「暇」
新連載始めました!
俺はゆっくり通学路を歩いていた
周りには俺と同じ学生服を着た人たちがワイワイと話しながら学校の中に入っていく
俺も学校の前につき、改めてその学校を見る
明らかに綺麗で大きく、それでいて何か威圧感がある、今日から俺が通うーー
ーー国立セリア学院を
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俺の名前は赤井黒
年齢は16、身長はかなり低く148cm
髪は黒だが目は日本人にしては珍しくルビーのような赤色の目をしている
こんな明らかにガキにしか見えない見た目に加え、俺がかなりの女顔+童顔のため中学生の時、最初に『ロ』がつく特殊性癖のやつに告白された事がある
もちろん俺が男だって言った上でバッサリと振ってやった
高校に入ってからはなぜか制服を着て高校に行っても生徒手帳を見せないと『ここにはお嬢ちゃんが来るところじゃないよ?』と優しく追い出されかけて初日から遅刻するところだった
クラスに入った時も大変だった
クラスの奴らから『あの子誰?このクラスの誰かの妹さん?』などと言われ
挙げ句の果てクラスの女子に『どうしたのかな〜ここにあなたのお兄ちゃんかお姉ちゃんを探しに来たのかな?ダメだよ?ここはお兄ちゃんやお姉ちゃんたちが勉強するための場所だから来ちゃダメだよ?』と言われて
ついムキになって『ちげえよ!俺は高校生でこのクラスの生徒だよ!』と生徒手帳を見せると最初は『お兄ちゃんの持って来ちゃダメでしょ〜』と相手にしてくれなかったが担任が来て『そいつは信じられないだろうが高校生でこのクラスの赤井黒本人だ』というと先生の真剣な表情で冗談ではないとわかったのか『ご、ごめんね.......』と俺に向かって謝ったりとなかなか忙しかった
そんな日々を3ヶ月くらい過ごした時、俺はいつも思っている事をベットの上でつい呟いた
「暇」
と
みんなは思わないか?
一週間をほとんど同じことをしながら繰り返して
暇だ、とは思わないか?
少なからず俺はそう思ったから呟いた
何にでもなるわけでもないのに
ーーそう、何にでもなるわけがないつもりだった
あの声が聞こえてくるまでは
『暇、ですか。なら、最高に退屈しない日々をあなたに提供すると言ったら、あなたはどうしますか?』
どうせ俺の悲しい妄想だろうと、その時は思ってしまった
だから俺はこう答えた
「そんなことができるんだったらやってみろよ、最高に退屈しない日々とやらを」
答えた瞬間、目の前がぐらりと歪み意識が消えた
ーーこれが俺の運命の始まりだった
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