75A列車 改変
さて、当初計画していた切符は綾部→綾部の片道乗車券。舞鶴線、小浜線、北陸本線、新幹線を経由し、伯備線、山陰本線を通るルートである。この時、まだ一番長くなる乗車券であるこのルートの切符は購入していなかった。乗車変更とかそう言うものをかける必要は無かった。だが、九州まで行くことになると、今もっている「スーパーまつかぜ6号」、「こうのとり20号」と「はしだて4号」の特急券。「サンライズエクスプレス」の姫路または岡山→米子間は使わないことになる。
(乗車変更かけるしか無いか・・・。)
僕の頭は九州に行く行程をすぐに組み上げた。
頭の中に出来た行程はこうだ。まず、綾部から舞鶴線、小浜線、北陸本線を通り東京に至るルートは同じだ。翌日、「サンライズエクスプレス」を姫路で降車し、新幹線を乗り継ぎながら熊本へ向かう。熊本から「かわせみ やませみ」に乗車し、「いさぶろう」、「はやとの風」を乗り継ぎ鹿児島中央に至る。中央駅から新幹線で新大阪まで戻るルートだ。
中でも特異な乗り方をするのは姫路→熊本間の新幹線となる。
(萌に言って、こうするって話か・・・。)
それしか無いな・・・。
「「はやとの風」が不定期かかぁ・・・。確かに、ナガシィが今の仕事してる限り土日必ず休みになるなんて事無いしね・・・。」
萌が言う。
「前に時刻表で調べて、日豊本線経由で帰ってくるルートの時に計画した案があるからそれを姫路から先にぶっ込もうと思うんだけど。」
「なるほど・・・。」
萌はそう言うと時刻表の最初のほうにある水色のページを開いた。水色のページには新幹線・その他優等列車だけが載ったページとなっている。九州旅客鉄道の特急が数多く載っているページを開き、「はやとの風」を見る。
今回乗る列車は「はやとの風3号」。吉松を15時01分に出発し、鹿児島中央に16時44分に到着する。今度は山陽・九州新幹線のページを開く。16時44分以降の新幹線で新大阪まで戻れる列車は「さくら568号」、「みずほ608号」、「さくら570号」。この後にも列車があるが、これ以降となると守山到着がかなり遅くなってしまう。
「新大阪から「びわこエクスプレス」乗る。」
「ああ。乗ろうかな。」
「ふぅん・・・。となると「みずほ608号」かな・・・。」
そう言い、「びわこエクスプレス」が載っているページを見て、すぐに「あっ、「みずほ」じゃ間に合わない。」と言った。
「じゃあ、「さくら568号」しか無いね。」
「そうね。ところで姫路から熊本は新幹線で行くんでしょ。どう行くつもりなのよ。」
「ああ。えーっとねぇ、まず「みずほ601号」で姫路から岡山に行って・・・。」
萌は山陽・九州新幹線のページその2にある「みずほ601号」を指で追った。
「次は「ひかり441号」で三原まで。」
「「ひかり441号」で三原・・・三原・・・。」
「その次が「こだま725号」で広島まで行って、次が「さくら543号」で小倉まで行く。次が「のぞみ95号」で博多に行って、次が「つばめ319号」で熊本に行く。」
「「こだま725号」、「さくら543号」、「のぞみ95号」、「つばめ319号」・・・。ナガシィ「つばめ319号」じゃなくて「つばめ321号」じゃ無い。」
水色の文字で表示された「のぞみ95号」の欄から指を右に動かし、次のページに載っている黒色の「つばめ321号」の所に指先が来る。
「えっ、そんなはず無いよ。「つばめ319号」乗らないと「かわせみ やませみ」に間に合わないから。」
「でも、「のぞみ95号」の博多到着と「つばめ319号」の博多出発が同じ時間よ。乗り換えられないじゃん。」
「えっ、ウソッ.」
「私が嘘言ってどうするのよ。」
そう言いながら、右手で「のぞみ95号」を左手で「つばめ319号」を指さした。どちらも9時40分。確かに乗り換えられない。
「えっ、これじゃあこっちの全種別コンプできないじゃん。」
「全部コンプしなくても、これ行ければ全種別に乗ることになるでしょ。」
「一度に全種別乗ることに意味があるんじゃ無いか。」
「ああ、ごめん。ごめん。」
12月2日。僕は栗東駅の窓口に向かい、乗車変更や諸々の料金兼の購入をした。マルス券は実に18枚に及ぶ。それを眺めていると、仕事の都合で以外行くしか無いと思える。
(しっかし・・・。やっちゃったなぁ。久しぶりにやっちゃったなぁ・・・。)
僕は心の中でそう言いながら、新幹線特急券5枚を手に取った。
僕が今手にしている新幹線特急券には料金表示がされていない。料金の項目は「***」となっている。なかなか見たことの無い表記であろう。それに、知らない人が見れば、変に細切れしている切符ばかりだ。最も長く新幹線に乗る区間は広島→博多間くらいだ。
こうしたことには理由がある。本当は東海道・山陽・九州新幹線を走る全ての超特急に乗る予定だったのだ。しかし、行程を組むために使った時刻表が古かったことが災いし、「のぞみ」にだけ乗れないという自体となった。その集まりがこちらの5枚の切符である。
「仕方ないか・・・。」
だが、これで旅の下準備は全て整った。
乗車券
守山→馬堀
経由:東海道・山陰
馬堀→新八代(連1)
経由:山陰・舞鶴・小浜線・北陸・金沢・新幹線・東京・新幹線・博多・新幹線・熊本・鹿児島線・肥薩・日豊・鹿児島線・鹿児島中・新幹線・新八代
新八代→守山(連2)
経由:新八代・新幹線・博多・新幹線・京都・東海道
12月18日付料金券
「まいづる1号」
「サンダーバード27号」
「かがやき514号」
「サンライズ出雲」
12月19日付料金券
「新幹線特急料金券(指定席券:「みずほ601号」・「ひかり441号」・「こだま725号」・「さくら543号」・「つばめ319号」)」
「かわせみ やませみ3号」
「いさぶろう」
「はやとの風3号」
「さくら568号」
「びわこエクスプレス4号」