第十二章 初めてのお仕事準備②
フレイとカルラが荷馬車を見つけた翌日。
荷馬車往来感覚問題は、意外なことで決着した。
それは――。
「まさか、この小屋にあるカレンダーに、行商人の往来日時が書きこんでおるとは、さすがの我も思いもしなかったのじゃ」
と、言ってくるのはカルラだ。
フレイはそんな彼女へと言う。
「僕が殺した魔法使いが、あの行商人を頼りに生活していたんだろうね」
「くははっ! 死んでからも役に立つとは……名前を覚えといてやればよかったのじゃ! まぁ、聞く前に殺してしまったがの!」
「まぁ、とにかく。カレンダーが正しいなら、次に荷馬車が通るのは四日後だ」
「つまり、それまでにダンジョンに潜るのじゃな?」
と、そんな事を言ってくるカルラ。
フレイはそんな彼女へと、頷きを返す。
さてさて。
先ほど話に出たダンジョンについてだが。
「カルラの言う通り、ダンジョンに潜るわけだけど――場所はわかってる?」
「当り前じゃ! 我を舐めるななのじゃ!」
と、言ってくるカルラ。
彼女は腕を組み、狐耳をピコピコ、狐尻尾をふりふりフレイへと言ってくるのだった。
「ここに来る前に立ちよった洞窟じゃ! あの奥――見た感じは壁になっていたが、魔物の気配がぴんぴん来たのじゃ!」
「さすがカルラだね。ようするにあの洞窟は」
「確実にダンジョンへと繋がっているのじゃ!」




