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24 オーガ

 太一を村に戻し村長にあいさつする

 「儂も胸のつかえがおりました、有難う御座いました」

 「俺達は大したことしていないッスから」

 「お別れですね」太一が寂しそうにしている

 太一が家へ帰っていくのを見送り

 「村長、あなたはこれからどうするんです」

 「今まで通りこの村を治めて行きます」

 「それは困る」

 「兄貴、何を言ってるんッスか」

 「あなた、人身売買の仲間だろ」

 「何をおっしゃるのですか」

 「大体ここの農業の収入で奴隷を何人も買う事は出来ないはずだ」

 「それは…」

 「奴隷たちが不憫で買っていたのなら人身売買組織が壊滅した今、太一達を解放するだろ、それなのに何も言わずに今まで通り働かせるつもりだ」

 「いや、今後の事はこれから、あやつも記憶が無いのだから帰るうちもわからないし」

 「記憶が戻らない事を知っていたんだな」

 「ちっ、感の良い奴だ」

 「そうだ奴隷たちを太らせいい感じに育ったら食べるんだよ童貞の雄が旨いんだ」

 小さく弱々しかった村長の体から黒い影が立ち上りミノタウルスを彷彿させる大きな悪魔が姿を現す

 「なんッスかこれは」

 「初めから違和感があったんだ、今までにない強力な魔物が出てきたりして」

 悪魔は凄まじいスピードで突進してきて体当たりをくらわす、俺は10メートルほど吹っ飛ばされてしまった

 「スゲー力だな」

 「タフな奴だな」

 悪魔は斧を取り出し振り回す、俺も斧を構える

 何度か斧をぶつけ合いはじけた所へ悪魔が火を噴く

 「あちぃ、なんだ力比べじゃなかったんだ」

 こちらも魔法で応戦する

 「オークのくせに魔法も使うか」

 デカくて力も有るくせに素早い、今まで戦った中で一番強い、カイとドーガも加わり囲んで攻める

 口から吐く炎は魔法ではないため無効にならない

 ロックウォールやアイスウオールで防ぐしかない

 ドーガも炎に苦戦している

 カイは鎧に炎属性を持たせ炎を無効化している

 俺が魔法でけん制し、カイが近接攻撃を行う

 3人がかりで最後はカイが両断し俺が炎と土木月を混ぜた矢を命中させ、ドーガのホーリーシャインでとどめをさす

 悪魔は黒い霧となって霧散した

 「ヤバかったッスね」

 「3人いて良かったよ」

 「捕獲する余裕もなかったな」

 「ところで村長が居なくなると、この村はどうなるんッスかね」

 「何とかなるだろ、領主に報告しておけば」

 「町へ戻るか」

 「当初の目的の町でゆっくりって、まだ達成してないッスよね」


 という事で街へ戻る

 今度は魔物に襲われることもなく楽に到着できた

 「ボブはどれくらいこの町にいる予定なんだ」

 「結構景気の良い街なんで2週間ってとこやな、広いさかい場所を変えながら売るつもりや」

 「2週間か、のんびりするにしても長すぎるな」

 「そうっすか、2週間くらいあっという間っすよ、町を見て回るだけでも1週間くらいはかかるじゃないっすか」

 「町の何を見るんだ」

 「美味いもんとか、街並みとかっすよ」

 「街並みには興味ないが美味いもんは食いたいな」

 「そうっすよね」と嬉しそうに笑うドーガ

 カイはボブの手伝いをさせられる事になりドーガと二人で街の見学をする

 「兄貴はマッパで良いっすよね」

 「お前も裸になれば良いじゃねぇーか」

 「目立ちすぎるっすよ」

 「そうか、冒険者の中には裸の奴もいたよな褌は穿いてたけど」

 「あれはオーガ族っすね、肌の色が赤っぽくて体が大きかったでしょ」

 「人間じゃないのか、ああいう人種かと思った」

 「オーガ族は戦闘部族で強さが何より優先されるんッスよ、筋肉を誇示するのも習慣っすね」

 「お前だって体はデカイし筋肉だってついているだろ」

 「最近筋肉の上に脂肪がついてきてデブに戻りつつあるんっすよね、この体型でオーガ族って名乗ったら「オーガ族の恥」とか言って決闘を申し込まれかねないッスよ」

 「決闘なんて風習が有るんだ」


 高台の広場へ到着、色々な屋台が並んでいる

 「美味そうな匂いがするな」

 「蕎麦屋が有りますよ」

 大きな町だけあって食べ物も美味い、食べ物屋をはしごしながら店を眺める

 日用品、装飾品、武器、防具と色々な店がある

 広場の一角に人だかりが出来ている

 「何だあれ」

 「なんッスかねぇ」

 近づいてみるとオーガが店を出しているようだ

 「商売するオーガも居るんだな」

 「あれって、商売って言うんっすかね「体力勝負」って書いて有りますよ」

 オーガは2メートル近い身長で筋肉が凄いほぼ裸で股間がぎりぎり隠れる程度の薄い布だけを身に着けている。立派なイチモツは形が浮き出ているし体制によって脇から見え隠れしている

