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救世ノラヴドール~俺とセクサロイドの気ままな旅~  作者: こもれび
第一章 聖戦士と漆黒の妖精
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エピローグ 聖戦士

今回で第一章はおしまいになります。

「ほんとに良かったんです? フィアンナさん達に何も言わなくて」


「い、良いんだよっ! もう良いんだっ! ぐすん……」


「あらららら……」


 俺の隣で皮のホットパンツにやはり革製の胸当てを着けた一見冒険者風の姿の二ムが巨大なバックを背負って俺の顔を覗きこんで来やがる。ついこの前まで来ていた桃色のブリオーはあのとき灰になっちまったから、とりあえず今回はもう少し動き回りやすくて安価な服に変えて俺が買ってやった。

 というか、なにニヤついてんだよ、マジで見んじゃねーよ!

 もう踏んだり蹴ったりだよ! マジで!


 俺は目の下を拭ってから、背中の鞄を背負い直した。二ムほどではないが、俺のも結構でかい。

 まあ、数日分の食料と生活用品のもろもろをパッキングしてあるからな。この大きさも仕方ない。

 そう、俺たちはアルドバルディンの街を後にして新天地を求めて旅に出たわけだ。

 いや、あの街自体に不満があったわけじゃないのよ。

 平和だし、住んでる人はどの人種の人もみんな穏やかだし、優しいし……

 でもな……俺の壊れた心(ブロークンハート)はあそこじゃもう癒せなかったんだよ、ぐすん。


 さて、なにがあったのかと言えば……


 それは!



   ×   ×   ×



 『死者の回廊』であの気持ち悪い第四使徒とかいうやつに止めとばかりに、身体破壊魔法と死者蘇生魔法の両方を俺は喰らわせた。

 この魔法はあの痴女っ子……じゃなかった、眼鏡の女からもらったあの本に……ったく二ムのせいで、あの眼鏡ちゃん痴女認定しちまったじゃねえか、まあ、いいや。

 そうそう、あの赤い本の最後の方のページに載ってた奴で、それぞれ、複数種の精霊の力を同時に引き出し、それを融合させることで放つ魔法だったわけなんだが、本には色々と小難しいことを書いてあったからそれを俺なりに解釈、短縮、改良することで、結構簡単に使用できるようにしておいたのが功を奏したわけだ。あの瞬間に、素早く魔法を展開できたからこそ、あれほどスムーズに事は成った。

 二ムに言ったように、融合してしまった魂の一つだけを抜き出すことは出来ない。

 これは魔法の制御の問題というよりは、人体のメカニズムによるところ。

 完全に生命として一つの存在になっているものを無理矢理に引き剥がすことはなんでもできそうな魔法であってもやはり難しいのだ。『魂の宝珠』のようなアイテムもないし、時間をかけることもできない。だから、俺はこの手を使った。


 まずフィアンナごと第四使徒を殺す。

 そしてフィアンナだけを生き返らせる。


 要はこれだけ。簡単なことだ。

 あの気持ち悪い第四使徒を殺すことは、べつに何の問題もなかった。俺のつかう魔法でも可能だったが、燃料補給したばっかりの二ムもいたしな。二ムには直径50m級の小惑星を爆砕できるだけのパワー(カタログスペック)を与えてあったしな、どんなモンスターであっても生物であるなら、一撃で大抵は葬りされるということを俺は当然理解していた。

 でも、だからと言ってフィアンナに痛い思いはさせたくなかった。身体の昨日の殆どは奪われていたしな、いくらなんでも元々はフィアンナの身体、それを無遠慮には壊せない。

 だから、彼女には蘇生魔法を掛け続けた。

 これで痛みが取れるかどうかは分からなかったけど、少なくともただ死ぬのを体験させるのはどうかと思ったしな。

 おかげで彼女は安らかな顔のままで蘇生を果たすことが出来た。


 金色に輝く光の中から、無垢なフィアンナの全裸姿が現れた時はさすがにやばかった! しかもそれをやはり全裸の二ムが受け止めちゃってたし!

 なんというか、女×女で、裸×裸で、百合×百合な、バックボーンが全部百合にまみれちゃいそうな錯覚に浸って、ハッと気がつけば、ボロボロのマントを被った二ムとフィアンナの姿。どうやらゴードンじいさんが自分の荷物の中からそれを取り出して着せたらしいのだけど、よ、余計なことしやがって!

 とか思っていたら、


「おい! 紋次郎!」


「ひゃいっ!」


 いきなりじいさんに怒鳴られて直ちに気をつけの姿勢に。いや、だから怒るのやめてってば。


「おい紋次郎良いか? このことは誰にも言ってはならん! ここで起きたこと、それからお前が使った魔法、その全部を誰にも知られてはならん! 良いなっ!」


「な、なんでだよ! 魔法ぐらい良いだろ? 誰だってつかえんだからよ……」


「ダメじゃと言っておろうがっ‼」


「ひっ! ひゃいっ! りょりょりょ了解でありますっ!」


 こえー! 超こえー!

