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ジョーカー・ガン  作者: 唄海
1章 撃鉄を起こせ
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何時も雨降り

 息が切れる。心臓は絶え間なく鳴り続け、痛い程に収縮する。


「あんたは……人を殺すのが仕事なのかよ」


 ねじ切れそうな意識をつなぎ止め、俺はリーダーを睨みつける。


「そうだ。キュベレーの奴らを殺し、ラウジカの奴らを守る。それがホーネットの仕事だ」

「……っはは!」


 あまりにも残酷な世界の在り方に、思わず笑い出す。正直、笑わなければやってられない気持ちだった。


「ちくしょうが……なんでこんな世界に来ちまったんだよ……」


 自分自身の運のなさを呪う。殺す相手がモンスターや獣ならまだこんなにも自分を呪う事にはならなかった。

 でも、この世界は違う。剣や魔法はなく、モンスターもいない。あるのは人と人が銃をもって殺し合う事だけ。

 手に持った銃が、色々な意味で重かった。


「……悪い、リーダー。少し、時間をくれ」

「まだ、準備には時間がある。外でも歩いと来るといい」

「そうする」



 俺は立ち上がり、ポケットの片方に無造作に銃をねじ込む。弾丸は込められていない為、ただの見せかけでしか使えない。なぜ俺はこんな物を持ち歩こうと思ったのかすら、俺自身にもわからない。


「人殺しは嫌なのに、持ち歩くのは大丈夫なんだな」


 自嘲気味に笑いながら、店の外へと出る。途中、クローズ達が不思議そうに見てきたが、ちょっと散歩とだけ告げた。


「沙雅、一つだけ言っておく」

「なんだ?」

「お前はもう俺達の仲間だ。だから、ここには必ず帰ってこいよ」

「…………別に、出ていきゃしねーよ」


心を見透かされたような気がして、思わず口調が粗くなる。リーダーに言われたように、俺はこのまま逃げ出したい気持ちになっていた。どこへ逃げるのかも、逃げる意味も思いつかないが、それでも俺は逃げ出したかった。


「……ちくしょう」


 頭の中がうまくまとまらず、空を見上げる。先程まで晴れていた空は、俺の心を反映したようなぐちゃぐちゃの灰色に変わっていた。

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