 ガタイの良い男が勝負を挑んでいる

 腕相撲勝負らしいがオーガは人差し指で相手をするらしい

 掛け金は自由、交渉次第ルールも変わる、勝てば掛け金の10倍がもらえるらしい

 力自慢の人間の男は心外だと言わんばかりに不機嫌な顔をする

 勝負開始、オーガは少し苦戦する様子を見せたが、わりとあっさり勝って見せた

 「凄いっすね」

 「お前、挑んでみたらどうだ」

 「嫌っすよ負けたらS級冒険者の面目が立たないっす、兄貴なら勝てるんじゃないっすか」

 「勝てるわけないだろ、相手の強さを見極めるのも大切な素養だぞ」

 「兄貴は意外と謙虚っすね」

 「もっとも、武器、魔法有だったら何とかなるかもしれんがな」

 「それで挑んだらどうッスか」

 「ここで暴れたら周りに被害が出るだろう」

 「確かにそうッスね」

 強さを見せつけられ次の客が名乗りを上げない

 「おい、お前、勝負しないか」とドーガを指さす

 「えっ、俺??」

 「話し、聞こえてたんじゃないか」

 「ヤバいッスよ、どうしよう」

 「それならこうしたらどうだ、ゴニョゴニョ」

 「それなら良いかも」

 オーガに歩み寄るドーガ

 「やるか」

 「槍さばき勝負ッス」

 「槍か、良かろう、掛け金は?」

 「自信が無いんで銅貨1枚でお願いするっす」

 「良かろう」

 「勝負は槍さばきを見せて観客の拍手で勝負っす」

 「良かろう」そう言って槍を取り出し演技を始める

  オーガは力のある種族だ剣や棍棒の様な武器が得意だと踏んだのだが中々に素晴らしい槍さばきだ

 観客は盛大な拍手を送る

 ドーガも負けてはいない見事な槍さばきを見せる

 最後に俺がリンゴを放り投げ空中で浮かしたまま槍の先でリンゴを激しく突きまわし、最後にリンゴを突き刺す

 リンゴを観客に向けて差し出す

 リンゴには見事に俺の顔が掘られていた

 観客は大喜びで盛大な拍手を送る

 「俺の負けだな」とオーガ

 銅貨10枚を受け取る

 「有難う」

 俺達が離れて行くと次々に挑戦者が現れる 

 「兄貴、流石っすね」

 「勝てただろ」と笑う

 その後、一日中町を散策した帰り道、さきほどの広場を通りかかるとオーガが店じまいをしていた

 こちらに気付き近寄ってくる

 「やばい、こっちくるっす」

 「昼間は有難う、おかげで稼ぐ事が出来た」

 「へ?」キョトンとするドーガ

 「なんだ、わかっててやってくれたんだと思ったんだがな、うまく俺に勝ってくれただろ」

 「そっちこそ、丁度いい具合に手を抜いてたろ、流石だな」ダイ

 「お前のイカサマも大したもんだったぞ」

 「やっぱりバレてたんだ」

 「どういう事っすか、銅貨一枚で槍さばき勝負なら勝てるって言われたけど」ドーガ

 「やっぱりわかってたんだ」

 「どういう事っすか」

 「商売だよ、挑戦者が居なけりゃ商売にならないだろ、勝ってばかりじゃダメって事だ、勝てるかもしれないって思わせないと」

 「そういう事だ、銅貨一枚なら負けても良い」

 「なるほどっす」

 「槍というオーガが苦手そうな物を選ぶことにより、その手が有ったと思わせる効果もあるだろ」

 「流石だな、確かに剣に比べれば苦手だ」

 「兄貴ってホント賢いっすね」

 「兄弟なのか?」

 「いや、俺がかってに子分になってるだけっす」

 「人間がオークの子分になるってのか」

 「兄貴は特別ッスよ」

 「その様だな」

 「俺の事は内緒で頼む普通のオークって事にしているんだ」

 「わかったよ、儲けさせてもらったよしみだ」

 「ところで、本気を出せば俺に勝てるっ本当か」

 「聞こえてたのか、オーガっていうのは地獄耳なんだな」