 なんでこんなに目を吊り上げて怒ってんだよ! あれか? 俺が『戦士』のくせに『魔法』つかっちまったからか? いやあれだよ? 俺だってこんな風に魔法使いたかったわけじゃねえんだよ。俺の場合こんな風に魔法使っても経験値は入らねえしな。結局あれは精霊が勝手に魔法使ってるだけ。俺はいつだってしっかり自分の剣で倒して、レベル上げたいと思ってんだから。

 でも仕方ねえじゃん。こうでもしないとあの気持ち悪い奴を倒せそうになかったし、フィアンナも助けられなかったんだからよ。

 

 こっぴどくじいさんに怒られた後で、じいさんにさっさと引き上げるぞと言われ、俺とニムは慌てて地面に転がっていたアルベルトとセシリアを回収、すぐさま街へ向かった。

 急かされたもんで何か忘れているような気もしたけど、とりあえず当事者はみんな無事だし、ホッと胸を撫で下ろして闇夜の中を駆けて帰ったわけだ。



   ×   ×   ×



「ま、ほんとみんな無事でなによりだったよ」


「ほんとっすよね! でもワッチが一番感動したのは、アルベルトさんでやんすよ! 全部終わって茫然自失になったセシリアさんを抱きしめて『僕が一生君を守る』とかってあのセリフ! あれでワッチも胸がキュンキュンしちゃいましたし! イケメンって本当に何やっても様になるんすね!」


「くっ……イケメンの上に爽やかでいい奴で優しいとか、一体誰得なんだよ!」


「まあまあ、ご主人もどっちかと言えばイケメンの優しい人っすよ? 口が悪くなければですけど!」


「う、うるさいよ」


 確かにニムの言う通り、あの時のアルベルトの行動を見て、不覚にも俺も少し感動してしまった。

 今回の事件……元を正せばセシリアの親父のスルカンの私怨が原因であったわけだ。幼馴染でもあり親友でもあったフィアンナの父、ライアン・アストレイに対し、変えることのできない『主従』の関係から憎しみを抱くようになり、今回の暴挙に出た。

 『死者の回廊』にライアンを呼び出し殺害し、あの魂の宝珠を奪った。

 そして、一年後の満月の夜……ちょうど俺たちがこの世界にやってきてしまったあの時に、『主様』と呼んでいた『第四使徒ドレイク・アストレイ』を復活させようと企てていたらしいが、多分俺たちが原因でそれが行えなかった。で、ちょうどもう一月後の満月のあの夜に、あの行動に出たわけだ。

 裏でスルカンの欲望に目をつけた『魔族』と呼ばれる奴が糸をひいていたようではあるが、結果としてはセシリアの父が蛮行に及んだという事実は覆らない。当然、セシリアは酷く落ち込んでしまったのだ。

 あの時……アルベルトは悲しみに沈むセシリアを抱き寄せ、彼女に告白し、そして口づけをした。

 それがあまりにも格好良すぎて、つい『おめでとう!』と叫びそうになっちまったんだがな。

 危なかった!

 俺をクビにした恨みを忘れたわけじゃないんだからね! ふんっ!


「いやでもあれですね! あの後のアンジュさん達と話した後のご主人の顔ったらなかったすね」


「て、てめえ! クビ引っこ抜いてデュラハンにしちまうぞ!」


「いひひっ! やめてー! 別にそんなくらいじゃ何にもならないっすけど、絵面がまずいので勘弁です!」


 ケラケラ笑ってるニムが本当に腹立たしい。

 くそっ! 俺は本当に傷ついてんだからな! こんちくしょー!

 

 アルベルトとセシリアが結ばれた舞台は、何を隠そう閉店後のアンジュちゃんの店だった。

 街に帰った俺たちだったが、街の中が妙にざわついてて普段とは違った様子。どうも『死者の回廊』からアンデッドの大群が襲ってくると心配しているようではあるけど、多分今日はもう来ないだろう。地下にいた連中は俺が火炎魔法で焼き尽くしちまったし、あの礼拝堂にいた連中は全部粉々に

なってたし。

 ま、何体か来たところでこの街もそこそこの規模があり、腕の立つ奴も多い。

 心配はしていなかったが、一応大丈夫そうだよと教えてやろうとしたら、じいさんに『余計なことするな』とまたもや怒られ、全員でおとなしくアンジュちゃんの店に向かったというわけだ。

 で、『あの話』。


 セシリアとアルベルトが結ばれたのを見て、『そうだ! 告白するなら今しかない!』。そう俺が思ったとしても全然問題ないことだと思うわけよ。

 だから俺は店の隅の方にアンジュちゃんを呼び出した。

 そう、俺は俺がこの世界に来てずっと思っていた熱い胸の内を彼女へと伝えたかった。

 どんなに怖くても、どんなに辛くても、どんなに惨めな思いをしていても、いつも彼女は笑顔で俺を励ましてくれていた。

 俺は彼女が好きだった。大好きだった。だから!


