23 『記載項目概要情報』
今回は作中の用語解説です。
(解説というほどちゃんとしてない)
『記載項目概要情報』
『カナリー』(人間・女性。生存年2030~2060)
画家。油絵を主に作品として残す。幼少期にバーチャル展覧会やVRアート、VRコミックを堪能して才能を開花。フリースペースにて絵を描く日々を送る。2030年の秋に生まれた。地表区域の人類死滅に伴い死亡として処理。以降のデータは存在しない。享年30歳。
『アトリ』(シリアル:BMHA2050-mb102025-3032。稼働年2050~2062)
2050年に人類文化保護用機体として製造されたうち、絵画芸術用機体の一体。地表区域に生存していた人間からの技術接収、保全対象外人類の暴動誘発、人類死滅後の死体処理が用途。アトリという個体名称はカナリーが名付けた。2062年春。稼働停止。
『■■■■■』(人間・男性)
保全者のため個体名称、生年没年情報は閲覧不可。施設員。画家フィンチの血縁者。カナリーとは直接の面識はなく、操作する機体でのみ接触あり。BMHシリーズの構造技術開発に携わった。
『ラッチ』(個体識別登録情報不明)
フリージャーナリストとして地表区域で活動。個体名称は偽名。本名不明。画像より身体構造は男性に近い。『画壇フィンチの享楽』や『保全者淫宴委員会』などの記事や写真を新聞社などに提供した。
『保全者選定委員会』
人類再生のために残すべき人物を選定することを目的とした団体。各国の有識者が選ばれたとされているが、各国の政治や宗教の関係者とその血縁者が多い。地表区域から隔絶したシェルターなどを施設としており、現在は人格データバックアップとジーンバンクにより休眠状態になっている。
『30齢症』
母子間の遺伝が確認されている致死性感染症。発症すると遺伝子に異常を起こし、30歳前後で罹患者を絶命させる。戦争用に製造されたウィルス型生物兵器が変異して蔓延。現在も根絶はできていない。
『ベルラ・マニエラ』
「最も美しいものを繋ぎ合わせて可能な限りの美を備えた一つの人体を作る様式」として、「ベルラ・マニエラ(美しい様式)」とヴァザーリが定義づけた。
ここから『美しい価値観を繋ぎ合わせて可能な限りの美を備えた機構を作る様式』と定義し、人体・機体・機構など万物をより美しく構築する思想へと現在では意味が遷移した。
アトリを含むBMHシリーズの基本構想、我々が至るべきあり方、人類再生の基本理念など、多岐にわたり用いられる言葉でもある。
『我々』
無機機体全体管理、人類再生機構管理、地表区域管理などを担う管理機構群。及びそこに発生する電子情報の総称。
『人間』
2060年に死滅を確認。その文明や技術は我々に受け継がれている。再生後に改めて再継承を行う予定だが、現在は目処が立っていない。
アトリのシリアル表記が半角なのは仕様です。(全角にすると鬱陶しいと思ったので、わざとです)




