「おい、どういうことだよ」
実技試験なんて聞いて無い
俺は周りから怪しまれないように小声で
「実技試験があるなんて聞いてないぞ、どうすんだよ」
『大丈夫です、私に案があります』
「聞こうじゃないか、その案とやらを」
『あなたに世界一の魔力を授けます』
「………それで?」
『魔力が世界一レベルの人がいれば他の実技が全然できなくても入学出来ます』
「なんで?」
『あなたの世界でいうところのスポーツ推薦的な考え方でいいと思います。筆記試験は99.9%満点なので筆記で落ちることもないでしょう』
筆記はほとんどズルじゃん、カンニングじゃん
こんな入学方法でいいのだろうか
そんなことを考えていると俺の番が待ってきた
まず試験するのは戦闘試験らしい
試験官が木刀を構えてこちらを見据えてくる
「武器を構えよ、魔法使いならば杖を構えよ」
武器なんてあるわけないだろう?
「このままでいい、武器なんて持ってない」
「............分かった」
そう試験官が頷くと木刀を構え直した
俺は小声で
「なあ、どうしたらできるだけ痛い思いをせずにこの実技試験を終わらせられる?」
『そうですね、始まった瞬間に降参でもすればいいんじゃないですか?』
かなりかっこ悪いがそれ以外にこの場を痛い思いをせずに切り抜ける策は俺には思いつかなかった
「それでは........初め!」
「降参」
始まった瞬間に行ったらその場の空気が固まった
しばらく静寂が来たと思ったら審判が困ったような表情をしながら
「君は.........降参でいいのかい?」
「ああ、生憎と闘いには全く自信がないからな」
試験官の頬はピクついている
俺はさらに何か言われる前にさっさと審判に自分の名前を言ってその場を去った
その後の魔法適性では俺は何も出ず魔法が使えない『落ちこぼれ』だと分かった
だが、その後のスキル測定でそれは起こった
どうせ何も出ないだろうなと思っていたが出たスキルは
赤井黒
スキル:セ&$#[!>ード
文字化けしてしまっていたのだ
なんとか読めるのはセ、ド、ーも名前の一部なのだろか
とりあえず俺にスキルなどを付けられるやつに問い詰めることにした
「おい、どういうことだよ」
『すみません、あなたのスキルについて説明を忘れていました。それはあなたの使命に必要不可欠のスキルなのです』
俺の使命?勇者の卵を導くっていうやつに必要なスキル?
「どんなスキルだよ」
『あなたなら名前を聞くだけでどんな能力かわかると思います』
名前を聞くだけでわかるスキル?
『あなたのスキルはーーセーブアンドロードです』
そう女神は、後に俺の唯一で絶対のスキルの安直な名前を口にした
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