第二十一話 初めてのリベンジ③
時はあれから数分後。
場所は変わらずダンジョン内――とある通路。
「くらえ、我が奥義! 究極狐流 《流星狐》!」
などと、相変わらずな技名を叫ぶカルラ。
同時、彼女が繰り出すのはただの横切りだ。
そして、そんな彼女はフレイへと言ってくる。
「やったのじゃ! スライジェルを倒したのじゃ!」
「うん、おめでとうカルラ」
「くはははっ! フレイにエンチャントして貰ったかいがあったのじゃ!」
ぴょこぴょこ。
ふりふり。
と、狐耳と狐尻尾を動かすカルラ。
そんな彼女は剣をしまうと、フレイへと言ってくる。
「うーむ、我思ったのじゃ……スライムジェルみたいに、物理無効の相手が出たらアレじゃ。我、全然勝てないのじゃ」
「でも、僕が今みたいエンチャントしてあげれば、カルラでも戦えるよね?」
「もしも、我単独で戦わなきゃいけなくなった時とか、そうすると困るのじゃ!」
「そんなのはありえないよ。カルラは僕が絶対に守るから」
「…………」
何やらモジモジしているカルラ。
しかも、いつもより頬も赤い。
カルラ、熱でもあるのだろうか。
と、フレイがそんな事を考えていると。
カルラが彼へと言ってくる。
「と、とにかく我なんか欲しい!」
「って言われても、カルラに魔法系は無理だし……」
「魔剣とかどうじゃ!? あれは魔力使わんじゃろ!」
魔剣。
それは特殊な精製方をされている。
そのため、常に魔力を帯びているのだ。
「たしかに、あれなら魔力のないカルラでも、物理無敵な相手にも対抗できるけど」
「けどなんじゃ?」
と、言ってくるカルラ。
フレイはそんな彼女へと言う。
「魔剣って、そうそう見つからないよ」
「マジなのじゃ?」
「だいたいが伝説レベルの武器だからね。ピンキリだけど、全部合わせても世界に百本ないんじゃないかな」
「えぇ~。我、闇属性の魔剣欲しかったのじゃ~」
と、狐耳をぺたんとしてしまうカルラ。
少し可哀想だ。
(もし魔剣が手に入ったら、カルラにプレゼントしてあげよう)




