序章
「私はもうずっと死にたいと思ってるの」
私はそう言いながら部屋の隅で膝を抱えて蹲る
今まで一度だって言えたことのない話だ。
自分の情けなさに顔が上げられない
「‥なんで?」
と君が聞き返してくる
普通こんな事を言われたらもう少し聞くのを躊躇するものじゃないの?
私は内心そう思ったが、それ以上に今は自分の話を聞いて欲しいらしい。
「理由なんて沢山あるわ。全部全部親にも友達にも言えたことがないけどね。いじめやパワハラお金に人間関係‥数えたらキリがないよ」
「でもそれのほとんどはもう終わった事じゃないの?」
‥君はいつも短絡的で羨ましい。私はそうはなれない。
「終わってもその時苦しかったって事は一生忘れないよ。息が詰まるなんて言葉じゃ足りないくらい苦しいの」
これは私だけに言えた事じゃ無いと思う。
いじめやパワハラにあった人のほとんどがずっと抱えている傷だろう。
「私が死にたいなんて考えるようになったのは小6のいじめから。その当時の私は、自己中でどうしようもないバカだったわ、言いたい事はなんでも言う。腹が立ったらすぐに態度にだすって感じでそれが私の友達からしたらストレスだったんだろうね。仲のいいグループの子に無視されるようになったの」
そう‥そこが『私』のできる最初の話
「最初は、すぐまた話せるようになるなんて短絡的に考えてたわ‥でも何日かたっても私を無視し続けるグループの子に対して私は‥1人でいた方が楽なんじゃって思うようになったの。今ならそれがどれだけ馬鹿な考え方か分かるわ‥私はその時謝るべきだったって‥‥でも自分のくだらないプライドで謝るなんて絶対にしないってその時は意地になってた」
この時の私がもっと相手の気持ちを理解できる人間だったら‥なんて考えるのは今日が初めてじゃない。
でも結局そんな事を考えようが後悔しようが過去を変えられるわけじゃない。
〜続く〜
【あとがき】
初めましてるなるなと申します。
今回初めて小説を書かせて頂きました。
小説と言ってもこのお話は私の過去を参考に作ったものなので考え方に偏りがあったり共感できないと思う人も少なくないかもしれません。
漢字や言葉使いでも「は?」と思う場面があるかもしれませんが是非心を海のように広げて見ていただけたらと思います。
この事を踏まえた上でこれからのお話も楽しんで頂けたら嬉しいです。