 「やってみないとわからないとも言ったと思うが、やりたくは無いな」

 「そうか、それは残念だ」

 「オーガは商売のような事は嫌いだと思ってたんッスけど」

 「そうだな、あまり好みではないが、町で暮らすには金は有った方が良いからな、背に腹は代えられん」

 「しばらくはこの町にいるから、よろしくっす、俺はドーガ、兄貴はダイ」

 「俺はガイアだ、よろしくな」

 ガイアと別れホテルへ向かう

 「オーガっていうのは人間の町で暮らすものなのか」

 「俺の町にはいなかったっすね、数も少ないって話っすよ」

 「その割には知ってる風だったよな」

 「オーガって有名なんっすよ、おとぎ話とかでも出て来るし、強いとかカッコいいとか、結構ポジティブに伝えられていたんッスよ」

 「オーガとかドワーフは人間に受け入れられているんだな」

 「人間と同じ様に知性が有って話が出来るからじゃないッスかね」

 「ほかにもいるのか受け入れられている種族」

 「エルフも大丈夫っすよ」

 「エルフか、見た事ないな」

 「俺も無いっすよ、オーガよりも珍しい種族っすね、基本的には森の中で群れで暮らしているらしくて人間の町に住んでいるのはほとんどいないみたいッスよ」

 「森の中も随分歩いたが出会わなかったな」

 「結界的なモノで隠れてるんッスよ」

 「なるほどな」

 「オーガの町って有るのか」

 「オーガは山奥に住んでるって聞いたことあるッス」

 「ちょっと覗いてみたいな」

 「怖くないッスか、ガイアさんみたいなのがいっぱいいるんッスよ」

 「ああいう脳筋が集団でどんな暮らししているのか面白そうじゃないか」

 「だったらガイアさんに聞けばいいじゃないッスか」

 「そうだけど、勝負とか言い出しそうなんだよなぁ」

 「サクッと勝っちゃえばいいじゃないッスか」

 「魔法で勝ってもダメだろ、肉弾戦だときついよな」

 「腕相撲とかどうッスか」

 「どうだろうな、しかし勝っても負けても目立つだろ」

 「そうッスね」

 翌日、早くも町の中でゆっくり過ごすことに飽きてきた俺

 「兄貴、つまらなそうッスね」

 「町をブラブラしていて何が面白いんだ」

 「たまにはゆっくりするのも良いじゃないッスか」

 「どっかにダンジョンでもないのか」

 「ギルドへ行けばそういう情報もあるッスよ」とため息をつく

 ドーガは渋々ギルドへ

 「流石Sランクですね、鼻が利く、たった今、新しいダンジョンの情報が入りまして」

 「マジか、軽めで良いんだけどな」

 「Bランク冒険者が発見したのですが、まったく手に負えなかったという事です

 ここからすぐ近くです、2日も有れば着きますよ」

 「それは良いな、俺が行こう」

 聞き覚えのある声だ、振り向くとガイアが立っていた

 「奇遇だなドーガ」

 「ガイアさんも冒険者だったんッスか」

 「まぁな、最近登録したんだ、こっちの方が儲かりそうだからな」

 「ガイアさんはCランクですのでこれは厳しいかと、ドーガさんと一緒に攻略してはいかがですか、ドーガさんはSランクなんですよ」

 「俺一人でも良いが、実績不足という所か、どうだ、一緒に行ってくれるか」

 これって断れない状況ッスよね、兄貴もうれしそうな顔してるし、俺はもう少しゆっくりしていたかったんだけどな。

 「そうっすね、カイさんと相談って事で良いッスか」

 「俺だけでもいいぞ」とダイが小声で話す

 翌日ギルドで合うという事でいったん別れた


 「ダンジョンか、面白そうだな、俺がいなくても大丈夫だよな」カイ

 「カイはんが居らんと戦力ダウンやわ」

 「ドーガを置いてくよ、鍛冶スキルも多少上がってるから多少の直しは出来るだろ」

