第二十話 初めてのリベンジ②
「カルラ。さっき『魔法 《エンチャント・サンダー》が見たい』って言ってたよね? 思ったより早く、カルラに見せてあげられそうだよ」
同時、入り口付近――天井から溢れだしたのは、数匹のスライムジェルだ。
ようするに。
(召喚じゃなかったけど、やっぱりこの部屋はトラップ部屋だったわけか)
しかし、そこまでハードなトラップではない。
なんせ宝箱を取ることによって、トラップへの対処法を入手することが出来るのだから。
すなわち――。
と、フレイは短剣を引き抜く。
そして。
「魔法 《エンチャント・サンダー》!」
同時、短剣から迸るのは雷だ。
これこそが、この魔法の効果。
簡単に言うのならこうだ――。
魔法 《エンチャント・サンダー》は、装備している武器に魔力を付与する。
付与される魔法の属性は、雷属性。
「ふ、フレイ! 大変じゃ! す、スライムジェルじゃ! 出入り口を塞がれた……お、終わりじゃ!」
と、聞こえてくるのは、慌てた様子のカルラの声。
きっと、以前スライムに為すすべなくやられたのが、トラウマになったに違いない。
これは二重の意味でいい機会だ。
カルラに先ほどの魔法の真価を見せられる。
さらに、トラウマを払拭することが出来るのだから。
というのも。
「スライムジェルは物理無敵だけど、魔法にはとことん弱い」
直後、フレイは地面を蹴ってスライムジェルへと接敵。
即座に近くの一体へ斬撃を繰り出し、それを確殺。
続く一撃で、もう一体を屠り――。
「さぁ、僕の経験値になれ!」
残り一体のスライムジェル。
それに渾身の斬撃を振り下ろすのだった。




