第二十六話 狐娘は抜いてみる②
「クックックゥ~!」
と、剣を振りまわしているのはカルラだ。
彼女はフレイへと言ってくる。
「フレイよ、わかるか?」
「わかるよ、離れていても魔力が伝わって来るからね」
そう。
カルラが手に入れた剣――間違いなく魔剣だ。
となると、気になるのは。
「それで? 能力はどんな感じなの?」
「ふむ、我にもまだわからんのじゃ!」
と、言ってくるカルラ。
彼女は狐尻尾をふりふり、フレイへと言葉を続けてくる。
「そうじゃの……この魔剣の名前も決めたいし、とりあえず使ってみるのじゃ!」
「名前、カルラが決めるの?」
「当り前じゃ! この子は我のなのじゃからな!」
我のにするのは結構。
しかし。
(剣の名前って、普通――鍛冶屋とか、情報開示系の魔法を使って調べるんだけど)
まぁ、カルラが剣本来の名前が気にならず。
自分で名前がつけたいのなら、特に文句は言わない。
どうせダサい名前を付けられる魔剣。
それがやや可哀想だが。
などなど、フレイがそんな事を考えている間にも。
カルラは剣を構え――。
「我が至高の剣、喰らうのじゃ!」
言って、剣を地面へと突き刺す。
すると――。
「お、おぉおおおおおおおおお~~~~~~!」
そんなカルラの周囲。
そこから現れたのは、大量の木の根だ。
これこそが、この魔剣の能力に違いない。
すなわち。
突き刺した個所を中心に、木の根を生やす。
これにより、対象を拘束できるに違いない。
しかも――。
「フレイよ! 見るのじゃ――この根、自由に動かせるのじゃ!」
と、言ってくるカルラ。
彼女の言う通り、その根は自由自在といった様子で動いている。
なるほど。
(これは強そうだな。遠距離からの拘束も可能ってことか……ただ一つ、問題があるとすれば)
「うぅ……でもフレイ、これアレじゃ! どう見ても木の魔剣じゃ!」
と、問題に気がついたに違いないカルラ。
彼女はフレイへと言ってくるのだった。
「我、闇の魔剣がよかったのじゃ!」