 「そうだな、ドーガは街でゆっくりしたいって言ってたし今回はお留守番って事にするか」

 「えーっ、そんなぁ」

 「まぁ、ゆっくり休んでくれ」

 翌日ギルドへ行ってガイアと会い、そのままダンジョン攻略へ向かう

 「ドーガはいなくていいのか」

 「あいつは足手まといだからな、居ない方が良い」とカイ

 「ドワーフ殿はダイ殿より強いのか」

 「力は叶わんが、剣技なら負けんぞ、俺はカイだよろしくな」

 「俺はガイアだ、大剣を使う、ダイは何を使うんだ」

 「俺はこれだ」と斧を見せる

 「それは、変わった武器だな、しかも美しい」

 「カイの作品なんだ」

 「ドワーフの作る武具は人間の作るモノより優れていると聞くがこれほどとは」

 「町で俺の作ったモノを売っいるから良かったら買ってくれ」

 「そうだな、その為にもこのダンジョンで稼がねばな」

 「オーガは鎧とかは身に付けないのか」

 ガイアは小さなふんどしのみでほぼ裸だ

 「ダイも裸じゃないか」

 「俺はオークだからな、鎧を身に着けたオークなんていないだろ」

 「俺の育った町ではオークは喋らなかったが腰布は付けさせていたな」

 「やっぱり食うのか」

 「労働力として使うが、使えなくなったら食うな」

 「オークというのは力は有るがおとなしいくて従順だからな、どこでも便利に使われているよな」カイ

 「オーガの中にも防具を付ける者はいるが動きにくくなるので俺は好まない、戦闘スタイルの問題だ、攻撃を受けるか、かわすか」

 「そうだな、人間の様に動きもいまいちで力もない種族は防具が不可欠だ、ドワーフもそれほどすばしっこくは無いので防具を使うな」

 「ダイ、俺と手合わせしてみないか」

 「オーガって戦うのが好きなんだ」

 「戦闘民族なんて言われているが、戦いを好まん者も居るぞ、ただ訓練していれば自分がどの程度強くなったのか試したくなるのが人情というものだろう」

 「そうだな、ダンジョンに入る前にお互いの力量を知っておくのは良い事だろう」

 二人は武器をって対峙した

 まずは小手調べ、踏み込んで斧を伸ばし切りつける

 これなら大剣よりも遠くから攻撃できる、弾くか避けるか

 ガイアは踏み込んで大剣を片手で伸ばしてきた

 大剣なので両手で扱うものだと思ったが片手で扱うとなると間合いが変わる

 かすめる寸前で回避、すかさず懐へ飛び込む両手で斧を持ち切りかかる

 ガイアは大剣を巧みに操り防御しているが両手の手数をさばくのは容易ではない

 後ろへ飛びのき態勢を立て直そうとするガイアの背中が壁に激突する

 壁が砕け、尻もちをつく

 「スゲーな岩壁が砕けたぞ」

 「何をした」

 「魔法だよ土魔法、魔法は反則だったか」

 「はっはは、俺の負けだ、この剣は既にボロボロだ後一撃貰えば折れてしまうだろう」

 そう言って立ち上がった

 「ここまで一方的にやられたのは久しぶりだオークは強いのだな認識を改めねば」

 「怪我をしたか」

 「これ位どうという事は無い」

 「頑丈な体だな」そう言いながら回復魔法をかけてやる

 「回復魔法も使えるのか」

 「まぁな」

 「オーガは魔法を使えないのか」

 「長老が回復と解毒魔法を使えるが他の者は使えんな」

 「そうなんだ」

 「魔法が使えるのは希少なんだな」

 「しかし、ダンジョンに入る前に得物を壊してしまったのは困ったな」

 「俺は素手でも大丈夫だ」

 「短剣なら持っているぞ」とカイが差し出す

 「これは素晴らしいものだな、貸してもらっても良いのか」

 「試作品だし、やるよ」

 「こんな高価な物を貰うわけにはいかない」

