「へ?」
俺は気づいたら白い床の上で寝ていた
起きてあたりを見渡すとそこには何もなく、ひたすら白い床が続いていた
頭が混乱しすぎて何も言葉が出ないでいると
「おや、混乱していますか?無理もありません。いきなり“ここ“に呼ばれれば」
前を向くとさっきまでは誰もいなかったはずなのに目の前に1人の女性がいた
その姿はとても美しく、まさに女神というような雰囲気があった
「あんた、誰だ?」
俺は敬語が苦手で昔から先輩にもタメ口で話してしまうことも多々あった
できるだけ意識して目上の人には敬語を使うようにしているが混乱しているのも相まって忘れてしまう
だが、別に俺が敬語をしなくても気にしていない様子で自己紹介を始める
「申し遅れました、私の名前はアトロポスと申します」
そしてお淑やかにお辞儀をした
そのあまりにも綺麗な動きに見惚れてしまう
御辞儀ひとつでここまで変わるものなのかと全然関係ない考えを浮かべてしまうぐらい綺麗だった
「どうしました?私の体に何かついてますか?」
「!、いや、別に何もついてないよ。ちょっとぼーっとしちゃっただけ」
「ならよかったです」
そういって微笑んんでくる、やばい
ずっといるとなんだか惚れてしまいそうになるのでさっさと要件を聞くことにする
「アトロポスさんでしたっけ、ここはどこなんですか?」
「ここは色々な世界と繋がっている、いわば次元の『中心』です」
「はい?、もっとわかりやすくお願いします」
「わかりやすくですか..........想像してみてください、ここを中心に道がたくさんできているところを、そしてたくさんある道の一つ一つに先に世界があるところを、もっと簡単に言って仕舞えば色々な世界の『始まり』です」
「?????」
「まあ、わからなくてもいいでしょう。それより今は大事な話があります」
真剣な表情で俺を見る
いきなり見つめられると恥ずかしくて俺は目を逸らしてしまう
「黒様にとある世界の勇者を導いて欲しいのです」
「はい?」
いきなりなことを言われ理解が追いつかない
「正しくは勇者の卵ですかね、その人たちを導いて欲しいのです」
「どこへ?」
「もちろん、勇者である道です」
勇者である道?
「つまり、どうゆうこと?」
アトロポスさんにはぁとため息をつかれる
解せぬ
「勇者が歩むべき正しい道に黒様が導いて欲しいのです」
勇者が歩むべき正しい道ぃ?
知らん、そんな道
「わかるか!そんな道俺にわかるわけないだろ!」
「その点に関しては大丈夫だと思います、きっと、あなたなら」
「なんだよその無駄な期待、俺にそんな大層なこと到底できるとは思えないんだが」
「きっとできます。私が、私達がそう思っていますから」
根拠のない自信がどうやらアトロポスさんにはあるようだ
「そのため、あなたには勇者の卵たちが通う国立セリア学園に行ってもらい、一年生として通ってもらいます」
「待て待て、そもそも国立セリア学院って何だよ」
地球でそんな日本語と英語が混じった学校の名前なんて聞いたことがない
「あなたが通う国立セリア学院は毎年卒業生たちに勇者と言われる人が1人以上いる由緒正しい国公認の学院です」
しかも、地球に勇者なんて呼ばれる奴なんて変な奴を除いていないぞ?
「そもそも地球に勇者なんていないだろ」
するとアトロポスさんは小首を傾げ
「あなたが行くのは地球じゃありませんよ?」
「へ?」
「あなたが行くのはいわば異世界と呼ばれる場所です」
「へ?」
「そこの国立セリア学院にあなたは通って、勇者の卵たちを導いて欲しいのです」
「へ?」
いきなりのことすぎて『へ?』しか出てこない
「ちょっと話しすぎましたかね、時間もないのでこのまま異世界に転移させてもらいます」
「いや、ちょまーー」
「後の説明は向こうでしますからまずは言ってらっしゃいませ、異世界に」
そう言われて俺の意識はプツリと切れた
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