表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ジョーカー・ガン  作者: 唄海
1章 撃鉄を起こせ
4/32

時計じかけの古喫茶

「おーい、リーダーとお客さんだよー」


クローズは俺を引っ張りながら建物──中はバーのようにカウンターや座席があるシックな空間になっている──へと案内してくれる。


中には3人、人がいた。


「あら、珍しいわね」


一番前のカウンターに座っていた女性が立ち上がってこちらへとあるいてくる。

緑色の長髪、豊満な身体つき、口元のホクロ。とにかくエロくて綺麗な女性だった。


「沙雅って名前だってさ」


クローズが紹介してくれる。


「いらっしゃい、沙雅。ゆっくりしていきなさい」

「あ、あぁ! ゆっくりしてく! えーと……」

「ミーヤよ」

「よろしくミーヤ!」


握手を交わす。握った手はとても艶やかで、理性がガラガラと音を立てて崩れ去る。

とにかくエロい。思わず声が大きくなる程エロい。

唯一の救いと言えば、彼女は他の人達より厚着な事だ。それでも体のラインがわかるのだから、薄着なら大変な事になる。

低体温なのだろうか。


「…………」

「ヒィ! 何?!」


いつの間にか隣に人が立っていた。


「…………」

「ななななななんです?!」


その人はジト目で俺を見つめてくる。なんだろう、すげー怖い。


「…………」

「アーガス」

「へ?」

「…………」


それが名前だと言う事を理解するのに、数秒。いつの間にかアーガスは元いた席に座っていた。


濃い紫のくせっ毛。ちくしょう、性別がわからねぇ!


「よろしく、アーガス」


奥の方に座るアーガスに向かって手を振る。

やっと理解したか、やれやれ。そんな感じの目をしながらも、アーガスはコクコクと頷いてくれた。


「悪いね、無口なヤツなんだ」


クローズがフォローを入れる。


「よぉ、お前が沙雅か!」

「あぁ、俺が沙雅だ」

「お前だったのか!」

「知らんがな」

「ハッハッハ! 面白い奴だ!」


カウンターに立っていた大柄な男性がのっしのっしと歩いてくる。金髪モヒカン。見た目からしてヤバそうだ。


「アンタは?」

「俺はガルムってんだ。一応、こん中じゃ1番年食ってる!」

「お、おう……よろしくガルム」


握手を交わす。やはり手もデカい。街中で会ったら間違いなく逃げる。


「よーし、1通り終わったね。まぁ、そのへんに座ってよ」


クローズが席を勧めてくれる。言われるがまま、俺は入り口付近の座席に座る。座席はわりとフカフカだった。


「あ!」

「ん? どうかした?」

「トイレか? トイレだったら奥行って右だ!」

「あ、いやそうじゃなくて」


あまりにも皆がフレンドリー過ぎて気が緩んでいたが、そもそも俺は絶賛迷子中だった。


「聞きたい事があるんだ」

「あら、何かしら?」

「…………」


流されるがままここへ来てしまったが、そもそもここは一体どこなんだろうか。


「ここは何処なんだ? 俺、鉄尾町(てっぴちょう)から来たんだ」

「テッピチョー? そんなとこ、聞いたこともねーな!」

「俺もだねぇ。アーガスは知ってる?」

「知らない」

「え、じゃあ一体ここは何て名前の町なんだよ」


心が焦り始める。どうして、皆知らないんだろうか。

リーダーが俺をじっと見つめる。


「なぁ沙雅。お前、サークル出身じゃ無いのか?」

「いや、日本生まれの日本育ちだ。サークル自体がどこだかわからない」

「……なぁ、沙雅。一つ聞きたいんだが」

「なんだ?」


心が、心臓が警鐘を鳴らす。ダメだ、聞いてはいけない。聞いたら絶対に後悔する、と。

そんな予感を抑え、リーダーの質問に答える。だがそれは、やはり聞いてはいけない質問で、聞いてしまった故に大きな後悔を残してしまう物だった。


「───ニホンって何処だ? 沙雅、寝ぼけて無いよな?」



キャラまとめ


リーダー:銀髪、長身

クローズ:金髪、童顔、ムードメーカー

ミーヤ:女性、緑髪、エロい

アーガス:性別不明、濃い紫の髪、くせっ毛、無口

ガルム:金髪、モヒカン、大柄

沙雅:黒髪、黒目、一般人、甘党



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