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父と母に捧げる

作者: 良子

 あれは、私が2歳くらいの時でした。まだ、小さかった私はほとんど覚えていませんが、私の母はガンでした…

 私を身ごもった時には既に腫瘍は大きくなり手の施しようがないと言われたそうです。それでも母は懸命に私に思い出を作ろうと宣告されていた余命より2年も生きてくれました。これは、その後の残された父と子のお話です…

 母が亡くなり父は私を育てることを迷ったそうです。

 その頃の父は、母が亡くなりとても苦しんでいました。

 そんな父が男で一つで娘を育てるというのは苦しかったのでしょう…けれど「自分が育てるから施設に入れないでくれ!」と祖父や祖母に言ったそうです。その時の父は、いったいどんな顔で言ったのでしょう…私はとてもかっこよかったのではないかと思っています。たった数年しか愛した妻と過ごせず一人で娘を育てようと言うのです。

 父は、こお思ったそうです。

  私を支えに一生懸命生きようと…父は私を引き取り一生懸命働いて私を育てようと頑張ってくれました。

 そんなある日、父は私にある女の人を紹介しました。

 その人は、私の新しい母でした…その人には二人の子供がいました。私に新しい母と姉、そして兄が出来たのです。

 私は義理の母になかなか馴染めず、母から疎まれていました…ただ姉や兄はとても優しく私はすぐに懐きました。

 そんな時、私は母に怒られたました…

 理由は私が実の母を思って泣いていたことを知られてしまったからです。母は私にたずねました。「私と実の母どちらがいい?」とまだ幼かった私は、素直にこう答えました。「実の母がいい」と…義理の母は許せなかったのでしょう。自分はどうしたらいい!?と怒鳴って殴りつけました

 それから数年、義理の母と父は離婚しました。

 私はその時小学六年生でした。そして父と私の二人暮らしがまた再開しました。それからというもの父と私はまるで友達のように仲が良く楽しい生活を送っていたのです。

 けして裕福では無いけれど二人で楽しい生活を送っていたのです…それからまた数年がたちました。

 私はなかなか勉強についていけず支援学級に入ることになりました。仲が良かった友達はみんな私から離れて行きました…私は友達を失い周りの人に八つ当たりばかりしていました、そんな時、私はいじめられるようになったのです。

 次第に学校に行くことを嫌がり、不登校になって行きました。その頃の私は自分はなんでこんななんだ、どうして生きてるんだと思い詰めるばかりで周りの声に耳を傾けることはありませんでした…ところが、私がいじめられている事を知ったいとこのお兄ちゃんがいじめをしている子を見つけて辞めるよう説得してくれたのです。

 それから少しづつ学校に通えるようになり、友達も少しづつ出来て前向きに考えられる様になりました。

 そんなある時父が心筋梗塞で倒れたのでした…

 父が苦しむ中私は気づく事ができず急いで病院に向かいました。さいわい父は手術で助かりました。しかし、既に心臓の血管の幾つかがつまっていて持って後数年ではないかとお医者様に言われました。私は、たくさん後悔しました。何故父の体調の悪さにきずけなかったのかと…

 それから、父に仕事をひかえるようにいいました。

 そして、生活保護を受けぎりぎりの生活を始めました。

 ですが、父はそれでも一生懸命働来ました。何度止めても私のため生活のためと……

 それからは、私は止めることはせず自分もバイトをするといって働き始めました。やって見ると楽しくて、一生懸命働いて得るものはたくさんありました。

 しかし、順調に行っていると思っていた所に一本の電話がかかりました…それは私が内定を控えた高校2年生の時です

 学校に一本の電話がかかりました…私は呼びたされすぐに帰るよういをする様言われ、何が何だかわからないまま生徒会室に呼ばれました。「落ち着いて聞いてね、お父さんが仕事場で倒れられて緊急はんそうされました」私は、その時自分でも分かっていたのでしょう。その言葉を受け入れすぐに病院に行きました。私も身内もみんな助かると思っていました…なのに、ついてすぐ部屋に案内され「2時間心臓マッサージをしてもう戻る可能性はないので心臓マッサージを停止します」と私は泣きくずれました…

 たった一人の家族でたった一人の理解者でした。そんな父が私をおいて先に旅立ってしまったのです…

 たくさん泣いて私は思いました。これで父は病気の苦しみから解放され母と幸せになってくれるのではないかと

 そう思うと心が解放される様でした…

 そして、今私は父や母に喜んでもらえる様一生懸命生きて行こうと思っています。目の前の事これからの事たくさん悩みはあるけれど私は一人ではないのです。支えてくれる家族、そして友達私は精一杯頑張って行こうと思います。

 最後に父と母へ私は一人じゃないよ…心配しないでちゃんとみまもっててね…

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