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俺、失恋する

「失恋したから、髪を切る!!」

「だからってなんでそんなに雑なの!? ほらもうっ、ここ座って!」


 散々泣きはらして、シオにいっぱい慰められて、そのあと風呂場で髪を切った。

 ばっさり切った。腰まであった髪が、首の後ろまでなくなった。

 ちなみに使ったのは、文具用のハサミだ。

 調髪用のご立派なハサミなんて、うちにはない。


 シオに促されるまま、再び風呂場へ行き、持ってきた椅子に座らされる。

 もうもう文句をいう彼は器用で、俺が適当に切り落とした髪を丁寧に整えてくれた。

 髪の長さは、鏡に映ったシオと同じくらいか、若干俺の方が短いくらいかな?

 それでもって、やっぱり途中からピンクに侵食されている髪色。

 このミステリー、俺は解き明かすことができるのか?


「さっすが、シオ!」

「はいはい、どういたしまして」


「ぼくと同じ顔で、変な髪形しないでね」と念を押される。

 あ、はい。ざんばらヘアーで押しかけて、申し訳ございませんでした……。


「なあ、シオ。俺、明日から男子生徒の制服着る」

「出た。ニアの男子制服着たい症候群」


 俺の髪をわしゃわしゃ撫でて、切った髪を振り落としたシオが、呆れた声を出す。

 むすり、頬を膨らませた。


「卒業するまで着る。ずっと着る」

「今の女子制服、どうするの?」

「売る。ちょっとは金になるだろ?」

「あんまり汚れてなかったらね」


 掃除よろしくね。ハサミと椅子を持ったシオが、風呂場を出て行く。

 物理的に軽くなった頭を振って、辺りに散らばった髪の残骸を見下ろした。

 ……売れないかな、これ。


 俺たち双子は庶民だ。

 魔術特待生として、学園に所属している。

 特待生といっても、庶民を貴族のたわむれに無理矢理捻じ込んだのだから、学園の価格設定は全て貴族基準だ。

 つまるところ、俺たちには金がない。

 けれどもこの学園を出れば、宮廷魔術師として雇用されるチャンスがある。

 だから俺たちは、節約してでも学園に通っていた。


 紙袋に縛った髪を入れて置いていたら、通りがかったシオに「きもちわるっ!!」と驚かれた。

 改めて見たら、自分でもぎょっとした。

 これ、本当に売れるのかな……?

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