは物理攻撃だ」

 「なるほど、全員が物理無効リングを装備している俺達には効果が低いって事か」

 「攻撃としては水が効果的だ体に水を含ませ凍られると内側から割れるんだ、水をぶっかけた後、炎で一気に温度を上げるのも有効だ」

 「なるほど」 

 「作戦はこうだ」

 二人一組になって一組がおとりになって、もう一組が攻撃 囮は一人が攻撃を受けたらもう一人が助ける、攻撃は一人が水をかけたら、すかさずもう一人が凍らせるか炎を浴びせる、この繰り返しだ

 「連携が大事だな」

 「囮は二人が同時に攻撃をくらわないように注意だ」

 「いつも行き当たりばったりで対応しているから先に作戦が立てられるのは楽だな」

 「しかし、会ってみんとわからない事も多い」

 「ぶっちゃけ出たとこ勝負だな」

 翌日、早速ダンジョンへ向かう、途中で服を脱ぎ全裸になる

 「やっぱ裸が一番だなや」太一が嬉しそうだ

 ダンジョンの入り口で数人の冒険者パーティーと出会った

 俺達を見てギョッとしている

 「初めてのパターンだな」

 「こういう場合どちらが優先なんだ」

 「決まりではランクの低いパーティーが優先っすね、同じなら先着順、同時なら話し合いっす」

 「という事で、お先にどうぞッス」

 「なんだてめーら、馬鹿みたいに裸で歩き回って、自分たちの方がランクが上だとでも思ってるのか」

 「いや、そちらが先に付いていたので同じクラスなら先着順ッスよね」

 「なんで同じクラスだと思うんだよ」

 「なんか面倒くさい奴らだな」

 「良いから先に行け、怖気づいているのならそう言え」

 「はん、怖気づくわけないだろ俺はBランクだぞ」

 「じゃあ早く入れ、俺はSだ」カードを見せる

 「なっ、わかったよ、宝は俺達のもんだ」

 「気を付けろよ」

 「地龍によろしく」

 5人パーティを見送る俺達

 「チョット腹ごしらえでもするッス」

 ドーガが手早く料理を作る

 「さてと、そろそろ行くか」

 中は広めで綺麗な通路になっている

 「魔物の気配がしないな」

 「罠系なのかもな」

 「あれ厄介ッスよね」

 「ドーガ、先頭任せる」

 「なんで俺なんッスか」

 「潰されなれてるだろ」

 ドーガは上手く罠を回避しつつ先へ進む

 カチッ

 「あっ」

 太一の姿が消えた、落とし穴だ覗き込むと下は剣山になっていて串刺しになった太一が見えた

 「痛てぇーだぁ、助けてけろー」

 「そういう時はロックウオールで床を作るんだ」

 「なるほど」

 太一が落とし穴からせりあがってくる

 「ダメージは無くてもすげー痛いだす」

 「気にするな、戦いの最中に痛みで怯んでいると勝てるものも勝てないぞ」

 「それにこれくらい落ちる途中で魔法を発動しないとダメだぞ」

 「次は気を付けるだす」

 その先も吊り天井やら矢が飛んできたりと定番のトラップが待ち構えていた

 トラップにかかった死体もいくつかあった

 「さっきの奴らの死体は無かったからなんとかしたんだな」

 「オラは既に3度死んだダス」

 「いい経験になっただろ、ドーガはほとんど回避で来たもんな」

 「俺も成長してるッス」

 下へ行く階段があった

 太一とドーガを前にして先へ進む、階層が変わって魔物が襲ってくる

 「正面から来る魔物の方がトラップより楽だべ」

 ゴーレムを袈裟切りにして蹴飛ばす太一

 「俺の剣はよく切れるだろ」

 「ゴーレムも豆腐のようだべ」

 どんどん先へ進むと先ほど会ったパーティの死体が転がっていた

 「あーあ、こんな所で、地龍に会う前に死んじまったんじゃ世話ないな」

 「こっちの人はまだ息が有るべ」回復魔法をかける太一

