表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/28

第八章 狐とスライム

 時は朝。

 場所は小屋近くの平原。


「なんでじゃぁあああ~~~~~~~~~~~~~~!」

 

 と、地面に剣を叩き付けるのはカルラだ。

 彼女は近くで跳ねるスライムを指さし、フレイへと言ってくる。


「我は元魔王なのじゃ! どうして、スライムと戦わないといけないのじゃ!?」


「それって、魔王だから魔物とは戦いたくないってこと?」


「ちっがうのじゃ! 魔物なんてどうでもいいのじゃ! あいつらは我がピンチになったら逃げたのじゃ! しかも、捕まっても助けようとしないクソなのじゃ!」


 と、狐尻尾をぶんぶんカルラ。

 彼女はジタバタ、フレイへと言葉を続けてくる。


「むしろ我、魔物は嫌いじゃ! ぶっ殺してやりたいのじゃ!」


「じゃあなんで嫌なの?」


「決まってるのじゃ! 我が今更、こんな雑魚と戦う必要性がわからんのじゃ!」


「このスライムが雑魚?」


「雑魚じゃ!」


「……今のカルラ、このスライム二体くらい来たら、絶対に負けるよ」


「…………」


 と、途端ピタリと静止するカルラ。

 ショックに違いないが、別に大げさに言ったわけではない。

 理由は簡単だ。


 魔王だった際のカルラ。

 彼女の戦闘スタイルは完全魔法特化。


 近距離も、遠距離も。

 その全てを魔法で捌き、隙あらば火力で押し切るタイプ。

 

 カルラの魔法操術はたしかに凄まじかった。


 単純な技量のみで測るのならば。

 彼女の技量は、当時のフレイを完全に上回っていた。

 となれば。


「す、スライムに我が負けるじゃと!? 我の技術を甘く見るななのじゃ! レベル下がっても、我は強い!」


 と、カルラが言ってくるのも、仕方のないことだ。

 だが……と、フレイは彼女へと言う。


「まぁ僕のせいだけどさ、カルラ魔力ないよね?」


「はっ!」


「カルラは魔法主体から、剣主体のスタイルに切り替えなきゃだよね?」


「うっ!」


「そもそも、カルラがいったんだよね? これからは最強剣士として歩むって」


「…………」


 要するにこうだ。

 カルラはレベルも低ければ、戦闘経験も低い。

 なんせ、彼女の剣術は相当に低次元だ。


 フレイはスライムを指さした後。

 もう一度、カルラへと言うのだった。


「危なくなったら助けるから、スライム戦……いってみようか」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