 「ボブが居たら叱られるんだろうな、価値なんて他人が付けるもんだ、俺が作ったもんだ、あげようが捨てようが俺の勝手だ」

 「有難く頂戴しよう、しかし、軽くて丈夫で美しい、家宝にするレベルだな」

 「そこまで言われると照れるな、ダイの斧と戦っちゃダメだぞ、あれは俺の最高傑作だからな」

 「ダイの斧を見せてもらっても良いか」

 ダイが無造作に渡すと

 「オイ、自分の得物を簡単に他人に渡してはいかんぞ」

 「お前が見せろと言ったんじゃないか、それにそれが無くても俺は強いぞ」

 「素手でもうひと勝負するか」

 「悪いが格闘技や力比べにはならんぞ、魔法を使うからな」そう言ってガイアを岩で囲む

 「確かにこれでは勝負にならんな」と岩の中で笑う

 魔法を解いて自由にしてやる

 「しかし、存外頭が良いのだな、オークだけどオークではないと言う意味が良くわかったよ、人間のドーガが兄貴と慕うのもうなずける」

 ダンジョンへ向かう道中に出た魔物はほとんどガイアが仕留めた、武器の練習に丁度良いという事らしい

 そのダンジョンは茂みに隠れひっそりと そこに合った

 入る前に悪魔を呼び出しダンジョンの情報を聞き出す

 「ディア」

 「オウ、なんか用か」

 「このダンジョンの情報が知りたい」

 「これはレベル9だな、死を恐れぬもののみ入るがよい、アンテッド系のダンジョンだ」

 「なるほど、かなりヤバそうだな、ありがと、帰っていいよ」

 悪魔は不機嫌な顔をしつつ消えて行った

 「今のは何だ」

 「悪魔だよ、見た事ないの」

 「初めて見たな、使役しているのか」

 「使役ってわけでもないが、物知りなんで助けてもらってるんだ」

 「なんだか驚かされる事ばかりだな」

 「かなり危険なダンジョンの様だがどうする」

 「ここまで来て諦めるという選択肢はないだろう、俺は死など恐れないぞ」

 中に入るとアンテッドが沸いて来る

 アンテッドというだけあって首をはねないと倒れない

 かなり厄介だ

 カイが剣に魔法を付与してみると効果てきめんだった

 「日と火の魔法が効果的だな」

 「そんなことも出来るのか、俺は本当に足手まといになってしまいそうだな」とうなだれるガイア

 「今回は相性が悪かったな、他のダンジョンなら大活躍だったかもしれないよ」

 「しかし、入口でこのレベルだと先が思いやられるな」

 「炎を剣に纏わせるやつあげれば良いんじゃない」

 「しかし、MPが少なすぎてあっという間にガス欠になるだろ」

 「ガス欠になったら回復薬を使えば良いだろMP少ないから1滴で満タンになるだろ」

 「なるほど、試してみる価値はあるな」

 「何を言っているんだ」

 「アンテッドは通常攻撃で倒してもすぐに復活する、でも炎魔法を剣に纏わせて切れば復活できない、だからガイアさんに炎魔法を覚えてもらおうかと思うんだけどどうかな」

 「そんなに簡単に覚えられるのか」

 「渡すのは簡単なんだけど使いこなすのはセンスかな」

 「そうなのか、では試してみるか」

 魔法の受け渡しはドーガにやっているので勝手はわかっている

 「ちょっと見てて」

 そう言ってガイアの短剣に手をかざし炎を纏わせて見せる

 「今のをイメージして自分でやってみて」

 今見たままをやってみる

 数回繰り返すと見事に成功した

 「ガイアさんはセンスがあるな」

 「MPはどんな具合だ」

 「半分っといったところだ」

 「2回は使えるな、慣れてくれば手をかざさなくても意識するだけで出来るようになるから」

 「凄いな、この魔法はいつまで使えるんだ」

 「一度分けてもらったら一生使えるよ」