 みんなで囲んで回復魔法をかけてやるとあっという間に全快した 

 「私はどうしたんだ」

 「気がついただか」

 「イヤーッ」と悲鳴

 「グエッ」と太一が股間を押さえて転がる

 「金玉潰れたダス」

 「ハッ、すまぬ、ついビックリして、お前達が助けてくれたのか、みんなは」

 「他の奴らは手遅れだった」

 「そうか、私も致命傷だと思ったのだが」

 「どうする、一人で帰れるか」

 「「戻り砂」は持ってるのだがこのダンジョンでは無効の様なのだ」

 「厄介だな、いちど全員で入口まで戻るか」

 「出来ればこの先へ同行させては貰えないだろうか」

 「面倒だな」

 「俺達の事を言いふらされても嫌だしな」

 「そんな事はしない、ダンジョン内で見た事は他言しないと誓う」

 「あれ使えば良いんじゃないっすか、なんとかの首輪」

 「契約を反故に出来ないやつだな」

 「それでも構わない」

 「じゃあそうしよう、但し、地龍戦ではお前を庇う余裕は無い、被害を受けないよう隠れていろ」

 「お前達は何を隠しているんだ」

 「チンコは隠してないけどね」

 「それは隠しておいてもらいたい」

 「悪い事をしているわけではないが、面倒事が嫌いでな」

 「…」

 「今喋ったのはお前か」

 「このオークは喋るし武器も使う、魔法だって使う」

 「俺達は全員魔法が使える」

 「それも賢者なんて目じゃない魔法ッスよ」

 「そんなバカな」

 「別に信じてもらわなくて構わない」

 「前からゴーレム3体と上からゾンビコンドル5匹来るぞ」

 ゴーレムを太一が剣で切り刻み上空はドーガ得意のホーリーシャインで蒸発させる

 「凄いな、S級というのはこれほどの物なのか」

 「なにを言ってるんだ、こんなのに手間取っているようでは地龍など相手に出来ないだろう」

 「ちなみに、俺達はカイの旦那とダイの兄貴の子分ッスよ」

 「子分にした覚えはないがな」

 「兄貴ぃ、冷たいッス」

 「そんな冷たい兄貴もカッコいいダス」

 「ドワーフはともかくオークが各上だと言うのか」

 「上も上、ずーっと上ッスよ」

 信じられないという表情で俺の顔を見る

 「ところであんた名前は?」

 「私はカレンだ」

 「もしかしてメスなのか」

 「もしかしなくても女だ」イラついた顔をする

 「気が付かなかったッス、流石兄貴」

 「女だとわかったら、そのブラブラした物をしまってくれんか、そもそも何故防具を装備しない、ここはダンジョンだぞ」

 「この方が動きやすいダヨ」

 「あんたよりもずっとダンジョンの怖さは知ってるつもりだ、ついて来るならブラブラにも慣れてくれ」

 ダンジョン内の魔物を退治しつつ先へ進む

 「今日はこの辺りで休むか」

 「こんな所で寝るのか」

 「冒険者はどこでも寝るんだよ」

 夕飯はドーガが用意

 「旨い、探索中にこんなものが食べられるのか

 「いつも何喰ってたんッスか」

 「干し肉と乾パンだな」

 「旨いものを食べないと力が出ないだよ」

  夕食を済ませ後は岩の壁を作り眠る

 「カレンは部屋を分けた方が良いよな」

 「私も冒険者だ男との雑魚寝も慣れている」

 「分けた方が良いと思うダス」

 「構わんと言ったら構わん」

 「別に襲ったりはしないッスよ、俺カレンさんには欲情しない見たいッス」

 「ドーガ早くするべぇ」

 いつもと同じ夜のお楽しみが始まる

 しゃぶり合いケツを掘り合い喘ぐ雄達

 「…すまん、分けてくれ」

 翌日もダンジョンを奥へ奥へと進む、魔物は相変わらず岩系とゾンビ系のみだ、カレンも参戦、回復系の魔法をゾンビにかけるとダメージを与えられる様だ