『好きです! 俺と付き合ってください!』


 俺の一世一代の告白だった。もう心臓バクバクで、息も出来ないし、このまま暫くしたら死んでしまうんじゃなかろうかって思ってた訳なんだけど、すぐに彼女は笑顔で言葉を送ってくれた。


『ありがとう、モンジロウさん! 本当に嬉しいです!』


『え? じゃ、じゃあ……』


『あ、でも、私今、お腹に【赤ちゃん】いるから……』


『は?』


 見れば優しい顔でお腹をさするアンジュちゃん……と、その背後でアンジュちゃんをイヤラシイ顔で抱きしめる……アンジュちゃんのお父さん!? はあっ!?


『あ、お義父さん、今はやめて。ふふっ、モンジロウさん見てるしぃ』


 いきなりいちゃいちゃ始めるお二人さん。

 えーと、簡単に言ってしまうと、アンジュちゃんはここのオーナー夫婦の養女だったわけだが、養父のオーナーが手を出してしまってたらしい! というか、なんで奥さん怒らねえんだよ! とか思っていたら、この世界は『一夫多妻制』OKらしく、奥さんもグラマーで相当な美人な訳だが、自分に子供が出来なかったから今回の妊娠はかなりうれしいようだ! なんだこのご都合ラノベ設定‼

 当然だが、その時の俺は魂を抜かれて真っ白に燃え尽きてたわけで、それをニムがおもしろおかしく(つつ)いて遊んでいたらしいのだが。くっ!


 と、それだけなら良かったのかもしれない。

 

 なんとその直後、救いとも言える女神が降臨した。

 ギルド受付嬢のニーナさんが血相を変えて俺の元に駆け寄ってきてくれたのだ。彼女は『けがはないですか?』『大丈夫ですか?』『私本当に心配で』と瞳を潤ませて俺に声をかけてくれる。

 

 ああ……俺のことを思ってくれる人はいたんだ。俺にとっての『天使』は彼女だったんだ! そう思っていたら……


『ご無事で本当に良かったです……あの……あの、紋次郎さん。出来たら今夜……その一緒に……』


 顔を真っ赤にしてもじもじ始めたニーナさんにドギマギしてしまう。ま、まさかで、デートか? そんなに俺のこと好きになっちゃったの?


『い、いや、急すぎない?』


『い、いえ……一目見た時からずっと紋次郎さんのこと意識してたんです。だからお願いです。今夜楽しみましょ……私たちと一緒に……()()()、うふっ♥』


『は?』


 恍惚となった彼女の背後には、筋肉ムキムキのマッチョ野郎軍団! しかも全員腕に『夜警』の腕章つけてやがるし!

 

 瞳を潤ませて、ぺろりと赤い舌を覗かせた彼女は俺の股間に自分の腰を押し付けるようにしながら、自分の乳房をいきなり揉みしだき始めた。そして……


『もう……我慢できないのぉ……とっても欲しいの、紋次郎さんの、こ・こ!』


 そう迫る彼女から俺は猛ダッシュで逃げた! 当然だ!

 この女、完全な『クソビッチ』だった。

 こいつらの『夜警』、完全に俺の予想通りだったんじゃねえか!


 これは後で聞いた話だが、店を飛び出した俺はそのまま水路に頭から突っ込んで意識を失い、その妙な格好で固まった俺をニムが引っ張り上げてやはり(つつ)いて遊んでいたらしい。こいつ本当に後でぶっ殺してやる。


「まあ、ほら気にするのやめましょうよ。ご主人にはワッチがいるじゃないっすか? こんなに可愛い二ムさんですよぉ?」


 言いながら、うりうりとその身体をまとわりつかせてくる人造人間。


「ええい、離れろこの金喰い虫! だいたい旅に出たのはお前にも原因あるんだぞ? ったく、貴重な魔晶石ドカ喰いしやがって! もうあの街に魔晶石はねえんだからな」


「分かってやすよーだ。ふふー、そんなこと言いながらワッチのこと一番に考えてくれるご主人、優しくて超好きです」

 

 さらに密着してくる二ム。

 やめて! これ以上されたら本当にドキドキしちゃうから!