 「そうなのか、そんな貴重なものをこんなにあっさりとくれてしまって良いのか」

 「内緒だよ」

 「戦力になってもらわんと困るからな」

 「そういう事、よろしくね」

 「おう、まかせろ」

 ガイアは戦闘民族といわれるだけあってセンス抜群ですぐに魔法を使いこなし、MPの上限値もみるみる上昇した

 「そろそろ夜だ休もうや」

 「なぜ夜だとわかる」

 「ドワーフの腹時計だ」

 魔法で野営地を作り持ってきた食料を食べる

 「アンテッド系は食えないから食料は貴重だな」

 「大事に食わないと」

 「ドーガが居ないと飯が味気ないな」

 肉を焼いたものと保存食を食べる

 カイはいつものように裸になって俺に抱き付いて来る

 体をまさぐり合った後、背後からカイが挿入し腰を振る、俺はすぐに絶頂に達する

 「出る出る、ガイア良かったら飲んでくれ」

 ガイアは頷くと俺のモノを咥えた、すぐにガイアの口の中へ放出、大量の精液をこぼすことなく飲み込むガイア

 カイも俺のケツに放出

 カイは疲れたのかすぐに鼾をかいて寝てしまった

 「オーガの性処理事象ははどうなっているんだ、ドワーフはオークで処理する事は珍しく無いようだが」

 「オーガはメスとしかしない、強い雄は多くのメスと交尾する一方で全くできない者も少なくない」

 「ガイアはどうなんだ」

 「俺はしたことない」

 「ガイアはオーガの中では弱い方なのか」

 「そうでもないと思うが里から出てしまっているので良くわからん」

 「俺で良ければ相手してやるぞ」

 「お前は相手が誰でも良いのか」

 「好みは有るぞ、嫌いな奴なら拒否する」

 「そうか、まぁそうなのだろうな、俺は今のところ間に合っている」

 「そうか、なら良い」

 翌日もガイアを先頭に攻略していく、魔法の持続力や威力も増していく

 今までのダンジョンとは比べ物にならない数の敵が次から次へと湧いてくる

 「ガイアが居てくれて助かったな」

 「オーガの体力って底なしなのか」

 「流石にこれだけの時間戦い続ければ疲れるが、正直、覚えたばかりの魔法を使うのが楽しくてな」

 「かなり上達したな」

 「MPもものすごく増えているよな」

 「午後からは3人で連携の練習をしながら進むか」

 「もう午後なのか」

 「いまは11時30分頃だな」

 昼食を摂り先へ進む、それほど複雑でもないが、とにかく敵の数が多く疲れるダンジョンだ

 人間の体力ならば倍いや3倍くらい時間がかかるだろう

 7日目、大きな扉が現れた

 「ラスボスだな」

 「オイあそこを見ろ」

 カイが扉の上の方を指さす

 「ドラゴンか?」

 「飛行系だよな」

 「入ったらロックウォールで部屋を分割するか」

 「ガイアの短剣は相性が悪そうだな」

 「ロングソードが有れば良いのだが」

 「魔法で伸ばせば良いんじゃないか」

 「そんなことが出来るのか」

 「本体は伸びないが付与する炎は伸びるから」

 「イメージだ」

 「気合を入れて行くぞ」

 扉を開いて中へ入る、広いスペース直径1㎞くらいありそうなドーム型の部屋だ

 「相手がどこに居るかわからないと壁を作れないな」

 遠くからものすごいスピードで飛来する真っ黒いドラゴン

 「アンテッドドラゴンなのか」

 ガイアが進み出て短剣の1っ本を両手で握り構える

 炎は伸び大剣の様になる

 大きく振りかぶりドラゴンとすれ違いざま剣を振るう

 お互いに間一髪のところで回避

 ドラゴンは翼の一部を切断され、ガイアは腕の肉を抉られた

 翼を切断されたドラゴンは地上を歩き毒の霧を吐く

 「俺が行く、ガイアを頼む」

 「オウ任せたぜ」カイ