 「このパーティでは誰が回復担当なんだ」

 「このパーティでは全員が攻撃して全員が回復する」

 「カイと太一は剣、ドーガは槍、俺は斧が得意だ」

 「お前、さっきは素手で戦っていただろ」

 「オークは人間より力が有るからな素手でもそこそこ戦える」

 「そこそこってレベルではないと思うけど」

 「兄貴に斧を使わせたらヤバいッスよ」

 魔物で注意を惹いて罠に嵌める手口も加わり難易度を増すダンジョン

 「オラ、また潰されたダス」と落ち込む太一

 「なんで生きているの」

 「ヒャヒャッハー、これのおかげだす」とチンコを振って見せる

 「男はそこがデカイと防御力が上がるのか」

 「それじゃ俺は防御力最弱じゃないッスか」

 「カレンはどっちのがすきだぁ」ドーガと肩を組んで股間を突き出す太一

 「バキッ」

 「グエッ」

 「金玉潰れたダス」

 「まぁ細かい事は気にしないでくれ」

 「この辺になると死体も無いな」

 「ここまでたどり着いたものが居ないのだろう」

 「罠も巧妙になってきてるからな」

 「カレンはダンジョンは何度目なんだ」

 「3度目だ、未攻略のはこれが初めてだ」

 「初めてにしてはハードだったな」

 「パーティメンバーとは付き合いが長かったのか」

 「いや、このダンジョンを攻略するために組まれたパーティーだ」

 「そうだったのか」

 「村に近い割にはかなりハードなダンジョンだよな」

 「岩系は普通の武器では厳しいし魔法も効きにくい、ゾンビ系も武器が効かないし炎の魔法は使い過ぎると空気が無くなるから厄介だ」

 「お前達は全く意に介していないな」

 「カイの武器は岩をも両断するし、日系の魔法はゾンビ系に特効が有るからな」

 「日系の魔法というのは珍しいな」

 「そうなのか」

 「火、水が一番一般的だな、私は回復と解毒、マヒ解除の魔法を持っている、水系木系だ」

 「水系の初期に覚える奴だな」

 「日はレアなんッスね、チョットカッコいいッスね」ドーガが嬉しそうに笑う

 「ドーガはいくつ魔法が使えるのだ?」

 「いくつだろう、数えた事なかったッス」

 「いっぱいあっても使うのは一部だからな」

 「オラは少ないダスよ」と指折り数える太一

 どんどん指が折られるのを見て

 「そんなに、どこで手に入れたんだ」

 「どこって、兄貴達に分けてもらったんダス」

 「俺に数を聞かんでくれよ」

 「兄貴達は6属性の魔法を極めてるッス」

 「そんなバカな、そんなの精霊に加護を貰はなくては…精霊から直接貰ったのか」

 「まぁ、そんなところだ」

 「お前こそ、どうやって手に入れたんだ、買うとなると凄く高いだろ」

 「弟子入りして分けてもらった」顔が歪んでいる、思い出したくもない経験なのだろう

 「精霊の居場所を知っているのか、教えてくれないか」

 「こんなダンジョンで苦労している奴が行っても死ぬだけだぞ」

 「そうかもしれんが、目標として知っておきたい」

 「このダンジョンを生きて出られたら1つだけ教えてやってもいいぞ」

 「本当か」

 カレンはがぜんやる気を出して先へ進む

 とうとうラスボスの部屋の前、大きな扉

 「すげぇ扉ッスね」

 「ヤバそうな雰囲気がひしひしと伝わってくるな」

 「カレン、これをかけていろ」と透明マントを渡す

 「見えなくなるけど、防御力が上がるわけじゃないから注意しろ」

 「わかった」

 ここまで同行して自分が全く戦力にならないのは自覚している

 扉を開け中へ入る

 薄暗い広い部屋だ、奥の暗がりから大きな影が近づいて来る

 「デカイな」

