第一章 第一話~久しぶりの義妹との再会!(義妹は引きニートでした。)~
俺は母親にあまり似ていないとよく言われる。
それは高校生になった今でも変わらない・・・・
「咲良さん、どうぞー。」
今日は三者面談。
人生で二番目にやりたくないことだ。
「涼太くん、あまり成績がよくないですね~。高校生になったんだから、もう少し頑張ろうとしましょう。」
白状しよう。
バカまではいかないが、頭が少々悪い。
だがそんなことは慣れっこだから、毎回気にしていない。
ここの高校は、受験前に一夜漬けで何とか受かった。
俺がそんなことを考えていると、先生と俺の母親との話が進み、話題は俺と母の顔の話になった。
どういう経緯でそうなった?と、思いながら耳を傾けた。
「そういえばお子さんとあまり似てませんね?」
「そうなんですよ~、実は私と夫は再婚しまして涼太とは血が繋がってないんです。」
「あっこれは失礼いたしました。」
「いいんです、いいんです。ちなみに、両方の親に子供がいて涼太は父親のほうの子でした。だから似ていないと言われてもしょうがないんです。」
先生はそれ以上このことには触れずに三者面談は終わった。
学校から帰って来てソファーに横たわっていると。
「涼太くん、『夜空』にご飯届けて~。」
『咲良 夜空』、再婚相手の一人娘。
そして俺の義妹。
俺は夜空の顔を知らない。
歳は十歳と聞いたが、あまりピンとこない。
もちろん身長も知らない。
何故なら義妹は。
・・・・そう、部屋に閉じこもりっぱなしの現役ヒキニートなのだ。
そんな義妹に、朝晩ご飯をドアの前に届けることが俺の役目。
これが俺の人生で一番やりたくないことだ。
ほとんど見ず知らずの人にご飯を持っていくのはどうかと思っている。
「おーい夜空、晩ご飯持ってきたよ~。」
もちろん夜空の部屋からは、なにも返事がない。
俺がいつものようにリビングへ戻ろうとしたその時だった。
『・・・・ガチャ』
「・・・あっママ!これ持ってって!」
空の食器が入ったお盆をもって出てきたのは夜空だった。
「・・・・よっ・・・夜空?」
どうやら母さんと間違えたようだ。
『バタン!!』
「えっ・・・ちょっ、ちょっと!?」
「すみません!間違えました。」
「なんで敬語?っていうかドア開けて!」
その後、何とか説得しドアを開けてもらった。
俺はこいつに話したいことが山ほどある。
いい機会だ。
一つずつ話していこう・・・。