 この世界の二ムの燃料でもある魔晶石はもうあの街には在庫がない。というか、もともとかなりの貴重品であるらしく辺境の街での流通は少なく、手に入れる為にはもっと大きな街へ行く必要があった。

 それもあって俺たちは直ぐ様旅に出たのだけれど。

 まあ、理由は何だって良かったけどな。


 さらばアルドバルディン!

 さらば俺の恋心!

 俺はここに誓う!

 もう絶対『優しい女』の言うこと信じないって! ぐすん……


「あ、フィアンナさんすよ?」


「え?」


 二ムの声に慌てて振り返ってみれば、手に何か棒のような物を持って走りくるフィアンナの姿。

 わわわ、なんで来ちゃうんだよ、俺今全部忘れようと思ったところだったのに。 


「待っ……て……、待ってください! ……はあはあ……」


 息を切らせるフィアンナは駆け寄って俺の服のすそをぎゅっと握った。

 や、やめてね、そんなことされたらまた勘違いしちゃうでしょ? もう嫌だよ、これでフィアンナまでクソビッチだったら俺二度と立ち直れる自信ない。良い思い出で終わらせてくれよ。

 とりあえず、フィアンナの反応が怖かったので謝る。


「あ、悪かったな、なにも言わずに出てきちまって」


「いえ……いえいえいえ……そんな……モンジロー様は悪くないです。悪いのは私の方です! 失礼な言動をして酷い依頼をして、それに命まで助けて頂いたのにお礼もしていなくて」


「いや、いいんだ。本当に気にしないでくれ」


「あ、あの……」


 急にフィアンナが俺に頭を下げながら手にしていた棒のように見えていたそれ……『剣』を差し出してきた。


「あ、あの、紋次郎様。大変お願いしにくいことではあるのですが、もし王都へ立ち寄られるのでしたら、『アマルカン修道院』の院長の司祭様にこの『亡者の剣』をお渡しいただけないでしょうか? そして伝えていただきたいのです。フィアナはいつか必ず今回のこの罪を償うと。本当は私が直接行かなくてはならないことは重々承知しております。ですが罪を清算する前に私はこの街の為に出来るだけの事をしたいのです。おねがいします。この通りです」


 必死に懇願してくるフィアンナに俺も強くなんて言えない。

 

「わ、わかったよ。渡せばいいんだろ? なら俺達が持って行ってやるから、安心しろ。それと今回は色々あって辛いだろうが、あんまり気にしないことだよ」


 俺のこの言葉に目を丸くしたフィアンナ。彼女はゆっくりと俺へ剣を渡してきた。

 それを受け取った直後


「モンジロー様……私などの為に、本当にありがとうございます。この御恩生涯忘れません。私……私は……」


 そう宣言してくる


 やばい、このパターン……ニーナさんと一緒じゃねえか。俺に気があるそぶりをして、実はただのビッチで……

 こ、この流れで、『アルベルトさん達と一緒に良いことしましょ』とか言われたら、俺もう絶対立ち直れない。

 ここはさっさとお別れしよう。なんとでも言って。


「悪いフィアンナ、俺達急いでいるんだ。だからもう行かないと」


 フィアンナはハッとした顔で俺達を見る。そして直ぐ様頭を下げた。


「ご、ごめんなさい私ったら……そうですよね、モンジロー様達はたくさんの命を救う大事なお役目がありますものね。もう私の為の時間は終わっているというのに、私ってば……」


 何を言ってるんだこの娘は。前から思ってたけど、結構思い込み激しいんだよなフィアンナは。また、なにか妄想でもしてんのか?

 胸の前で手を組んだ彼女が顔を上げると、その両目から止めどない涙が溢れているし。

 うお、なんで泣いてんだこいつは。

 フィアンナは嗚咽混じりに話し出す。


「私……私は頑張ります! モンジロー様に救っていただいた命……この全てを使って街を必ず守って見せます! アルベルトさんとセシリアさんと一緒に……本当に……本当にありがとうございました」


 来たー! やばい! 『アルベルトとセシリアと一緒に『夜警』楽しんじゃいます!』とか『アルベルトの2番目の嫁にして貰っちゃいます』とか言われたら!? も、もうこれ以上は無理、絶対聞きたくない!