 一斉に突撃してそれぞれ攻撃を加えてみる、よほどの自信が有るのだろう地龍はよけもせず攻撃を受ける

 ドーガ、太一の攻撃は完全に弾かれ傷ひとつ付けられない

 カイの剣は肩の鱗を剥ぎダイの斧は頭の角を折った

 地龍はのけ反り一歩後退

 「流石に硬いな」

 「作戦通りに行くぞ」

 地面から突然、槍のようにとがった岩が生えてくる、突進しようとすれば岩の壁に阻まれ、動きを止めれば天井が落ちてくる

 動き回りながら魔法で攻撃を加える

 水、氷、火を交互に加えると硬い鱗にひびが入る

 ダイは色々な属性を混ぜた矢を打つ初めは弾かれたが配分によって硬い鱗も貫けるようになる

 延々と続く戦い、持久戦だ

 幸い地龍の攻撃は物理攻撃で有るため、こちらはダメージを受けない

 やがて地龍は力尽きて倒れた

 「やっと終わったな」

 「疲れただよ」

 「潰されたり貫かれたり、痛てーたらないッスよ」

 「そう言うな、お宝が出てきたぞ」

 「すげーきれーな宝箱だぁ、オラはこれが良いだぁ」

 「カレン、お前の分も有るぞ」

 「私は何もしておらんぞ」

 「隠れながら回復してくれてただろ、良いから貰っとけ」

 「俺はこれ」

 「私はこれにしよう」

 太一、転移のアンクル 致命傷となる攻撃が当たる瞬間に転移し回避する

 ドーガ、転生の宝輪 絶命時任意の年齢で転生できる。1回のみ

 カレン、水の杖 水系の魔法効果が1.5倍になる

 カイ、錬金の鎚 等価の物で任意の金属を作ることが出来る

 ダイ、怪力のピアス 力が1.5倍になる

 「かなりレアなアイテムだな」

 「こんな凄い物を貰っていいのか」

 「良いんじゃないのか最後まで付き合って生き延びたんだ」

 「兄貴って滅茶苦茶力持ちッスよね」

 「そうだな、お前を100メートル先へ投げ飛ばせるくらいの力は有りそうだ」

 「嫌なたとえは止めてほしいッス」

 「太一はよっぽど痛い思いをしたんだな」

 「これからは痛いのから回避できるダカ」

 「死ぬほど痛い場合のみだけどな」

 「金玉潰されるのはどっちだべ」

 「潰してみるか」

 「遠慮するダス」

 みんなでアイテムを装備してダンジョンから帰還した

 「流石S級冒険者ですな、太一さんはB級に昇格です」領主

 「カレンさんもB級に昇格です」

 「私がB級だなんて」

 「地龍討伐はそれほど難易度の高いクエストという事です」

 「お仲間は残念でしたが生き残ったあなたが彼らの分まで活躍してください」

 「カレンはこれからどうするんだ」

 「町へ戻る」

 「町まではどうやって戻るんだ、お前って回復専門なんじゃないのか」

 「確かに少々不安ではあるが」

 「俺達は港のある町へ向かっているのだが、知っていたら案内を頼めないか、その間は俺達が護衛してやる」

 「それは願ってもない」

 という事でカレンを加えて出発

 「お前らはダンジョンを出ても裸なんだな」

 「町へ入る時は服を着るッスよ」

 「兄貴は裸のままッスけどね」

 「オークだし、このアンクルを付けていると家畜感が増すからな」

 「腕輪に指輪にチン輪に尻尾輪、ピアスまで付けて、オシャレオークっすね」

 「お前、馬鹿にしてるだろ」

 「褒めてるんじゃないッスか」

 「どこまで投げられるか試してみるか」

 変化の指輪を外しドーガを掴むと思いっきり投げてみる

 思った以上に飛んで行った

 「彼は大丈夫なのか」

 「あいつは丈夫だから死にはしないよ」

 落ちたあたりへ行くと木の枝に引っ掛かり逆さまになったドーガがいた

 「兄貴ぃー、助けて下さいよ」

 斧を取り出し木を切り倒す

 大きな木はドーガごと地面へ倒れる

