レボリューションを君に
さささっと書いたものです。読んでいただけますと嬉しいです
あぁ、いつだって君の背中は遠くて遠くて。手をどれだけ必死に伸ばせど届くことはないと思い知らされる思い出と最近。
君に憧れて音楽の世界に入った私。
大勢が期待と喜びを携えた視線を舞台に送る。そんな舞台の上で君は堂々と楽しそうにショパンをひいた。
ひききった時の君の笑顔といったら。弾けるように輝いて、感謝の視線をスタンディングオベーションの客席に送り返した。
憧れて、目標にして、追いつきたくて、練習して、届かなくて。
でも
それでも君と肩を並べたくて。君の隣にいても恥ずかしくなく堂々としていたいから。また、練習して。
…挫折を、味わって。
もう届かないきっと駄目だ君の隣には他の誰かが………
でも
それもやっぱり嫌で。君の隣に自分以外の誰かがいる。そんなのは許さない。君の隣に立つべきなのは自分。
弱く脆く酷く諦めの悪い脆弱な自分を奮い立たせ、また、ピアノの前に立つ。
重い黒の扉が開けばモノクロの刃がせせら嗤う。
お前には無理だきっとどこかで挫けて終わりだあの子の隣になんて到底いけやしない
そんな僕を励ますのはあの初めて聴いた君のショパン。
手足が震え「自分」を揺さぶられ心が奮えた。
何かを成し遂げた事? ない
何かに憧れたこと? これが初めて
焦がれるほどに何かに想いを寄せたこと? ない
なにもかも初めて。全てが新鮮で楽しくて不安でだけどやっぱり期待の方が大きくて。
君は僕に革命を起こしてくれた憧れの人。
ありがとうございました。
またお会いできたらどこかで。
さようなら