 

「う、うん分かった。俺も応援してるから、本当に頑張ってな! じゃあな、あばよ!」


 俺は言ってそそくさとその場を後にしようと離れる。もう嫌だよこれ以上は。せめてフィアンナだけはいい思い出にしたいんだから。

 二ムはとみれば、口を押さえて必死に笑うのを堪えてやがるし。


「なんだよ二ム。なに笑ってんだよ」


「いえ……ぷくく……ご主人って頭良いのに、なんでこんなに……ぷくくく。フィアンナさんいい思い出に出来そうで良かったですね」


 この野郎人の思考読み取りやがって。くそ、めっちゃ気分悪い。


「もう、ご主人機嫌直してくださいよー。ワッチは運が良くて良かったーって思ってるだけでやんすよ! あ、そうそう、さっき街を出る時にめっちゃ綺麗な黒髪の女の人に声をかけられやしてね……」


 はいはいと俺は適当に相槌を入れながら、歩みを進める。後ろにはまだ俺達を見つめてくるフィアンナの視線を感じつつも周りを見渡せばどこまでも続く青々とした草原と、そこを貫くでこぼこの轍となった馬車道。チキチキと小さな虫達の鳴き声をBGMに、俺達は広い広いこの世界へと足を踏み出したのだ。


 さーて、この先いったい何が待っているというのか……

 新たな出会いへの少しの期待と、隣の能天気な機械人形が持ち込むであろう多大なまだ見ぬ迷惑に思いを馳せ、俺はただ青く青く澄み渡る空を見渡すのであった。


 背後に佇み続けていたフィアンナが静かに涙しながら、『一つの恋』に決着をつけたことなど、その時の俺には知るよしもなかった。


 


   ×   ×   ×



 一人の小人が山道を行く。真っ赤な髪と髭を蓄えた彼は、その背に身長にそぐわない大きな背負い籠を担ぎ道なき道を進む。その背の籠には大小さまざまな武器と思しき晒しの巻かれたそれが見てとれた。

 彼が目指すのは深い深い森の奥、薄暗いその木々の合間を抜けると、切り立った崖の上に天空へと聳えるかのような白亜の城が現れ、真っすぐにそこへと歩を進めた。

 彼は崖をよじ登る様にして、その狭い岩肌の道を行く。そして、その白の門の前に立つとそのまま開き、中へと入った。


「あら? 思ったよりも早く着きましたのね、あなた……」


「まさか、そこでずっと待っておったのか? プロミネア」


 様々な彫刻の施されたその大扉を開け、その内に入ってすぐに、長い銀の髪の深紅のドレス姿の美しく若い女性が彼を出迎えた。線の細いその肢体は一見すると弱弱しくか細く見えるも、だが、そうではないということをその細く長く尖った耳が物語っていた。

 銀の髪にエメラルドの瞳……そして、ナイフのように細く尖った耳……

 エルフ……それも、『最古の民』として伝承されるハイ・エルフ……永遠の命を持つとも言われるほどの長寿の存在にして、自然の摂理にその身を委ねるともされた生命の体現者。美しき妖精がそこにいた。


 彼女はその小さな顔を少し傾げ、その小さな口に微笑みを浮かべて小人を見る。


「そうです……と言ったら、あなたは喜んでくださるのかしら?」


「ふんっ! バカを言え」


「ふふ……でも、貴方の気配を感じて私は本当に嬉しかったのですよ」


 小人……ドワーフはその巨大な背負い籠をおろしもせずに目の前の美の化身ともいうべき存在へその鋭い瞳を向け続ける。

 ハイ・エルフもまた、ドワーフを見つめそして彼へと近づき、そっとその膝を折って彼を抱擁した。


「…………」


 何も言わず、ただ彼を抱きしめるハイ・エルフ。彼女はそっとその身を放し、再びにこりと微笑んで見せた。

 それを見たドワーフは視線を逸らさないまま彼女へと言った。


「ようやく……ようやくお前を助けることが出来る……かもしれん」


「え?」


 驚いた顔に変わるハイ・エルフ。彼女もジッとドワーフの瞳を見つめたまま次の言葉を待った。


「『聖戦士』を見つけたやもしれんのだ」


「『聖戦士』……まさか……彼の存在はおとぎ話そのもの……それは前にも申しましたはず。ありえません」


「ふんっ! 存在そのものがおとぎ話のようなお前に言われたくはないわい!」


「またそのように冷たい言葉をお選びになって……」


 彼女はその美しい瞳に涙をにじませる。だがそれは目の前の屈強なドワーフに冷たい言葉を言われたからではない。悲しいからではない。彼女は微笑みながら泣いていた。

 分かっていたからだ。

 この人物が、まさにその『御伽話』でしかないその伝承を求め、数百年彷徨い続けていた事実を。そしてそれこそが彼の『愛の形』であるのだということを。

 ドワーフはそんな涙ぐむハイ・エルフへと少しトーンを落とし優しく語り掛ける。


「儂は『精霊に愛される戦士』に出会うた。奴は一切魔力のないくせに、魔法を使いおったのじゃ。それも失われた『古代魔法(エンシェントルーン)』を。奴が言うには、精霊の力を借りたからじゃと。自分の内に魔法術式を構築して精霊の力を引き出した……頭が良いからじゃと、奴の仲間の娘が話しておったがな、何を言われようと魔無しが魔法をつかうなぞあり得ん話じゃ。じゃが、儂は見た。奴を助け、奴に魔法を使わせた精霊の姿を。人と交わることのないはずの精霊が、まるで会話でもするかのように」