 ガイアの腕の傷を癒し、ホーリーベールで毒を防御する

 毒耐性がある俺でも長時間浴びたらヤバそうな毒霧だ短期決戦だな

 ホリーアローを束ね打ち

 アンテッドには効果てきめんだ、斧へ日と火属性を付与したたみかける

 ドラゴンをバラバラにすると黒い霧となって霧散する

 「やったな」

 「アンテッド系は弱点がわかりやすいからやり易いな」

 「ホーリー系の魔法を持っていない者には脅威でしかないがな」

 豪華な宝箱が3つ出現する

 「今回はガイアがいたし時間的には短かったから楽だったな」

 「小細工なしの物量勝負だったもんな」

 「ドーガのホーリーシャインが有ればもっと楽だったかもな」

 「レベル9の割には楽だったな」

 「しかし、普通の冒険者では攻略は難しいだろう、正直オーガ3人のパーティでもラスボスまでたどり着けないだろう」

 「日の魔法って持っている人は少ないのか」

 「魔法自体持っている者は少ない、回復系と炎はたまにいるがその他となるとかなりレアだ」

 「とりあえず、お宝チェックと行きますか」

 「ガイアは初めてか」

 「いや、ゴブリンが出るダンジョンを攻略した事がある、その時は超回復薬が手に入った」

 「今回はレベル9だからな相当なレアアイテムが期待できるよな」

 「俺は何かな」無造作に宝箱を開ける

 「「変化の指輪」だ」と少しテンションが下がる俺

 「透明マント」カイ

 「癒しの指輪」ガイア

 「ダイはあまりうれしそうではないな」

 「これ、持ってるんだよね」

 「でもよ、二つあれば二人で人間に化けることも出来るし便利じゃないか」

 「確かに便利ではあるけど、つまらないな、そっちのは面白そうだな」

 「どうだ、どんな風に見える」とマントを装備するカイ

 「凄い、まったく見えないし気配も感じない、匂いもしないぞ」

 ガイアの隣へ移動してマントに触れさせるとガイアも消えた

 「ガイアも消えたね、これなら色々使い道が有りそうだ」

 「俺のは状態異常無効の効果があるらしい」

 「それも良いな、直接のダメージ以外は考えなくて良いんだ」

 「しかし、もらっても良いのだろうか、ボス戦ではあまり活躍できなかったが」

 「その分途中では一番働いたじゃない」

 「遠慮する事は無い、しかしエラク謙虚なオーガだな」

 「では遠慮なく頂いておく」

 帰り道

 「今回は世話になったな」

 「こっちも楽させてもらったからお互い様だ」

 「しかし、この短剣、火の魔法、癒しの指輪、お金にしたら何千万はくだらないだろう、下手をしたら億だ、あまりにも有難過ぎて何とも申し訳なくて」

 「気にしすぎだよ」

 「ダイは斧の扱いが独特で無駄が多い気がする、もしかしたら自己流なんじゃないのか」

 「カイに少し教わったぐらいだな」

 「俺も斧に関してはあまり詳しくなくてな」

 「やはりそうか、どうだろうオーガの里で訓練してみないか、オーガの里には片手剣、大剣、槍、斧などあらゆる武器の専門家が居て技を極めているんだ、基本を身に付ければもっと強くなれるはずだ、お礼といっては何だがどうだろう」

 「カイ、どうする」

 「修行するとなると最低でも1年位は必要だと思うが、この先どんな強敵が現れるかわからんし伸びしろが有るならやってみるのも良いんじゃないか」

 「ドーガはどうする」

 「もちろんみんなで来てくれてかまわない」

 「しかしオーガは排他的で他種族を受け入れないんじゃないのか」

 「確かに他種族との交流は好まない、戦士というこだわりが強く戦い以外の事を好まないんだ」


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