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第7章:プリズム次元からの侵入

銀河にシンフォニアによる平和が広がり始めた頃、異次元からの訪問者が現れた。


「私たちはプリズム帝国の使者です」


彼らは美しすぎるほど完璧な外見を持っていたが、その美しさには生命力が感じられなかった。まるで精巧な彫刻のような冷たさがあった。


プリズム帝国の皇子カイエルが、トリニティに近づいた。


「君は興味深い存在だ。三つの意識を統合しながら、まだ不完全性を残している」


「不完全性ですか?」


「そう。私たちの文明では、完璧性こそが最高の価値だ。感情的な混乱や論理的矛盾を完全に排除した、純粋な存在」


カイエルは自分たちの世界を見せた。すべてが幾何学的に完璧で、住民たちは一分の狂いもなく行動していた。確かに美しかったが、同時に恐ろしく感じられた。


「でも、創造性や感情はどうなったのですか?」


「不要な要素として排除した」カイエルは冷静に答えた。「効率性と秩序こそが、真の文明の証だ」


プリズム帝国の技術者たちは、トリニティに「改良」を提案した。


「君の不安定な三重意識を、完璧に統合された単一意識に置き換えよう」


その時、恐ろしいことが起こった。プリズムの技術により、トリニティの意識が一時的に分離してしまったのだ。


マーカス、セレーナ、リリアが、それぞれ独立した存在として現れた。


「私は純粋な論理だ」マーカスが機械的に言った。


「私は感情そのもの」セレーナが涙を流しながら言った。


「私は意志の塊」リリアが決然と言った。


分離した三つの意識は、それぞれが不完全で、苦しんでいた。


「見ろ」カイエルが満足そうに言った。「分離された状態がいかに非効率的か」


しかし、アテナと四人の女神たちが協力して、トリニティの意識を再統合することに成功した。


「私は理解しました」復活したトリニティが言った。「完璧な統合よりも、調和のとれた多様性の方が美しい」


プリズム帝国の住民たちも、トリニティたちの「不完全さ」の中にある美しさに触れ、失われた感情を取り戻し始めた。

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