 その時の光景を思い浮かべてでもいるのだろう、赤毛のドワーフは深く嘆息しつつ言葉を続けた。


「そして奴は『使徒』を滅ぼしおった」


「え? 『使徒』を? まさか……」


 この時初めてハイ・エルフは驚愕する。目を見開き、口に手を当てこの話の真意を確かめようと声を漏らしたのだ。


「プロミネア……あそこに……『死者の回廊』に眠っておったのは『第四使徒』だそうじゃ。名を『ドレイク・アストレイ』。お前は眠っておったあれの事を知っておったのではないか?」


 それを聞かれハイ・エルフは首を静かに振る。


「我々には確認するだけの猶予も力もありはしませんでした。ただ、彼ら……『使徒』達は確実にこの地に降り立ちました。それを『彼女』がその残った全ての力を使い切って封じ込めた……ただそれだけのことです」


「ふむ……」


 ドワーフは自分のあごひげを撫でている。


「あれは恐ろしい存在じゃ。儂だけでは到底太刀打ち出来ん。現に儂は奴に確かに『喰われ』てしまったからの、『伝承』の通りじゃ」


 そう言ってドワーフは自分のステータスカードを取り出して彼女へと手渡した。

 それを見た彼女は沈鬱な表情に変わる。


「御身体は大丈夫なのですか?」


「心配はいらん。頑丈なだけが儂の取柄じゃからな」


 ニヤリと笑みを浮かべた彼に彼女は苦笑した。そしてハイ・エルフは語る。


「『目覚めの時』……が近づいているのかもしれません。私には感じるのです。『彼女達』の……『オルガナ』の息吹を……そして『シェイディア』の鼓動を……でも、もしそうだとしたならば、この地はいよいよ……」


「ふんっ」


 不安げな顔に変わったハイ・エルフを()め付けたドワーフが言う。


「『同族』の共感か? 儂にはそんなことはどうでも良い。目的はただ一つよ。聖戦士と共にこの世界にかけられた忌まわしい『呪い』を解く。ただそれだけのことじゃ。そのためだけに儂は生きてきた」


「あなた……」


 ドワーフはくるりと背を向け大扉へと向かう。その背中にハイ・エルフが声を掛ける。


「もう、行ってしまわれるのですか?」


 その寂しそうな声にドワーフはその足を止める。しかし振り返らずにそのままじっとその場に立ち続けた。そんな彼の背中に、紅のドレスのハイ・エルフが愛おしそうに言う。


「抱いて……下さらないのですか?」


 ドワーフが振り返った。その瞳は先ほどとは変わり穏やかで優しいものに。


「今はな……お前が『自由』になる時まで待っておれ」


 再びハイ・エルフの瞳に涙がにじむ。この目の前の不器用な小人がどれだけ優しく、どれだけ思いやりがあるのかということは、永劫の時の中で彼と共に生き続けてきた彼女には良く分かっていた。そして彼が絶対に嘘をつかないのだということも。

 そんな彼の背中へとハイ・エルフは声を投げる。自分のささやかな夢を叶えようとしてくれている小さな彼の無事を祈りながら。


「行ってらっしゃいませ、ゴードン」


「ああ、行ってくる。プロミネア」


 振り返らずにそのまま歩み去って行くドワーフを想い、ハイ・エルフは胸の前で手を組んで祈りを捧げた。

 どうか、ご無事で……と……



   ×   ×   ×



 ここにもう一つの物語があった。


 エルタニア王国の王都より南方の果ての山岳地域に赴いていた一組の男女のお話である。

 銀の甲冑を身に着け長剣を腰に帯びたその短い金髪の美丈夫の傍らには、地に着いてしまいそうな長い黒髪を揺らした色白の黒衣の美女が控え、その佇まいはまるで絵本の英雄とその従者の妖精を模したかのようであった。


 国王により招聘されていた銀の甲冑の男は王国内で起こる様々な危機に対して、特別の権限を与えられその危機の排除を命じられた。

 彼はそれを拝命しそして最初に赴いたのがアンデッド騒動に湧いていたこの辺境アルドバルディンであった。

 

 だが、彼らがこの街に着いたときにはすでにその騒動は収束していた。

 『死者の回廊』と呼ばれる古の墳墓から湧き続けていたアンデッドを駆除したのは、現領主と王国聖騎士の二人との話。命を賭けた戦いのすえ、領主スルカン・エスペランサは死亡。生き残ったのは聖騎士ただ一人。