 「ひでース」

 「空中での姿勢をうまく制御すればもう少しうまく着地で来ただろ」

 「本当に頑丈なのね」と笑うカレン

 「人間は飛ぶようにはできてないッス」

 「魔法で飛べそうなの無かったか」

 「なんかあった気がするな」

 「マジっすか」

 「古代の魔導士がそのような魔法を使ったと伝承が有ったわ、確か月の精霊」

 「あった、これじゃないか重力を操る魔法」

 とりあえず試してみるといきなり空高くまで飛んで地面に落下したり横に吹っ飛ばされて木に叩きつけられたりしたが、しばらく練習すると何とか飛べるようになった

 「兄貴、飛べるようになったんッスね」

 「飛ばない豚はただの豚だ」

 「なんッスか、それ」

 「兄貴は飛ばなくてもただの豚ではないダス」

 「結構楽しいぞ、お前らも飛ぶか?」

 対象物へ魔法をかければ浮かしたり重くしたりもできる様だ

 「しかし凄いな、本当に飛べるとは」

 「チョット反省だな、使える魔法がもっとあるかもしれん端からチェックする必要があるな」

 「しかし、面倒だぞ、少なくても200位有るだろ」

 「いつの間にか増えてるんだよな」

 「なんてもったいない」

 「そう言うが、咄嗟に使える魔法というのは普段使い慣れてないと」

 「考えていたら間に合わんからな」

 「確かにそうだが、羨ましい悩みだな」

 「しかし、使えるものも有るだろうからチェックは必要だ」

 旅の途中に端から確認していく二人、とりあえず使ってみると新たな魔法が派生して閉口した

 空を飛ぶ魔法はカイも持っていたので太一とドーガに分けてやる事にした

 カレンが滅茶苦茶羨ましそうにしていたので、口止め料という事でカレンにも分けてやり、みんなで飛ぶ練習をする

 ドーガ達は高い所から落ちても問題ないがカレンは死と隣り合わせだ、コントロールできるようになるまでは付きっ切りで世話する必要があった

 途中で出会った魔物をドーガ、太一、カレンで狩り経験を積ませる

 出会ってから数か月、カレンは俺達の裸にも慣れ、金玉を蹴飛ばしたりチンコを引っ張ったり平然と出来るようになった

 水浴び用にウオーターキャノンを分けてやると大喜びしていた

 水系の魔法は相性が良いようで見事に使いこなし、飲み水から攻撃用までうまくコントロールしている

 「もうすぐ町に着くな」

 「カレンさんはこの町に長く滞在してるんですか」

 「そうだな、魔法を覚えたくて10年前にこの町の治療院の爺さんに弟子入りした」

 「冒険者になる為っすか」

 「そんなつもりは無かったんだけど、回復専門で同行してほしいと頼まれて流れで冒険者になった」

 「これからも冒険者を続けるのか」

 「今回の件で懲りたよ、どこかの町で治療院でも開こうと思う」

 「それが良い、その杖があれば凄腕の魔法使いって事になるんじゃないか」

 町はかなり大きな港町、近隣にも村や町が点在している

 身なりを整え町へ入る

 ドーガのS級冒険者の肩書とカレンがいたおかげですんなりと入国を許可された

 「まずはギルドへの報告ッスね」

 「そいじゃワイらはホテルいこかぁ」

 いつの間にかボブ達が合流している

 ホテルに部屋を取りボブ達はさっそく商売へ出かける

 「…、俺一人になったぞ、どうしよう」

 カレン、ドーガ、太一はギルドへ行きダンジョンの報告、道中で狩った魔物の採取物の納品を行う

 カレンのパーティが全滅したことを報告すると周囲の空気が暗くなった

 カレンと太一の冒険者ランクが更に上がり、手続きは完了した


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