 その生き残りの証言により事件の全体は明らかになっていたため、彼らは『別の問題』の解決に向かっていた。


 街から南へと向かう、通称『ドワーフ鉱山への道』と言われる細く険しい路の途中で、銀の甲冑の男はその鈍く黒色に光る長剣(ロングソード)を構えていた。

 佇むその姿は落ち着きはらい静謐そのものであるにも関わらず、その全身から発せられる恐ろしいまでの威圧に、森に住まう小さな動物たちは怯え逃げ出してしまっていた。

 暫くの刻を置き、森の樹々が風のいたずらでざわめき始めたその瞬間、その茂みの一画が盛り上がり三つの何かが飛び出してきた。それは三方から飛び掛かる様にして男を襲う。だが……


 ヒュンッ!


 男が振り向くかのように体を捻ったその直後に、襲い掛かっていたそれらが血しぶきを上げて地面へと落下し、べちゃっという激しい音と共にその自重により潰れた。


「ふ……『フォレストライノ』か……なかなかに恐ろしい魔物だな。こんなにもたくさん生息しているとは」

 

 男はそう言うと、突き出すようにしていた血塗られた剣を一振りしその血を飛ばす。そして手入れ用の布で剣を拭いそれを鞘へと戻した。

 彼の周囲には今現れた3体の他にも、数十体の魔物の屍が転がっている。彼はこの数時間、この場所に現れる魔物を狩り続けていた。理由は二つ、比較的街に近いこの場所に『C級』にランクされる多数の魔物が現れたから。それと、今まさに目の前に『横たわる巨大な遺骸』を守る為。彼はそれを見上げふうっと深いため息を吐いた。


「ラインハルト様……お見事でした」


「エレオノールか?」


「はい」


 ラインハルトと呼ばれた銀の甲冑の男が声を掛けられ振り返る。そこには黒衣に全身を包んだ薄く微笑む色白の美しい女性が立っていた。彼女は優美にお辞儀をする。


「それで……どうだった? あの街に『上級魔法使い』はいたか?」


 そう問われ、エレオノールという名の黒衣の美女は小さ首を振った。


「いいえ……アルドバルディンの街には魔法に長けた存在はありませんでした。冒険者ギルドにも聞いてきましたが、所属するその殆どは戦士で、魔法使いは一握り……それもごくごく初級の魔法をこなせる程度の方しかおりませんでした」


「ふむ……そうか……ならば説明がつかないな。『あれ』を為した者はあの街に無関係な流れ者か、それともはたまた人外ということか……」


「はい」


 ラインハルトはエレオノールを連れたって、その『巨大な遺骸』へと近づく。

 そのあまりのサイズに怖気が込みあがってくるも、彼は腐敗が進みつつあるその腹側へと周る。小さな沢山の羽虫が飛び辺りに生物が腐り行く臭気が立ち込めるのにも構わずにその『腹の内』を凝視した。

 そう、そこには何もなかった。

 本来生物であれば必ず存在するであろう、心臓や胃などの臓器がごっそり無くなっているのだ。しかもただ開かれていただけではない。『くり貫かれて』いたのだ。それも『正六面の立方状』に。

 胸から腹までかけて優に3mはあろうかという体をまるで型で抜いたように四角く消滅してしまっていた。しかもこの刃をも通さない硬い皮膚ごとである。

 

「エレオノール……『魔法の申し子(ルーン・マスター)』と呼ばれた君であってもやはりこれを為した魔法がなんなのか解からないのかい?」


 自らの主にそう問われ、少し俯きがちになった彼女は頷いて返す。


「はい……私には想像もつきません。今まで学んだどの魔法にも当てはまらず、いったいどれだけの魔力を必要とするのかも……皆目見当がつきません」


 その答えにラインハルトは微かに微笑みを浮かべて返した。


「『光闇()元魔法』の全てを操る君をしてそう言うのならば、それこそ規格外の存在が行ったことだったのだろうな」


「申し訳ありません」


 俯くエレオノールにラインハルトはそっと手を伸ばし、その頬を優しく撫でる。それに導かれるように顔を上げたエレオノールは彼の優し気なまなざしを見た。


「ま、気にしなくていいよ。それにしてもまさかこんな辺境で『東の魔王』と出会ってしまうとは……しかも死骸となった姿で……今までも色々あったがこれほど驚いたことはないよ」


「ラインハルト様はこの魔獣に遭遇したことがあるのですか?」


 そう問われラインハルトは目を細めて中空を見つめた。


「ああ、あるよ。『ドムスの惨劇』という話を覚えていないかい?」


「聞いたことはありますけど、たくさんの兵隊が亡くなったと……詳しくは知りませんが」


 ラインハルトはそれに頷くと話をつづけた。


「数年前のことなんだが東方の大国、軍事国家ドムスが大陸制覇に乗り出しかけた時期があった。この時、『ジルゴニア帝国』やこの『エルタニア王国』も含めた様々な国に激震が走ったわけだけど、結局この大陸遠征は行われなかったんだ。理由は簡単。正に遠征に乗り出そうとしたそこに、突如この『東の魔王』が現れたのさ」


 言いながらラインハルトは横たわる死骸を見つめる。


「俺はその時ドムス国軍に随行していていてね、一部始終を見てしまった。5万の兵の眼前に突如この巨大な魔獣が現れ、まるで暴風の様に暴れまわった。それはもう凄まじい勢いでね。ドムスの兵は装備も充実していて屈強だ。魔獣を迎え撃つべく隊列を組んで攻撃に転じたが……」


 ラインハルトは表情を険しくして言った。


「結果は悲惨だった。あれはもはや戦いとも呼べないものだった。弓も刃も魔法も全く効かず、ただ荒れ狂うこの一体の魔獣に軍団は蹂躙され、そのことごとくが潰され、吹き飛ばされ、殺された。逃げようとし始めた時にはこの魔獣の眷属であったのだろう、多数の『森犀(フォレストライノ)』や『装甲犀アーマードライノス』に周囲から襲い掛かられ、逃げることも叶わずその兵の殆どはその場で喰われた」


 その話にエレオノールは唾をのむ。そして胸の前で組んでいた手に力を込めていた。

 

「俺は生き残っていた兵を束ね、魔獣の数の手薄な個所をついて一気に脱出した。助けることが出来た兵はごくわずかだったよ。この巨獣はその後『東の魔王』と呼ばれるようになった。精鋭の殆どを失ったドムスの軍事行動はそこでとん挫。以来国境を固く閉ざし守りに入っているわけさ」


 苦いものを噛み潰したような顔に変わったラインハルト。美しいその顔が歪むさまを見て、エレオノールは彼の心の傷が癒えてはいないのだろうことを感じた。

 そしてあることを思い出し、それを口にする。


「ひとつ……お耳に入れたいお話があります。アルドバルディンの街には確かに『上級魔法使い』はおりませんでしたが、街ではある『噂』が広まっていました。他の街でも度々聞く噂でしたのであまり気にしてはいなかったのですが、この魔獣がそれほどの存在であるのでしたら、ひょっとしたらその『噂』も意味があるのではないかと」


「なんだい? その『噂』って」


 優しいラインハルトの眼差しを受けて、エレオノールは口を開いた。


「はい……この街に『聖戦士』が現れた……と」


「ほう……」


 ラインハルトは興味を惹かれた様子でまっすぐにエレオノールを見る。そして聞いた。


「『現れた』ということは……『何か』をした『誰か』がいたわけだね? その人物の名前は?」


「も、申し訳ありません……そこまでは……ただ、『ご主人が街を救ったんですよ』とニコニコと笑って話していた可愛らしい少女と出会いまして、ひょっとしたらその『ご主人』という方がその存在かも……と」


「うん、実に興味深いね」


 ラインハルトは顎に手を当てて少しの間思案し、そしてもう一度『東の魔王』の遺骸を見つめる。

 そしてポツリと言った。


「ひょっとしたら……『聖戦士』の肩書を返上しなくてはいけないかもね」


 彼の背後に佇むエレオノールは何も言わない。

 この世界を救い、この世界を導くのはほかの誰でもない、目の前のこの銀の甲冑の聖戦士の他にいるわけがないと信じていたから。

 そう……彼が彼女を救い出してくれたように……

 でも……と思う。きっといつかどこかでその『誰か』と相まみえる時が来るのだろう、その予感が絶えず彼女の胸の内をざわつかせていた。


 彼女の主は薄く微笑んだまま、何も語らない。

 ただ、静かに、かつて魔王と呼ばれた存在に見入っていた。



【第一章 聖戦士と漆黒の妖精 了】


最後詰込み過ぎ感ありますけど、読み返してみて思うのは、本当に大事なとこに主人公たちが全く絡んでない。うーむ、いいのかなこれで? ま、いいか。

ということで第一章はここまでです。お読みいただいて本当にありがとうございました。

次回から第二章スタートですが、現在鋭意執筆中です。完結まで書きましたらまた連日投稿したいと考えております。そちらもよろしくお願いします。

一応さわりだけお話しますとですね、エロいお姉さんたちがいっぱい出てきちゃうんです。うん、でも、R-18にはしない予定。怒られるまでは(笑)

ここまでありがとうございました。

ブクマ、ご評価など応援宜しくお願いします。

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